Kodak DC4800
'07/10/13の朝刊記事から
後絶たぬ食品偽装 法規制の不備露呈
製造日の規定あいまい
食品偽装問題が後を絶たず、12日には新たに伊勢の有名菓子「赤福」の消費期限改ざん問題が発覚した。
不二家や「白い恋人」の石屋製菓に続き、またしても模範となるべき企業の不祥事に、若林正俊農水相は「よもや、あんな老舗が」と驚きを隠さない。
企業の法令順守(遵守)への認識の甘さや、食品表示をめぐる法規制の不備をあらためて浮き彫りにした。
赤福は配送車に残ったり、余分に製造した製品を冷凍保存。
必要に応じ解凍して再包装、その日付を新たな製造日などとし、約30年間も出荷調整を続けていた。
需要拡大に対応するための冷凍手法が消費者の信頼を裏切ることになった。
ただ製造年月日の表示については、ルールのあいまいさという問題があぶり出された。
農水省によると「包装する前に冷凍し、それを製造途中として扱えば、解凍後に包装した日を製造日としても問題はない」という。
赤福の場合は、一度包装した商品を冷凍し、出荷する時点で製造年月日を付けなおす「まき直し」と呼んでいる手法を続けていたため偽装表示とされた。
同じように冷凍し、安全面では違いのない商品でも、包装する前か後という基準が偽装の白黒を分けている。
日本農林規格(JAS)法
消費者向けに販売される主な食品は日本農林規格(JAS)法に基づき、農水産物や畜産物では名前や原産地などの表示が、加工食品では原材料などの表示がそれぞれ義務付けられている。
悪質な違反事例には、個人で100万円以下の罰金か1年以下の懲役、法人で1億円以下の罰金が科される場合もある。
ただ現在のところ、業者間での取引にJAS法の表示義務は適用されず、加工食品は消費・賞味期限の表示は必要だが製造年月日の表示は義務付けられていない。
こうした適用範囲が「抜け穴」となつて業者が不適切な表示をしても処分が難しいケースがあり、農水省は見直しを検討している。