京都市バスは、昨年度、新型コロナウイルスの感染拡大で観光客が減ったことなどが影響し、全体の8割近くが赤字になりました。
今年度は、乗客数がさらに落ち込んでいることから、京都市交通局では、荷物置き場を設置した車両の導入を見送るなど、事業の見直しを進めています。
京都市バスは、運転手不足で運行を民間に委託し人件費が膨らんだことに加え、新型コロナウイルスの感染が拡大したことし2月以降、乗客が大幅に減少し、経営を圧迫しています。
京都市交通局によりますと、昨年度の市バスの営業成績は、83の路線のうち、赤字が63路線と、8割近くに上りました。
このなかには、「京都駅前」と「立命館大学前」を結ぶ路線や、「嵐山」と「錦林車庫前」を結ぶ路線など、これまで黒字営業を続けていた12の路線も含まれています。
今年度に入っても、乗客数は4月と5月が昨年度の半分以下に、緊急事態宣言が解除された6月以降も7割ほどにとどまり、先月、10月も8割足らずと、まだ回復していません。
京都市交通局では、混雑を防ごうと荷物置き場を設置した車両の導入を今年度は見送ったほか、バス停で、行き先などを案内していたスタッフを減らすなど、事業の見直しを進めています。
京都市交通局は、「密になるのを防ぐためには減便するわけにもいかず、なんとか多くの方に利用してほしい」と話しています。
NHK