12月13日 京都NHKNEWSWEB
北陸新幹線の新大阪までの延伸をめぐり、与党のプロジェクトチームは、「小浜・京都ルート」の具体的なルートを年内に選定する方針で、13日、京都と大阪の知事らから意見を聞きました。
知事らは、地下水などへの影響や地元の費用負担の軽減を踏まえた検討を求めました。
北陸新幹線の新大阪までの延伸をめぐっては、与党のプロジェクトチームが福井県小浜市を通って京都駅に南下する「小浜・京都ルート」で建設することを決めていて、京都駅の位置をめぐる3つのルート案から年内に1つを選定する方針です。
13日はプロジェクトチームの委員会が▼京都府の西脇知事、▼京都市の松井市長、▼大阪府の吉村知事から直接、意見を聞きました。
このうち、▼京都府と京都市からは、酒造りなど京都の産業を支える地下水や、トンネルの掘削時に出る土の処理、それに交通渋滞などについて強い懸念があるとしたうえで、スケジュールやルートを含めて、慎重な検討を求める意見が出されました。
また、▼大阪府は、費用や工期が大きく膨らんでいることなどへの懸念を伝え、地元の費用負担の軽減などを求めたということです。
一方、それぞれからは、具体的なルート案についての賛否は示されず、与党のプロジェクトチームは、地元自治体からの意見も踏まえて、ルート案の選定を進める方針です。
【京都知事“調査と説明を”】
京都府の西脇知事は、委員会のヒアリングのあと、報道陣の取材に対し「施工するうえで発生する土の処分方法や地下水に与える影響など、課題がある。それらに対する慎重な調査と地元への丁寧な説明が必要だと伝えた。建設費については地方の負担の最小化と、受益に応じた負担となるようお願いした」と述べました。
また、京都駅の位置をめぐる3つのルート案について「比較・検討するだけの判断材料を持っていないので、今のところは答えられないと話した」と述べました。
【京都市長“慎重にも慎重を”】
京都市の松井市長は、委員会のヒアリングのあと、報道陣の取材に対し、「地下水への影響や工事に伴う、特に観光シーズンの際の交通渋滞の可能性などの懸念を伝え、ルートの決定は慎重に慎重を重ねて精査してほしいと要望した。委員から反論はなく、十分に理解してもらったと思う。これらの懸念をしっかり市民に説明しないと、職責を果たせないと思っている」と述べました。
【大阪知事“早い全線開業を”】
大阪府の吉村知事は、委員会のヒアリングのあと報道陣の取材に対し「大阪までの1日も早い全線開業が一番重要だと話した。3つのルート案については、費用対便益がどうなっているかに加えて、工事期間が当初の計画と比べて倍に延びていることや、大阪府内での地下水に与える影響などの懸念を指摘した」と述べました。
また、日本維新の会の前原共同代表などから滋賀県の米原駅を経由するルートへの見直しを求める声が出ていることについて、「『米原ルート』を比較・検討した時と前提条件が変わっているところがあるのではないか。私は米原ルートありきではないが、丁寧な説明が必要で、みんなが納得しないと1日も早い全線開業はない」と述べました。