
(添付図は、入手資料からの抜粋です)
ネット検索で「学校における運動器検診体制の整備.充実モデル事業」
島根県学校医部会 島根県医師会健康スポーツ医部会というパワーポイント資料を
見つけました。その内容からご紹介します。
◇島根県雲南市(人口約45,000人)の児童生徒約5000人を対象にして問診票に基づく
一次スクリーニング後、異常ありとされた要検診者を対象に、整形外科専門医による
二次検診を行い、要三次検診者(医療機関紹介必要者)を抽出する。
◇調査結果 (小学生)
学童総数 2421人 →問診票回答者2390(99%)
→異常あり901(39%)
→二次検診受診者481(53%)
→異常あり47(10%)
↓
側弯症の疑いは約25%(12人)
◇調査結果 (中学生)
生徒総数 1312人 →問診票回答者1283(98%)
→異常あり678(53%)
→二次検診受診者276(41%)
→異常あり36(13%)
↓
側弯症の疑いは約5%(2人)
◇整形外科受診状況 問診票で異常ありとされた人のうち、整形外科を受診した
のは9人(8.7%)
側弯症についての受診は皆無であった。
----------------------------------------------------------------------
(august03より)
どうやら雲南市では、学校検診に代えて「問診票」による自己診断を行い、
その結果で医療機関に受診してもらう。という方式をとっているようです。
脊柱に関しては、次のような質問になっています。
目で見て判断して下さい
質問 :見た目で、左右の肩の高さが等しいですか?
回答 :等しい/右が上がっている/左が上がっている
この質問に対して、小学生では約12人、中学生で約2人、高校生で約2人
合計16人ほどが側弯症の疑いがあります。そしてこれら16人全員が整形外科を
受診していない。ということが述べられています。
脊柱検診に関してこれまでに調査してきた結果をもとに考察しますと、以下のよう
な問題点が指摘できるのではないかと思います。
1.一次スクリーニングの役目を果たしていると言えるのか?
2.仮に思春期特発性側彎症の発症率を 0.5% という値を用いたとすれば
雲南市の学童生徒約5000人のうち、25人は装具療法を必要とする患者が
含まれている可能性がある。
つまり、上記数値で言えば16人は全員側彎症である可能性が非常に高いにも
関わらず、専門医を受診していない。
これは、近い将来側彎症と初めて診断されたときは、すでに40度以上の手術を
必要とする状態になっている可能性がかなり高いと言える。
雲南市の例に限らず、学校検診で「専門医療機関での検査必要」という結果を
もらってきても、実際には病院にいかずに、そのまま忘れてしまう例がかなりある
のではないかと想像します。
なぜそのようなことが起こるのでしょうか ?
それは、側彎症という病気があることを知らない/知らされていない/正しい知識と
情報が届けられていない事に原因があると思います。
痛みもないために本人の自覚はなく、じわじわと進行している間は周囲も気づく
ことなく、そして周囲が気づく頃にはすでに30度~40度台のカーブになっている。
というパターンを繰り返しているのではないかと想像されます。
思春期の年頃ともなると、女の子も母親と一緒にお風呂に入ることは少なくなって
いるのではないかと思います。まして父親は仕事が忙しくてこどもの身体を見る
ことなどは皆無ではないでしょうか。
このような現代社会のもつ新たな社会習慣のなかで、こども達の背中がさらに病気に
侵され続けている、という構図が発生していると思います。
そして、さらに知識として側彎症が家庭でも、学校(教師)でも、地域の教育委員会
でも正しく理解されておらず、あまりに安易に考えすぎているのではないでしょうか ?
/////////////////////////////////////////////////////////////////////
ブログ内の関連記事として、左のカテゴリーより「モアレ検診」をご覧下さい
ネット検索で「学校における運動器検診体制の整備.充実モデル事業」
島根県学校医部会 島根県医師会健康スポーツ医部会というパワーポイント資料を
見つけました。その内容からご紹介します。
◇島根県雲南市(人口約45,000人)の児童生徒約5000人を対象にして問診票に基づく
一次スクリーニング後、異常ありとされた要検診者を対象に、整形外科専門医による
二次検診を行い、要三次検診者(医療機関紹介必要者)を抽出する。
◇調査結果 (小学生)
学童総数 2421人 →問診票回答者2390(99%)
→異常あり901(39%)
→二次検診受診者481(53%)
→異常あり47(10%)
↓
側弯症の疑いは約25%(12人)
◇調査結果 (中学生)
生徒総数 1312人 →問診票回答者1283(98%)
→異常あり678(53%)
→二次検診受診者276(41%)
→異常あり36(13%)
↓
側弯症の疑いは約5%(2人)
◇整形外科受診状況 問診票で異常ありとされた人のうち、整形外科を受診した
のは9人(8.7%)
側弯症についての受診は皆無であった。
----------------------------------------------------------------------
(august03より)
どうやら雲南市では、学校検診に代えて「問診票」による自己診断を行い、
その結果で医療機関に受診してもらう。という方式をとっているようです。
脊柱に関しては、次のような質問になっています。
目で見て判断して下さい
質問 :見た目で、左右の肩の高さが等しいですか?
回答 :等しい/右が上がっている/左が上がっている
この質問に対して、小学生では約12人、中学生で約2人、高校生で約2人
合計16人ほどが側弯症の疑いがあります。そしてこれら16人全員が整形外科を
受診していない。ということが述べられています。
脊柱検診に関してこれまでに調査してきた結果をもとに考察しますと、以下のよう
な問題点が指摘できるのではないかと思います。
1.一次スクリーニングの役目を果たしていると言えるのか?
2.仮に思春期特発性側彎症の発症率を 0.5% という値を用いたとすれば
雲南市の学童生徒約5000人のうち、25人は装具療法を必要とする患者が
含まれている可能性がある。
つまり、上記数値で言えば16人は全員側彎症である可能性が非常に高いにも
関わらず、専門医を受診していない。
これは、近い将来側彎症と初めて診断されたときは、すでに40度以上の手術を
必要とする状態になっている可能性がかなり高いと言える。
雲南市の例に限らず、学校検診で「専門医療機関での検査必要」という結果を
もらってきても、実際には病院にいかずに、そのまま忘れてしまう例がかなりある
のではないかと想像します。
なぜそのようなことが起こるのでしょうか ?
それは、側彎症という病気があることを知らない/知らされていない/正しい知識と
情報が届けられていない事に原因があると思います。
痛みもないために本人の自覚はなく、じわじわと進行している間は周囲も気づく
ことなく、そして周囲が気づく頃にはすでに30度~40度台のカーブになっている。
というパターンを繰り返しているのではないかと想像されます。
思春期の年頃ともなると、女の子も母親と一緒にお風呂に入ることは少なくなって
いるのではないかと思います。まして父親は仕事が忙しくてこどもの身体を見る
ことなどは皆無ではないでしょうか。
このような現代社会のもつ新たな社会習慣のなかで、こども達の背中がさらに病気に
侵され続けている、という構図が発生していると思います。
そして、さらに知識として側彎症が家庭でも、学校(教師)でも、地域の教育委員会
でも正しく理解されておらず、あまりに安易に考えすぎているのではないでしょうか ?
/////////////////////////////////////////////////////////////////////
ブログ内の関連記事として、左のカテゴリーより「モアレ検診」をご覧下さい