膵炎の点滴といえば、フサン、ミラクリッド、FOYの3種類。
この3つの薬効については、
説明しているサイトがあるのでご覧頂くとして。
読んで頂ければわかりますが、
FOYにはOddi括約筋の弛緩作用があります。
そのため、十二指腸乳頭の働きに問題があって、
膵炎を起こしている場合にはフサンよりもFOYが使われるようです。
私が使ったことがあるのは、
フサンとFOYのジェネリックであるレミナロン。
膵炎関連のお薬のジェネリックはどれもイマイチ感が漂いますが
中でもこのレミナロンというお薬はイマイチ、
ではなく、ある意味最強。
右に出るものがないぐらいの破壊力があります。
レミナロンが漏れて静脈炎を起こした時の写真。
気持ち悪いので、画像を小さくしています。
↓ ↓ ↓
拡大バージョンは
ここと
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左手(右側)が無事で、右手(左側)が漏れた手です。
太さの違いがわかるでしょうか?
この写真で点滴漏れから数日経過した頃です。
漏れてすぐであればステロイドの注射が有効だそうですが
私の場合は時間が経っていたため、
ステロイドの塗り薬のみで対応しました。
レミナロンを点滴していると、血管が痛め付けられて
あれよあれよというまに血管が赤くなってきます。
その後、更に漏れて腫れ上がり、腕全体が赤身を帯びます。
それでも本当に漏れたらこんなものではすまない、とは言われました。
(レミナロンの薬剤漏れについて、
こんな記事があります。)
現在、私の病院ではFOYはジェネリックしか存在せず、
フサンは動注がある関係か先発が生き残っています。
ミラクリッドは使ったことがないので、わかりません。
おそらく、フサンもFOYも高価な薬なので、
DPC導入後赤字対策でジェネリックになったのでしょう。
ひどい静脈炎を起こした結果、私はフサンになりましたが
レミナロンを投与されている膵炎患者さんに遭遇することは
少なからずあります。
何事もなければいけれど、と複雑な気分。。。
FOYの一般名は「ガベキサートメシル酸塩」。
ジェネリックではパナベート、アガリット、アロデート等があります。
先発、後発問わず、
点滴漏れで投与部位に静脈炎、硬結、潰瘍・壊死障害が生じることがあり、
重症化することもあるので、
点滴が漏れないように注意をしなくてはいけません。
フサンの一般名は「メシル酸ナファモスタット」。
こちらも副作用に静脈炎がありますが
レミナロンの破壊力に比べたらどうってことはありません。
漏れて腫れた時でも、数時間で腫れが引きました。
ただ、続けて使っていると
血管が硬くなって、針が刺しづらくなるのは事実です。
残念ながらFOYの先発は使ったことがないので
FOYとフサンを比べることはできません。
いずれにしても
フサンとFOYはこのように静脈炎を起こすことがあるため、
軽症の膵炎の場合はミラクリッドが第一選択肢となることが多いようです。
<追記>
フサンがジェネリックに変わり、薬疹が出て使えなかったため、
現在、私が使っている点滴はミラクリッドになりました。
フサンのジェネリックは膵臓への効果としてはあまり変わらないように感じました。
FOYやフサンのゾロが人工透析の機械を詰まらせることがある・・・
ことからも、アレルギーは添加物等の違いによるものだと思われます。
ミラクリッドはフサンやFOYに比べると即効性はありません。
また、時間をおいた一回目はとても良く効くのですが
続けて打っていると効果が少なくなります。
ただ、静脈炎という副作用がありませんし、
元々体内にあったもの(原料は人尿)のためか
膵臓以外の部分にもじわじわゆっくりと効いてきて
だるさや倦怠感にはフサン等より効くような気もします。
膵臓の痛みに効果があるのは
私の体感ではフサン>FOY>ミラクリッド。
といった感じです。
この3つはそれぞれ阻害する膵酵素が違いますので
効果には個人差があるのではと思います。