'07/04/27の朝刊記事から
ロ大統領演説 「外国企業の漁獲枠停止」
密漁対策強化も指示
【モスクワ26日藤盛一朗】ロシアのプーチン大統領は26日、大統領府で年次教書演説を行い、「外国企業に漁獲枠を与えるのは停止する必要がある」と述べ、ロシア水域の資源管理を一層強化する方針を言明した。
プーチン政権は、かねて水産資源の国家管理を鮮明にしているが、「漁獲枠の停止」との表現で強硬姿勢を示すのは初めて。
ただ、「外国企業」の具体像など詳細については言及しなかった。
北海道の漁業者がかかわるサケ・マス漁や北方四島周辺安全操業などは、政府間合意に基づき実施されている。
ロシア政府内にも「政府間合意に基づく操業は別枠として継続される」(ロシア政府筋)との受け止め方があるものの、今後の交渉でロシア側が操業隻数や漁獲枠の削減などをめぐり態度をさらに硬化させる可能性はある。
プーチン大統領は「水産資源は、ほとんどの国では外国に閉ざされている」と説明。
「(ロシアでも)外国企業に漁獲枠を与えるのは取りやめ、ロシア企業を優先する必要がある」と語った。
さらに、密漁対策を強化する方針を強調。
「不法操業と密輸を根絶させる対策を政府に求めたい」と述べた。