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’07/12/13の朝刊記事から
イージス艦情報流出 海自3佐きょう逮捕
秘密保護法違反容疑
イージス艦中枢情報の資料が海上自衛隊内で流出、拡散し、2等海曹が隠し持っていた事件で、神奈川県警と海自警務隊は12日、日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法違反容疑で、作成元の海自プログラム業務隊(現・開発隊群、神奈川県横須賀市)から資料を持ち出した3等海佐(34)を13日に逮捕する方針を固めた。
また、資料の拡散に関与した第一術科学校(広島県江田島市)の教官だった別の3佐(43)や1等海尉(49)ら幹部と、学生だった海曹士クラスを書類送検する方針。
捜査では外部への漏洩は確認されなかったが、資料が「特別防衛秘密」を含んでいたことから県警や警務隊は日米安保体制の根幹を揺るがしかねない海自のずさんな情報管理を重大視、「流出源」の3佐の逮捕が不可欠と判断した。
2曹の中国人妻に対する入管難民法違反容疑での家宅捜索で、資料が見つかって約11カ月。
佐官級の幹部自衛官が逮捕される事態となった。
資料は、イージス艦で高度な防空システムを扱う幹部隊員の教育用に2000年ごろ、業務隊で作成された。
3佐は、01-03年に所属していた業務隊から資料を持ち出し、第一術科学校の砲術科教官だった別の3佐に渡した疑いがもたれている。
資料は教官の3佐から同僚教官の1尉に渡り、1尉は学生だった隊員や、その後乗艦した護衛艦で部下らにコピーさせたとされる。
その結果、海曹士クラスの隊員らの間で資料が拡散し、最終的に2曹に渡ったとみられている。
イージス艦情報流出事件
2007年1月、神奈川県警が入管難民法違反容疑で、海上自衛隊の2等海曹の妻(中国籍)を逮捕。
2曹の自宅の家宅捜索でイージス艦中枢情報の資料を記録したハードディスクが見つかった。
資料には、高性能レーダーと大型コンピューターを組み合わせ、敵のミサイルや航空機など10以上の目標を同時に撃ち落とす米海軍開発の「イージスシステム」に関するデータが含まれていた。
秘匿度が高い「特別防衛秘密」に当たるため、神奈川県警と海自警務隊が秘密保護法違反容疑で捜査した。
日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法
1954年施行。
日米相互防衛援助協定に基づき米国から供与された船舶、航空機などの構造、性能を「特別防衛秘密」とし、①日本の安全を害する用途に供する目的や不当な方法で秘密を探知・収集②日本の安全を害する目的で秘密を漏洩③秘密を取り扱うことを業務とする者が業務上知った秘密を漏洩―した場合は10年以下の懲役。
業務で取り扱わない者が秘密を漏洩した場合は5年以下の懲役。
過失による漏洩や、漏洩の教唆についての罰則も規定している。