本日(2017年8月11日)の読売新聞の「がん遺伝子治療 トラブル」という記事を読み、ふと思ったこと。
あくまでも、august03のひとりごとですので、スルーしていただいて結構です。
記事よりの抜粋
「生きられると喜んでいた夫は、裏切られた思いに突き落とされました」。都内のクリニックでがん遺伝子治療を受け、その後亡くなった男性患者の妻が心情を語った。
男性は大学病院で余命半年と告げられた。息子が何か治療法はないかとインターネットで探し、このクリニックを見つけた。
面談した際にクリニックの院長は妻に、「ここで命が助かります。遺伝子が変異した状態では抗がん剤や放射線は効かないので、すぐに中止してください」と説明した。男性は大学病院での治療を中止。がんを抑える遺伝子が入っているとする点滴を8回受けたが、大学病院での検査で、がんは逆に大きくなっていたことが分かった。しかし院長はさらに点滴を促した。再点滴後、震えが止まらず、全身から汗が吹き出した。疑念を持ち、それ以降の治療をやめたが、既に546万円の治療費を払っていた。
その後、男性はがん専門病院に転院し、同年9月に亡くなった。「何やってんだろう」とこぼした夫の姿を妻は忘れられない。昨年3月、妻は治療費や慰謝料など1150万円の損害賠償を求めて提訴。クリニック側は訴えを全面的に受け入れた。
「クリニックを見つけた息子も家族も傷ついた。同じ思いをする人がでないように、正しい情報が行きわたってほしい」と妻は訴える。
患者が治療に疑問を抱くとクリニックが治療費を返還することもあり、トラブルが表面化するのはごく一部とみている。
日本遺伝子細胞治療学会の理事長は「どのような治療が行われ、安全が確保されているのか不透明。有効性が立証されていない治療は制限されるべきだ」と話している。
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このStep by stepを書きだして10年近くになるわけですが、(他の記事でも何度も記載しているのですが) 本当にインターネットというのは怖い世界です。魑魅魍魎が跋扈しているのは、10年前も今も変わりありません。いまは、インターネットへのアクセスが昔以上に簡単になっていることから、状況はもっと悪くなっている、とも言えるかもしれません。さらに、医療のネット宣伝が解禁されたに等しく、「やり放題」のようにも見えます。
藁にもすがる思い→→[インターネットで検索」→光明を見つけた!!という心情になる→→ ....余命半年と宣告を受けた人やご家族にとっては、理性的な判断はできない状態でしょう →→→ 自信に満ちた言葉で「助かります」.....これが詐欺師の常套句ということも、第三者だから言えることであって、ご本人たちにとっては、地獄で仏に会った気持ちだったと思います。
病人やそのご家族を騙すことほど容易なことはありません。たった一言、「見てください。こんなにたくさんの感謝の手紙がきています」「私はもうすでに何千人もこの手で治してきました」「ここで治療すれば治ります」「よく遠くからわざわざ来てくれましたね。もう大丈夫ですよ」 こういう言葉をかけるだけで、助かりたいと願っている人は、自分の見たいもの・聞きたい言葉を言ってくれる相手を「信用」してしまいます。だって、助かりたい、治りたいと願っているのですから、「治ります」と言ってくれた相手をどうして疑ることができるでしょう。
それから「治療」なるものが始まれば、もう詐欺師にとっては、ボロ儲けです。たとえ、「治療」の途中で、なんか変だと気づいて止めたとしても、すでに、詐欺師の手には、十分な金が転がり込んできているのですから。
その昔、まだStepを始める前のことですが、側弯症の現場をインターネットで調べていた当時、北関東のN方面で開業している人のブログを見つけたことがあります。この人、実に正直な方で、こう書いてありました。「月に2人から3人の新しい子供が来てくれれば、十分生活していける」
何が正しい知識なのか、何が正しい情報なのか、このインターネットの世界では難しすぎます。なぜなら、正しいと判断するには、その読み手が「正しい知識」を持っていなければ、正しい判断なんてできないのですから。
いつまで続けられるかわかりませんが、せめて、少しでもお役に立てれば幸いです。
august03
☞august03は、メディカルドクターではありません。治療、治療方針等に関しまして、必ず主治医の先生とご相談してください。
医学文献の拙訳を提示しておりますが、詳細においてはミスが存在することも否定できません。もしこれらの内容で気になったことを主治医の先生に話された場合、先生からミスを指摘される可能性があることを前提として、先生とお話しされてください。
☞原因が特定できていない病気の場合、その治療法を巡っては「まったく矛盾」するような医学データや「相反する意見」が存在します。また病気は患者さん個々人の経験として、奇跡に近い事柄が起こりえることも事実として存在します。このブログの目指したいことは、奇跡を述べることではなく、一般的傾向がどこにあるか、ということを探しています。
☞原因不明の思春期特発性側弯症、「子どもの病気」に民間療法者が関与することは「危険」、治療はチームで対応する医療機関で実施されるべき。整体は自分で状況判断できる大人をビジネス対象とすることで良いのではありませんか?
あくまでも、august03のひとりごとですので、スルーしていただいて結構です。
記事よりの抜粋
「生きられると喜んでいた夫は、裏切られた思いに突き落とされました」。都内のクリニックでがん遺伝子治療を受け、その後亡くなった男性患者の妻が心情を語った。
男性は大学病院で余命半年と告げられた。息子が何か治療法はないかとインターネットで探し、このクリニックを見つけた。
面談した際にクリニックの院長は妻に、「ここで命が助かります。遺伝子が変異した状態では抗がん剤や放射線は効かないので、すぐに中止してください」と説明した。男性は大学病院での治療を中止。がんを抑える遺伝子が入っているとする点滴を8回受けたが、大学病院での検査で、がんは逆に大きくなっていたことが分かった。しかし院長はさらに点滴を促した。再点滴後、震えが止まらず、全身から汗が吹き出した。疑念を持ち、それ以降の治療をやめたが、既に546万円の治療費を払っていた。
その後、男性はがん専門病院に転院し、同年9月に亡くなった。「何やってんだろう」とこぼした夫の姿を妻は忘れられない。昨年3月、妻は治療費や慰謝料など1150万円の損害賠償を求めて提訴。クリニック側は訴えを全面的に受け入れた。
「クリニックを見つけた息子も家族も傷ついた。同じ思いをする人がでないように、正しい情報が行きわたってほしい」と妻は訴える。
患者が治療に疑問を抱くとクリニックが治療費を返還することもあり、トラブルが表面化するのはごく一部とみている。
日本遺伝子細胞治療学会の理事長は「どのような治療が行われ、安全が確保されているのか不透明。有効性が立証されていない治療は制限されるべきだ」と話している。
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このStep by stepを書きだして10年近くになるわけですが、(他の記事でも何度も記載しているのですが) 本当にインターネットというのは怖い世界です。魑魅魍魎が跋扈しているのは、10年前も今も変わりありません。いまは、インターネットへのアクセスが昔以上に簡単になっていることから、状況はもっと悪くなっている、とも言えるかもしれません。さらに、医療のネット宣伝が解禁されたに等しく、「やり放題」のようにも見えます。
藁にもすがる思い→→[インターネットで検索」→光明を見つけた!!という心情になる→→ ....余命半年と宣告を受けた人やご家族にとっては、理性的な判断はできない状態でしょう →→→ 自信に満ちた言葉で「助かります」.....これが詐欺師の常套句ということも、第三者だから言えることであって、ご本人たちにとっては、地獄で仏に会った気持ちだったと思います。
病人やそのご家族を騙すことほど容易なことはありません。たった一言、「見てください。こんなにたくさんの感謝の手紙がきています」「私はもうすでに何千人もこの手で治してきました」「ここで治療すれば治ります」「よく遠くからわざわざ来てくれましたね。もう大丈夫ですよ」 こういう言葉をかけるだけで、助かりたいと願っている人は、自分の見たいもの・聞きたい言葉を言ってくれる相手を「信用」してしまいます。だって、助かりたい、治りたいと願っているのですから、「治ります」と言ってくれた相手をどうして疑ることができるでしょう。
それから「治療」なるものが始まれば、もう詐欺師にとっては、ボロ儲けです。たとえ、「治療」の途中で、なんか変だと気づいて止めたとしても、すでに、詐欺師の手には、十分な金が転がり込んできているのですから。
その昔、まだStepを始める前のことですが、側弯症の現場をインターネットで調べていた当時、北関東のN方面で開業している人のブログを見つけたことがあります。この人、実に正直な方で、こう書いてありました。「月に2人から3人の新しい子供が来てくれれば、十分生活していける」
何が正しい知識なのか、何が正しい情報なのか、このインターネットの世界では難しすぎます。なぜなら、正しいと判断するには、その読み手が「正しい知識」を持っていなければ、正しい判断なんてできないのですから。
いつまで続けられるかわかりませんが、せめて、少しでもお役に立てれば幸いです。
august03
☞august03は、メディカルドクターではありません。治療、治療方針等に関しまして、必ず主治医の先生とご相談してください。
医学文献の拙訳を提示しておりますが、詳細においてはミスが存在することも否定できません。もしこれらの内容で気になったことを主治医の先生に話された場合、先生からミスを指摘される可能性があることを前提として、先生とお話しされてください。
☞原因が特定できていない病気の場合、その治療法を巡っては「まったく矛盾」するような医学データや「相反する意見」が存在します。また病気は患者さん個々人の経験として、奇跡に近い事柄が起こりえることも事実として存在します。このブログの目指したいことは、奇跡を述べることではなく、一般的傾向がどこにあるか、ということを探しています。
☞原因不明の思春期特発性側弯症、「子どもの病気」に民間療法者が関与することは「危険」、治療はチームで対応する医療機関で実施されるべき。整体は自分で状況判断できる大人をビジネス対象とすることで良いのではありませんか?