'07/10/12の朝刊記事から
イラン邦人誘拐 麻薬組織の犯行か
政府は11日、イラン南東部で日本人大学生(23)が誘拐された事件で、イラン政府に男性の無事救出を最優先に対応するよう要請した。
関係者によると、男性は大阪府出身の横浜国立大4年生、中村聡志さんと見られる。
これまでの情報では政治目的の可能性は薄まっている。
イラン政府関係者によると、男性を誘拐したのは、イラン南東部を拠点とする麻薬密輸組織。
8月にベルギー人男女を一時誘拐したグループと同じ組織とみられ、イランの治安部隊に数日前に拘束された仲間の釈放を要求しているという。
イランのファルス通信によると、麻薬密輸組織は11日までに治安当局者への電話で、男性の健康状態は良好だと述べた。
高村正彦外相は11日夜、都内のホテルでタライ・イラン駐日大使と会い、男性の無事保護を第一に事件解決に向けた協力を要請、大使も協力を約束した。
外務省緊急対策本部のトップを務める小野寺五典外務副大臣は記者会見で、男性が8日夜に現地の日本大使館に電話をした際、「7日に武装集団に拘束された」と話していたことを明らかにした。
男性は8日夜、日本の家族にも電話をかけ「元気だ。心配しなくていい」と伝えていた。
小野寺氏によると、男性は8日午後11時前後に2回、大使館に電話をかけた。
自発的ではなく、誰かに電話させられていた可能性があるとしている。