寮生諸君
お盆の時期に入りましたが、皆さん、どう過ごしていますか。私は例年、お盆には一週間ほど、京都のお寺に棚経の手伝いに上がっているのですが、今年はコロナ禍のために棚経が中止となり、二十数年ぶりにこの時期に東京におります。
自宅研修サイトにおいて諸君にアンケートへの協力を依頼しましたが、8月14日現在で26名中23名の諸君から回答をもらっています。皆の協力に感謝します。
全員の回答が届いておらず、また、大学とこれから細かいところを諮るのでまだ諸々公式には発表できませんが、「帰寮の希望」についてだけ述べると、現時点では43.5%の寮生が「もう少し状況を見てから決定したい」、26.1%が「入寮・帰寮はしたくない」、21.7%が「入寮・帰寮する」、8.7%が「不安なため相談したい」との回答を寄せてくれています。
これから述べることは現時点での私の個人的な所感であり、大学の公式見解ではありません。そのつもりで読んでください。
東京都の直近の新規感染者数は、8月11日が188人、12日222人、13日206人となっていますが、8月7日には462人、8日に429人と400人を超えており、またご承知の通り、他の道府県でも毎日のように感染者数の増加が公表されています。春の時点では、夏になれば感染拡大に幾分ブレーキがかかるのではないかとも思われていましたが、現実は厳しく、感染者数は高い水準のまま推移しています。
最近では、島根県の高校のサッカー部の寮でのクラスター発生や、日大の水泳部の集団感染なども、我々にとって大変気になるところです。寮生諸君の後期の帰寮・入寮は任意であるわけですが、近い将来に感染状況を決定的に改善する要素が認められない以上、私は、寮生諸君の「もう少し状況を見てから決定したい」、「入寮・帰寮はしたくない」「不安なため相談したい」という意見を合わせて8割近くになるのは至極当然のことと思っています。
既報の通り、本寮は、大学の後期授業において一部対面授業が再開されることに伴い、対面授業を受けることを希望する寮生の便宜等のために、9月に再開することになりました。しかし、感染予防対策(3密の回避、除菌の徹底等)のために生活のあり方や指導の方法を変えることに加え、もともと本年度は26名と寮生数が少ない上(私が着任して以来最少)、一定数の諸君は寮に戻らないことを既に希望していることから、少なくとも本年度については、寮内行持のあり方も抜本的に見直すことになるでしょう。
例えば、戻って来ることを希望する寮生が半数の13名だった場合、この人数では多くの配役を必要とする達磨忌、成道会等の法要はもちろんのこと、配役を一日おきに交代することを考慮すると、従来の方法では日分行持の催行も難しくなります。1人が他の配役を兼行するなど、状況に応じた工夫が必要になるでしょう。通常、朝課の大磬と木魚は別々の者が担当していますが、一人が堂行・副堂を兼ね、一人用の磬子と木魚を使用するといったことも必要になるかも知れません。
暁天坐禅については、配役数も少なく、参加人数に左右されず、本年度は寮生数が少ないので充分に間隔を空けることが出来、飛沫の拡散も基本的にないので、実行することにほとんど問題はないでしょう。
寮内清掃については、例えば13名以下を前提にすると、清掃箇所が多いことから、従来の方法では成り立ちません。通常は1、2年生が主体ですが、少なくとも本年度は、寮監を含め全員(全学年)で、複数箇所を何日かに1回のローテーションで清掃するというような形になるでしょう。
食事についても、坐禅堂飯台(坐禅堂での応量器を使った食事)は、在籍人数が少ない場合、浄人の人数を考えると、坐禅堂での日分行持として考えることは難しく、実行にはやはり相応の工夫が必要になるでしょう。また、食堂での通常の食事についても、充分な間隔を取って、不必要な会話は謹しむといった配慮が必要になります。学食の業者による寮への食事の供給の問題に関しては現在調整中です。
私は諸君が食堂での食後のひとときに楽しく語り合っているのを聞くのが嫌いではないが、当分はそういったことも出来ません。これは人数に関わりない。また、寮内で空いた時間に他の寮生の部屋を訪問する機会も、必要な場合以外、極力減らさなければなりません。
寮外の生活についても、諸君の自身の健康に関する充分な自覚が必須のものとなります。キャンパスの対面授業出席時に限らず、寮外では常にマスクを着用する、可能な限り人混みを避ける、大人数での会食は極力しない、不必要な遠出はしない、など、これまで以上にストイックな生活態度が欠かせなくなります。
以上、現状で考えられることを思いつくままに書き出してみましたが、これは帰寮人数が半数の場合を前提にしたもので、実際の数によってはまた違う対応が必要になるでしょう。一年生への指導のあり方も重要な問題ですが、これも実際の人数や上級生・一年生の数の比率などにより、状況に応じた最も適切な方法を採ることになります。
寮監としては、寮生諸君のよりよき学生生活と将来の構築のために、また、寮に脈々と伝えられて来た行持と伝統を十全に次の代に継承して行くために、出来るだけ多くの寮生に在寮していてもらいたいとは思いますが、この状況ではまったく思うにまかせません。そして、これは致し方ありません。
再開時に帰寮・入寮を希望する人もしない人も、上記のことを参考にして、それぞれに寮のことについて、また自分が後期に際してどうするかについて、ご家族とも話し合い、よく考えておいてください。9月初旬に、入寮・帰寮の希望等についてあらためてアンケートを採ります。
皆、感染予防に怠りないようにこの夏を過ごしてください。
お盆の時期に入りましたが、皆さん、どう過ごしていますか。私は例年、お盆には一週間ほど、京都のお寺に棚経の手伝いに上がっているのですが、今年はコロナ禍のために棚経が中止となり、二十数年ぶりにこの時期に東京におります。
自宅研修サイトにおいて諸君にアンケートへの協力を依頼しましたが、8月14日現在で26名中23名の諸君から回答をもらっています。皆の協力に感謝します。
全員の回答が届いておらず、また、大学とこれから細かいところを諮るのでまだ諸々公式には発表できませんが、「帰寮の希望」についてだけ述べると、現時点では43.5%の寮生が「もう少し状況を見てから決定したい」、26.1%が「入寮・帰寮はしたくない」、21.7%が「入寮・帰寮する」、8.7%が「不安なため相談したい」との回答を寄せてくれています。
これから述べることは現時点での私の個人的な所感であり、大学の公式見解ではありません。そのつもりで読んでください。
東京都の直近の新規感染者数は、8月11日が188人、12日222人、13日206人となっていますが、8月7日には462人、8日に429人と400人を超えており、またご承知の通り、他の道府県でも毎日のように感染者数の増加が公表されています。春の時点では、夏になれば感染拡大に幾分ブレーキがかかるのではないかとも思われていましたが、現実は厳しく、感染者数は高い水準のまま推移しています。
最近では、島根県の高校のサッカー部の寮でのクラスター発生や、日大の水泳部の集団感染なども、我々にとって大変気になるところです。寮生諸君の後期の帰寮・入寮は任意であるわけですが、近い将来に感染状況を決定的に改善する要素が認められない以上、私は、寮生諸君の「もう少し状況を見てから決定したい」、「入寮・帰寮はしたくない」「不安なため相談したい」という意見を合わせて8割近くになるのは至極当然のことと思っています。
既報の通り、本寮は、大学の後期授業において一部対面授業が再開されることに伴い、対面授業を受けることを希望する寮生の便宜等のために、9月に再開することになりました。しかし、感染予防対策(3密の回避、除菌の徹底等)のために生活のあり方や指導の方法を変えることに加え、もともと本年度は26名と寮生数が少ない上(私が着任して以来最少)、一定数の諸君は寮に戻らないことを既に希望していることから、少なくとも本年度については、寮内行持のあり方も抜本的に見直すことになるでしょう。
例えば、戻って来ることを希望する寮生が半数の13名だった場合、この人数では多くの配役を必要とする達磨忌、成道会等の法要はもちろんのこと、配役を一日おきに交代することを考慮すると、従来の方法では日分行持の催行も難しくなります。1人が他の配役を兼行するなど、状況に応じた工夫が必要になるでしょう。通常、朝課の大磬と木魚は別々の者が担当していますが、一人が堂行・副堂を兼ね、一人用の磬子と木魚を使用するといったことも必要になるかも知れません。
暁天坐禅については、配役数も少なく、参加人数に左右されず、本年度は寮生数が少ないので充分に間隔を空けることが出来、飛沫の拡散も基本的にないので、実行することにほとんど問題はないでしょう。
寮内清掃については、例えば13名以下を前提にすると、清掃箇所が多いことから、従来の方法では成り立ちません。通常は1、2年生が主体ですが、少なくとも本年度は、寮監を含め全員(全学年)で、複数箇所を何日かに1回のローテーションで清掃するというような形になるでしょう。
食事についても、坐禅堂飯台(坐禅堂での応量器を使った食事)は、在籍人数が少ない場合、浄人の人数を考えると、坐禅堂での日分行持として考えることは難しく、実行にはやはり相応の工夫が必要になるでしょう。また、食堂での通常の食事についても、充分な間隔を取って、不必要な会話は謹しむといった配慮が必要になります。学食の業者による寮への食事の供給の問題に関しては現在調整中です。
私は諸君が食堂での食後のひとときに楽しく語り合っているのを聞くのが嫌いではないが、当分はそういったことも出来ません。これは人数に関わりない。また、寮内で空いた時間に他の寮生の部屋を訪問する機会も、必要な場合以外、極力減らさなければなりません。
寮外の生活についても、諸君の自身の健康に関する充分な自覚が必須のものとなります。キャンパスの対面授業出席時に限らず、寮外では常にマスクを着用する、可能な限り人混みを避ける、大人数での会食は極力しない、不必要な遠出はしない、など、これまで以上にストイックな生活態度が欠かせなくなります。
以上、現状で考えられることを思いつくままに書き出してみましたが、これは帰寮人数が半数の場合を前提にしたもので、実際の数によってはまた違う対応が必要になるでしょう。一年生への指導のあり方も重要な問題ですが、これも実際の人数や上級生・一年生の数の比率などにより、状況に応じた最も適切な方法を採ることになります。
寮監としては、寮生諸君のよりよき学生生活と将来の構築のために、また、寮に脈々と伝えられて来た行持と伝統を十全に次の代に継承して行くために、出来るだけ多くの寮生に在寮していてもらいたいとは思いますが、この状況ではまったく思うにまかせません。そして、これは致し方ありません。
再開時に帰寮・入寮を希望する人もしない人も、上記のことを参考にして、それぞれに寮のことについて、また自分が後期に際してどうするかについて、ご家族とも話し合い、よく考えておいてください。9月初旬に、入寮・帰寮の希望等についてあらためてアンケートを採ります。
皆、感染予防に怠りないようにこの夏を過ごしてください。