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’07/12/13の朝刊記事から
フジモリ被告 誤算
軽減狙うも実刑判決
【リマ12日共同】ペルーのフジモリ元大統領が11日、元腹心宅の違法捜索事件で「予想外」(主任弁護人のナカザキ弁護士)の実刑判決を受けたことで、軽微な事件では真相解明への協力を示し刑の軽減を狙うフジモリ被告側の法廷戦術に誤算が生じた形だ。
早ければ年内にも最終審に当たる控訴審が始まるが、戦術の転換を迫られらる可能性も出てきた。
今回、判決が言い渡されたモンテシノス元国家情報部顧問宅への違法捜索事件では、フジモリ被告は早々に起訴事実の一部を認める供述を行った。
ペルーの刑法には、こうした供述が「誠実な告白」と認定されれば、刑の軽減理由になるとの条項があり、弁護団は「当初から軽減、執行猶予狙い」(地元記者)だった。
戦術転換か
一方で、ペルーの法曹実務では過去の判例が重視されない傾向にあり、個別の裁判では各裁判官の裁量が大きいとされる。
このため、弁護団は「今回の(裁判官の)判断が公正ではなかった」(ナカザキ弁護士)ことが実刑判決につながったとみているもようで、控訴審でも同じ主張をする意向とされるが、地元メディアの中には「奥の手」があると指摘する声もある。