ニボマットはセルフレベリング機構
ワゴンタイプのクルマには荷重変化を是正するために昔からセルフレベリング機構というのが有ります。
例えばMBのステーションワゴンではシトロエン特許のハイドロ方式が採用されておりました。
アルファのSWでは聞き慣れないニボマットなる名称のショックアブソーバーがセルレベリング機構です。
Drはてっきりアルファ自製かなと思っておりましたがBOGE製でありました。
正式にはBOGEニボマットなる名称であります。
BOGEニボマットの仕組み
では、ちょっとニボマットのお勉強をしましょう。
このニボマットの一番の特徴は外部エネルギーを使わずに車高を調整するということです。
通常は油圧やエアーに電気を使い一旦下がった車高を上げて車体の水平を保ちます。
このニボマットの外見は全くノーマルショックと変わらずにその見分けがつきません。
どこがレベ付やネンと言いたいニボマット
外部エネルギーを使わずに車高を上げる仕組みというのはなかなか興味深いものがあります。
詳しく説明するのは頭が貝割れ大根状態になりそうなので省きますが簡単に言うと走行中のアクスルの上下動をエネルギーとしてポンプを働かせてバルブ他を利用して車高を上げるシステムです。
それ故に一旦下がった車高を上げるには約2km走行する必要があります。
ちょっと悩むのは装着されてるショックが果たしてニボ付きか否かを見分けられないことですww。
唯一見分ける方法はショックに書いてあるパーツ番号を見ることです。
赤線の番号がはニボ付
Drの調査によると正規ディーラー車の156SWの初期には全て装着されていて後期FL型より廃止されたようです。
ちなみにDrも156SWを並行輸入で数台は輸入しましたがニボ付きは壊れるという噂があったので全てニボ無し仕様でした。
今となっては正解かと思うDrであります。
前回のタイア異常編摩耗の原因がニボマットに起因すると読んだDrは先ずニボを外してみました。
そしてそれの減水力をチェックしてみました。
シコシコと上下運動で徐々に硬くなる
外した二本のショックを比較すると一本はかなり硬くて渾身の力でもってしても縮めるのはしんどいくらいでした。
もう一本は比較的柔らかくて新品のショックくらいの固さです。
画像のごとく柔らかい方を上下に動かすと徐々に硬くなりこれがニボ効果かと思われます。
しかし二本のショックの減衰力がこれだけ差があるのは明らかに異常と言えるでしょう。
Drは検証のために先ずニボ付ショックを外してノーマルショックに交換してみました。
変ですね~変ですね~
検体の156SWの車高はショックを交換したにも関わらず左右がアンバランスです。
Drはニボマットが悪さして車高を変えてたのかと推測したのですがどうもコイルスプリングも片側(運転席側)がへたってるようです。
正常な156SWの車高
偶然入庫している同じ156SWのRrを見るとこれだけの差がありました。
だいたい左右の車高のアンバランスはニボマットの不良ということのようです。
この検体に関してはアンバランスに加えてコイルバネのヘタリということになるかと思います。
ニボマット付ショックはなんと一本80,000円くらいします。
コストを下げるにはニボをやめてノーマルにするのが賢明です。
次回はコイルバネを交換して左右のアンバランス是正とRrのホイールアライメントを検証してみます。
乞うご期待下さいネ。
更に続く