12月09日 首都圏NHKNEWSWEB
戦前、総理大臣を3度務めた近衛文麿の邸宅で昭和の歴史の舞台ともなった東京・杉並区の「荻外荘」が当時の姿に復元・整備され、一般公開が始まりました。
荻外荘は近衛文麿が昭和12年から終戦後の昭和20年12月に自決するまで過ごした邸宅で平成26年に杉並区が買い取って当時の様子を復元し9日から一般公開が始まりました。
このうち客間は第2次近衛内閣成立前の昭和15年7月、陸軍大臣に就任予定だった東條英機らを呼んでドイツやイタリアとの連携強化の方針を確認し、その後の日独伊三国同盟につながったとされる「荻窪会談」が開かれました。
備え付けのタブレットをかざすとAR=拡張現実の技術で、出席者が浮かび上がるようになっています。
また玄関には第2次近衛内閣の組閣時に記者を呼び集めるために打ち鳴らされた太鼓が置かれています。
訪れた60代の女性は「リアルに再現されていて感慨深い。もっと歴史を勉強したいと思いました」と話していました。
杉並区みどり公園課の大場将国課長は「身近な場所のすぐ隣で歴史的な会談が行われ、ニュースで起きていることも別世界ではないということを実感して、考えるきっかけにしてほしい」と話していました。