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’08/04/24の朝刊記事から
大間原発設置を許可 経産省
電源開発来月着工 全炉心でMOX燃料
経済産業省は23日、電源開発(Jパワー)に対し、すべての燃料にプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使う大間原発(青森県大間町)の設置を許可した。
電源開発は、工事計画の認可を受けて5月にも着工、2012年3月の運転開始を目指す。
全炉心にMOX燃料を使う商業用原発は世界で初めて。
使用済み核燃料を再利用する国の「核燃料サイクル政策」の中核を担う。
電源開発の中垣喜彦社長に設置許可書を手渡した甘利利明経産相は「(7月に)北海道洞爺湖サミットが開かれ、地球温暖化防止に向け原発の位置付けが世界中に認識される。安全には万全を期してほしい」と要請した。
経産省によると、原発の新規立地(泊3号機などの増設を除く)許可は1998年の東北電力東通原発(青森県東通村)以来10年ぶり。
大間原発は、全国67の水力・火力(地熱含む)発電所を持つ電源開発にとって初めての原発となる。
原発への新規参入許可は88年の北陸電力以来20年ぶり。
大間原発は、改良型沸騰水型で、出力138万3千キロワットと国内最大級の計画。
建設費は約4千7百億円を見込む。
英国系投資ファンド、ザ・チルドレンズ・インベストメント・マスター・ファンド(TCI)による電源開発株買い増し問題では、政府が原子力政策における同原発の重要性を指摘し、買い増し中止を勧告した。
MOX燃料
原発の使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムをウランと混ぜて製造する。
核兵器の原料となるプルトニウムの平和利用とウラン資源の再利用が目的。
炉心の一部でMOX燃料を使う「プルサーマル」は、電力業界が2010年度までに国内16-18基で導入する計画で、北海道電力も泊3号機での実施に向けて18日に地元との事前協議を申し入れた。