2024/12/14 首都圏NHKNEWSWEB
警察庁から警告を受けたXの投稿
闇バイトに加わる若者が後を絶たない中、全国の警察は闇バイトを募集するSNSの投稿に「返信」を送る形で、警告と注意喚起を行う取り組みを強化しています。
闇バイトを実行役にした犯罪への対策を担う警察庁の組織犯罪対策2課では、担当者が専用のアカウントを使い、闇バイト募集の投稿を警戒しています。
25日も「即日即金」、「楽で、簡単、高収入」など、特徴的な表現を含む投稿が次々と見つかりました。
こうした投稿に対し、「犯罪実行者を募集しているおそれがあります。逮捕され、懲役などの刑罰を受ける可能性があります」とか、「報酬は得られず、使い捨てにされます」などと、返信機能でメッセージを送る作業を続けています。
SNSの投稿に対して返信を行うこうした取り組みは、警察庁と全国30の都道府県警察が行っています。
闇バイトに関心を持つ人に決して加担しないよう注意喚起するとともに、犯罪グループ側にも警察が把握していると警告する狙いがあり、去年1年間で3万4000件以上の投稿に返信を行ったということです。
ただ、犯罪グループ側は表現やアカウントをひんぱんに変えながら投稿を続けるため、“いたちごっこ”の状況が続いているということです。
一方、警察庁はサイバーパトロールで見つけた闇バイト募集の投稿について、削除を依頼する取り組みも続けています。
警察庁によりますと、ことし6月までの半年間に、委託先の『インターネットホットラインセンター』が取り扱った闇バイトに関連する投稿は8161件で、このうち自然に削除されるなどしなかった5389件について、SNSの事業者やサイトの管理者に削除を依頼したところ、4336件が削除されました。
一方、残りの1053件はことし7月の段階で削除されないままだったということです。
警察庁組織犯罪対策2課の青田智子課長補佐は「仕事内容を明らかにしなかったり、匿名性の高いアプリに誘導したりするものは、闇バイトの可能性が高い。一度加われば逮捕されるまで「捨て駒」として使い続けられるので、絶対に加担しないでほしい」と話していました。
【警察庁 動画『第2弾』公開犯罪に加担させない】
闇バイトを実行役にした一連の強盗事件を受けて、警察庁は、犯罪に加担させないための呼びかけを強化していて、25日、防犯対策部門の幹部が出演する動画の『第2弾』を公開しました。
今月18日に公開した『第1弾』の動画では、闇バイトの実行役として逮捕された複数の容疑者が、「指示役に個人情報を知られ、断れなかった」という趣旨の供述をしていることを踏まえ、「警察は、相談を受けたあなたやあなたの家族を確実に保護します。安心して、そして勇気を持って今すぐ引き返してください」などと呼びかけました。
25日公開された新たな動画では、生活安全企画課の阿波拓洋課長が今回の一連の事件で、逮捕された実行役の捜査から、「楽で簡単、高収入だと強調する」、「匿名性の高いアプリに誘導して個人情報を送信させる」という2つの特徴が明らかになっているとして、これらの求人に決して応募しないよう呼びかけています。
また、一連の事件の捜査では、『高額案件、タクシー業務、書類運搬、受け取り、日給5万円から』。
『ホワイトな高額案件あります』。
『深夜に人を運んで下さい』。
『お金配りますよ』などといったSNSでの具体的な闇バイトの募集内容。
さらに、『即日バイト』『高額バイト』など、容疑者が闇バイトを探す際に使った検索ワードも明らかになっていて、警察庁は、これらの内容を旧ツイッターの「X」に投稿し、注意を呼びかけています。