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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ミヤギノハギ、コマツナギ - 蝶形花の作戦

2020-07-18 20:56:12 | みんなの花図鑑
マメ科の花を二つ。
最初は ミヤギノハギ。


ミヤギノハギは 初夏に咲くのでナツハギとも呼ばれます。ケハギから改良された園芸種という説もありますが、どちらにしても日本固有種ということになります。
学名Lespedeza thunbergii




多くのマメ科の花は、左右対称です。花は蝶のような形をしているため「蝶形花」と呼ばれています。




蝶形花で一番大きくて 多くのばあい 上にある花弁は「旗弁」です。 虫に 花のありかを知らせるための「フラッグ」の役目をしているからと言われています。




蝶形花は 旗弁のほか 2対4枚の花弁があります。
1対は 「翼弁」 鳥の翼のように 左右に出ています。
最後の1対は 舟の形をしているので「舟弁(しゅうべん)」 (「竜骨弁」 とも言います)。 合掌してるように合わさっています。
この舟弁の中に おしべ・めしべが入っています。




不思議なのは 大きな旗弁で虫を呼んでるのに、 肝心のおしべ・めしべは舟弁に包まれ隠れて見えません。
これはなぜでしょうか。 何か 蝶形花特有の企てがあるようです。。。 (次の花で 少し考察します)




マメ科の蝶形花、2つめは コマツナギ。

学名 : Indigofera pseudotinctoria
分布も 「日本の本州から九州、朝鮮半島、中国に分布する。」(wiki 「コマツナギ」)




背は低く、 場所によっては草みたいに生えているところもありますが、 木本です。 ネムノキに似て 葉は夜には閉じるそうです。




先ほどのナツハギ(ミヤギノハギ)に似て 舟弁(竜骨弁ともいう)の中にはおしべ・めしべが入っているのですが、 開花の初期には 舟弁に包まれていて 外からは見えません。




この花序では アメリカデイゴで見たような 太い花柱が出ています。
はじめは 「雌しべ・雄しべは下側の竜骨弁に包まれていて見えません。
ここへハナバチなどの昆虫がやって来て、翼弁を足場に竜骨弁を広げると、隠れていた雌しべ・雄しべがパチンと跳ね上がるという仕掛けになっています。
チャンスは1回ですが、これで確実に昆虫のからだに花粉をくっつけようという作戦です。」(FC2ブログ・丹馬のきょうの1枚「駒繋の作戦」)




なので、 めしべ・おしべが出ている花は昆虫が来たあとの花です。
「雌しべ・雄しべが上の旗弁の側に跳ね上がっています。
こうなるともう用がなくなった下側の竜骨弁と翼弁は落ちてしまいます。」(同上)




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