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バイデン米大統領はトランプ前大統領のレガシーを打ち消し、米国の針路を修正するために一連の大統領令を活用するなど周到にかつスピード感をもって職務を開始した。しかし、就任後1週間余りがたち、同氏は自らの権限に限界があることを認識しつつあるようだ。
新型コロナウイルスのワクチン生産を拡大しようとするバイデン政権の取り組みは、トランプ前政権を悩ませた同じ障害にぶち当たった。工場と医療機関の両方がボトルネックとなっているというものだ。米国民は希望すれば誰もが今春までにワクチン接種を受けることができるとバイデン氏が発言したため、同氏のアドバイザーらはその後始末に追われた。
ただ、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)開発のワクチンは今後の供給拡大につながると期待され、就任後100日間に1億回分のワクチン接種を実現するというバイデン氏の目標達成がより容易になる可能性はある。
バイデン氏はまた、議会の膠着(こうちゃく)状態というおなじみの障壁に直面している。大統領就任から12日間に、議会で承認された閣僚候補指名者がわずか4人にとどまっている。議会共和党からは新たな大規模経済対策案への支持を得られていない。
ホワイトハウスは、1兆9000億ドル(約199兆円)規模の同経済対策法案への共和党支持を確保するため法案の分割に前向きだとの報道を否定した。上下両院の民主党指導部は可決可能な内容を模索することになる。
上院はこれから始まるトランプ氏の弾劾裁判に気を取られるほか、下院では1月6日に起きたトランプ支持者らによる議事堂乱入事件を受け、民主党議員らが多くの共和党議員を単なる政敵という以上に有害視するようになっている状況だ。