jazz and freedom and avenger

勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

センチメンタルなこの一曲・・・・・ MEMORY OF DICK / BOBBY JASPAR

2015-07-09 | ジャズ・ts

 

 

 

A級でもB級でもないマイナーなB・ジャスパー、勿論、J.J.ジョンソンの「ダイヤルJ.J.5」、D・バードの「イン・パリ」、そしてケリーの「ケリー・ブルー」でその名は知られていますが、一般的にはどう聴かれているのだろうか。

 

 

ひょっとして、ゲッツの亜流位にしか聴かれていないのでは?その点、S・ロビンソン(こちらは、ゲッツ+シムス)と同様かもしれない。

 

例えが適切でないかもしれませんが、大昔、まだ初心者の頃、あるベテランにB・ハリス(p)について「ハリスを聴く位なら、パウエルを聴けば充分」と教えられた。まぁ、そりゃ、確かにそうなんですが・・・・・・・・

 

しかし、ロビンソンの‘The Shadow Of Your Smile’がゲッツでもシムスでも出せない味が出ているように、本作にはジャスパーにしか出せない世界がある。

 

それが、夭折のピアニスト、Dick Twardzikを偲んだジャスパーのオリジナル‘Memory of Dick’。

タイトルのイメージに反し、ミディアム・テンポのスインギーな演奏ですが、哀悼の意がひしひしと伝わってきます。

 

 

いきなり、ジャスパーのtsがテーマのサビの部分から流れ出すヘッド・アレンジが粋ですね。RENE URTREGERの相変わらずセンスの良いpを経て透明感あるやや太めの音で哀感に満ちたフレーズを歌い綴るジャスパーにグッとくる。

bのソロの後、ジャスパーとルネのインタープレイ、そしてドラム・ソロを挟みtsとdsのフォー・バース、この一連の流れはなかなか洒落ており聴きものですね。フォーバースでジャスパーが一瞬、フライングするものの、何の支障もありません。

 

メロディ、ソロ、細工を利かせた展開、三位一体の名曲、名演と思います。

 

 

パーソネルは、

BOBBY JASPAR (ts、fl)  RENE URTREGER (p)  SACHA DISTEL (g)
BENOIT QUERSIN(b)  JEAN LOUIS VIALE

 

1955年、パリで録音。

 

 

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿