先日、日経新聞に「ジャズ界・・・・・ 黄金期プレーヤーの訃報相次ぐ」の記事が掲載された。
コニッツ、タイナー、コブの他にH・グライムスの名が上り、C・テイラー、D・チェリー等々の作品に多く参加しているためフリー・ジャズの名ベーシストと紹介されていたけれど、コニッツ、タイナー達の作品にも名を連ねている。リーダー作は所有していなく、久々にA・アイラーとの共演作を取り出した。
左の2枚は再発盤”SPIRITS”(1964年・DEBUT)、”SPIRITS REJOICE”(1965年・ESP)で後者のカヴァはオリジナルと左右が反転している。右の”IN GREENWICH VILLAGE”(1966、1967年・IMPULSE)はアヴァンギャルド+サイケデリック文字のハイブリッドで、当時の最先端モードですね。アイラーは半年後に亡くなるコルトレーンへ敬意を表した”For John Coltrane”ではtsではなくasを吹き、あの「ラスト・レコーディング」に通ずるナイーブさに満ちている。
グライムスはロリンズの公式盤、”AND THE BIG BRASS”(METRO JAZZ → VERVE・BRASS & TRIO)、”MEETS HAWK”(RCA)に参加し、”Summer Time / MEETS HAWK”での太いbソロ、良いですね。
また、この発掘盤2枚にも顔を出し、「イン ストックホルム 1959」のロリンズ節は素晴らしく、この後、帰国して間もなく第一線から身を隠したそうですが、そんな雰囲気は微塵も感じさせません。
なお、グライムス、享年84。
W・ルーニーの名はこの新聞記事には載っていなく、別の情報網から知りました。
「マイルスの後継者」等々、結構、話題になった記憶が有ります。本来ならば「マイルスのエピゴーネン」と一蹴されるハズなのに、マイルスの意外?な庇護により持ち堪えたようです。ルーニーのtpは1960年代半ばのマイルスをベースにしており、この作品も”MILES SMILES”、”SORCERER"そっくりのサウンドになっている。弟アントワーヌのtsもショーター瓜二つで、ここまで良くマネできたものだ、と感心するほどです。後半のオリジナルではない曲で個性が出ていますが、マイルス命を信条としているだけに自ずと限界が見えます。でも、本人はそれで良かったのでしょう。
本作がイングルウッドのゲルダー・スタジオで録音された1991年9月28日、サンタモニカでマイルスは息を引き取った。
ルーニー、享年59。マイルスより6歳若かった。