孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

ロシア  急速に進む新型コロナの感染拡大 外出時のQRコード義務化 自宅での検査 帰国難民も

2020-04-16 22:55:22 | ロシア

(道路を消毒する車両。モスクワで撮影【4月13日 NHK】)


【「事態は制御下にある」から一転、対策に追われる】
世界各地で感染拡大が続く新型コロナはロシアでも。

****ロシアで新たに3448人感染 計2万7938人に 新型コロナ****
ロシアでは過去24時間で新たに3448人が新型コロナウイルスに感染した。これでロシアの感染者数は計2万7938人となった。16日、新型コロナウイルス緊急対策本部が発表した。

新たな感染者はロシアの78地域で確認された。最も多かったのはモスクワ(1308人)、モスクワ州(467人)、サンクトペテルブルク(154人)。死者数は計232人、回復した人の数は2304人。

なお、ロシア保健省は、すべての予防策が遵守された場合の感染者数が減少する時期については、モスクワで6~7月、流行のピーク時期については、4月末から5月上旬に訪れるかもしれないとの見方を示している。【4月16日 SPUTNIK】
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ロシアでの感染拡大を推測させるのが、ロシアから中国への帰国者の状況です。

****中国のコロナ新規感染89人=79人はロシアから黒竜江省へ****
中国政府は14日、新型コロナウイルスの有症感染者の累計が同日午前0時(日本時間同1時)時点で前日比89人増の8万2249人になったと発表した。

増加分は広東省内での感染が確認された3人以外は海外からの入国者で、このうちロシアから黒竜江省に陸路で入った帰国者が79人を占めた。
 
黒竜江省政府によると、入国者の感染確認は累計326人となった。ロシアからの感染者帰国が相次いでおり、中国政府や同省は警戒を強めている。【4月14日 時事】 
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ロシアは3月末頃までは、「事態は制御下にある」(プーチン大統領)としていました。

****感染防止へ…ライオン500頭を街中に?露****
ロイター通信が掲載したSNSの画像が物議を醸しています。
街中を歩いているライオンと「速報」の文字。なんと、「プーチン大統領が500頭のライオンを街に放った」と書かれています。

その理由は、「新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためライオンを放ち、人々に外出をとどまらせるため」だというのです。

SNSでは「なんてこと」「隔離措置が終わったあとはどうなるんだ?」など驚きの声。
しかし、ロイター通信によりますと、(中略)完全に嘘のニュースだったのです。

このフェイクニュースにロシアのザハロワ報道官は、「大統領がライオンを放ったという冗談は面白いがロシアには普通にクマがいるので大丈夫です」とコメント。普段から街にクマが出るのでライオンを放つ必要はないと一蹴しました。【3月30日 日テレNEWS24】
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上記ザハロワ報道官の対応など、まだ余裕が見られました。
“ロシア、米に医療機器・防護用品を空輸へ…プーチン氏が提案”【4月1日 読売】といった対応にも余裕が感じられました。

しかし、水面下で事態悪化が進行し、モスクワ市長が公式発表数字より事態は深刻であることをプーチン大統領に示す異例の対応も。

****モスクワの新型コロナ感染は見かけよりはるかに深刻=市長****
モスクワのソビャニン市長は24日、病院の視察に訪れたプーチン・ロシア大統領に対し、市内の新型コロナウイルス感染者数は公式発表をはるかに上回っているとの認識を示した。

市長は大統領の側近。広大なロシア国内で新型コロナがどの程度拡大しているか完全に把握できていない現状が浮き彫りとなった。

これまでにロシアで確認された感染者は495人、死者は1人で、西欧主要国の死者・感染者をはるかに下回っている。

大統領は先に事態は制御下にあると発言したが、一部の医師は公式発表がどの程度現実を反映しているかを疑問視している。

政府は24日、拡大抑制策としてナイトクラブ、映画館、児童向け娯楽施設を閉鎖した。
ソビャニン市長は大統領との会談で、「深刻な事態が進行している」と発言。感染の実数は不明だが、急速に増加しつつあると述べた。【3月25日 ロイター】
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その後の推移を見出しでなぞると

“モスクワ市も外出禁止拡大 30日以降、全市民対象 新型コロナ”【3月30日 毎日】
“ロシア、新型コロナで国家非常事態宣言を検討=関係筋”【4月2日 ロイター】
“ロシアが市民監視強化 コロナ対策、目的外利用の懸念 位置情報や顔認証カメラ”【4月2日 毎日】
“プーチン氏、非労働期間を延長 ロシアでコロナ感染者急増”【4月3日 AFP】
“ロシア、新型コロナ感染者が1万人突破 新規の判定が過去最多に”【4月10日 ロイター】
“モスクワが正教会の復活祭礼拝を規制、新型コロナ感染拡大で”【4月13日 ロイター】
“ロシアの新型コロナ状況悪化、対応に軍隊動員検討=大統領”【4月14日 ロイター】
“モスクワ市、数週間以内に病床不足の恐れと警告”【4月15日 ロイター】

【外出時のQRコード原則義務化は初日は混乱】
そうした事態が切迫するなかでの対応の一つが外出時のQRコード義務化。

****露モスクワ 外出にQRコード原則義務化へ****
ロシアのモスクワでは、新型コロナウイルスの感染拡大をうけ、外出禁止措置が強化されることになり、外出の際には原則、事前にQRコードを入手することが義務づけられることになりました。

QRコードは電子通行証に表示されるもので、13日から始まった申し込みでは、スマホやパソコンを使って、外出の理由のほか、電話番号、年金番号といった個人情報など必要な情報を登録します。外出時にQRコードのある通行証がなければ、罰金を科せられる可能性があるということです。

新型コロナウイルスのロシアでの感染者数は1万8000人を超え、そのうち約6割がモスクワ市に集中しています。事態を重くみたモスクワ市が外出禁止措置の強化に踏み切った形で、QRコードの携帯は15日から原則義務化されます。【4月14日 日テレNEWS24】
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でもって、15日から実施したところ・・・・

****モスクワの地下鉄駅に利用者が密集…外出許可の確認作業が追い付かず****
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、外出が原則禁止されているロシアの首都モスクワ市で15日朝、地下鉄駅に長蛇の列ができるなど混乱が起きた。
 
モスクワ市は15日、やむを得ない理由で地下鉄やバス、車を利用する人に「外出許可証」としてQRコードを配信し、警察官がチェックする制度を開始した。

しかし、利用者の多さに確認作業が追い付かず、露有力紙ベドモスチ(電子版)によると、複数の地下鉄入り口で大勢が密集する状況が生じ、駅構内に入るのに30〜40分かかったケースもあったという。
 
ソビャニン・モスクワ市長は15日、ツイッターに「非常に危機的な状況」と書き込み、改善策を講じると強調した。

市中心部に向かう幹線道路でもこの日、QRコードをチェックする検問待ちで数十キロ規模の渋滞が発生したという。【4月16日 読売】
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QRコードチェックで大密集ができたら本末転倒です。
おそらく、次第に運用も改善されていくのでしょう。

【看護師派遣で自宅で検査 検査件数は大幅増加】
韓国を筆頭に各国が検査態勢を拡充している中で、なぜか一向に検査態勢が改善しない(あるいは、改善する気がない)日本ですが、ロシアでは自宅への看護師派遣・検体の自己採取で検査数を大幅に増やしているとか。

****ロシアが新型コロナ訪問検査、自分で採取→看護師が持ち帰り****


新型コロナウイルスの感染者が急増しているロシアでは、感染の有無を診断する自宅訪問検査が始まりました。
 
新型コロナウイルスの感染者数が1万8000人を超えているロシア。首都モスクワで6日からロシア政府の研究機関が希望者に対し、看護師を派遣する形で新型コロナウイルスの訪問検査を始めました。
 
TBSのモスクワ支局がインターネットを通じて検査を申し込みました。 感染防止のため、看護師は検査キットを訪問先の扉にかけ、手渡しはしません。
 
「さて、この袋の中に試験管の入った小さい袋、それと別の袋に綿棒があります」(訪問検査に訪れた看護師)
 診断用の検体採取も看護師ではなく、申込者本人がめん棒で、のどの奥をこすります。検体が付着しためん棒の先端を試験管に入れ、それをビニール袋で三重にして密封します。
 
「私は離れますが、ドアノブに袋をかけてください」(訪問検査に訪れた看護師)
 
看護師が検体を持ち帰るまで訪問時間は5分、費用はおよそ2800円。検査結果は後日、メールで送られてきます。 
 
6日に検査受け付け開始以降、すでに1万6000件の申し込みがあり、135人の看護師がフル稼働で、モスクワで1日最大2500人を訪問するといいます。(中略) 

ロシアでは、こうした訪問検査も含め日本が2月中旬以降行ったPCR検査数のおよそ10倍の、およそ130万件の検査がすでに行われています。

感染者を特定して早期に隔離措置をとるため、ロシア政府は、誰でも簡単に受けられる、この訪問検査を積極的に活用したい考えです。【4月14日 TBS】
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【羽田にロシア人帰国難民】
先述のロシアからの中国への帰国者がウイルスを持ち込むことに中国側が警戒を強めている話、中国メディアでは「帰ってくるな」とも。

****中国、ロシア国境で新型コロナ対策強化 渡航者からの感染封じ込め****
(中略)共産党機関紙・人民日報傘下の有力紙「環球時報」は社説で、ロシアから渡航した感染者は計409人と、海外から持ち込まれた感染例で最多となっていると指摘。同国に滞在中の中国人は帰国すべきでないと論じた。

また「ロシアは海外から持ち込まれる感染の封じ込め失敗を示す新たな例として警鐘を鳴らすものだ」とし、「中国は感染者の流入を厳しく阻止し、感染第2波を防ぐ必要がある」と強調した。(後略)【4月14日 ロイター】
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「帰ってくるな」は中国だけでなく、ロシアも同様のようです。羽田には帰国できないロシア人が1週間空港内で寝泊まりする状態になっているとか。

****国際線運休 羽田空港にロシア人25人が1週間足止め *****


新型コロナウイルスの感染拡大を受けて日本各地とロシアを結ぶすべての国際線が運休している影響で、羽田空港には仕事で訪れていたロシア人25人が1週間にわたって足止めとなっています。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて羽田空港では、モスクワやロシア東部のウラジオストクなどと結ぶ定期便が今月8日以降、すべて運休しています。

このため、8日以降のウラジオストク行きの便に搭乗する予定だったロシア人、合わせて25人が出国できなくなり、羽田空港の第3ターミナルで足止めとなっています。

25人はターミナルのロビーで寝泊まりしていて、これまでのところ体調不良を訴える人などはいないということです。

国土交通省によりますと、国内からは羽田や成田、それに新千歳などからロシア各地への定期便が運航されていますが、これまでにすべて運休となり、再開の見通しはたっていないということです。

ウラジオストクの貿易会社から出張で大阪府を訪れていた39歳の男性は、「ロシアにいる家族も心配して航空会社に問い合わせてくれていますが、対応してもらえません。ここには糖尿病の持病がある仲間もいるので体調が心配です」と話していました。

ほとんどが仕事で訪日した極東の人たち
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ロシア政府は先月27日から国際線の定期便の運航を停止しています。

これを受けてロシア政府は、仕事や観光で国外に滞在しているロシア人を帰国させるため、各国にチャーター機を派遣していて、12日には羽田空港から首都モスクワに向けて運航されたチャーター便で、ロシア人観光客などおよそ180人が帰国しました。

しかし、このチャーター便に乗ることが許可されたのは、モスクワやその周辺に自宅などがある人のみで、座席の数にもかぎりがあることから、東京にあるロシア大使館によりますと、現在もおよそ400人が帰国のめどが立たず、都内周辺のホテルなどに滞在しているということです。

羽田空港のロビーで寝泊まりしているのはロシア極東の人たちで、ほとんどが仕事で日本を訪れ、今月9日にロシアの航空会社が運航する便で、ウラジオストクに帰る予定でしたが、直前に欠航となり、所持金もほとんどないことから、空港にとどまり続けているということです。

現在は日本に住むロシア人が、ボランティアで食料を届けて支援しているということです。

自動車輸入関連の仕事でウラジオストクから訪れ、今月9日から羽田空港に滞在している、マクシム・トゥマノフさん(31)は「泊まっていたホステルが閉鎖され、ホテルも高くて泊まれないので空港にとどまるしかありません。家族も心配しています。早く帰りたいです」と話していました。

トゥマノフさんたちは13日、手書きの請願書をロシア大使館に提出し、早期の帰国を求めていて、大使館では宿泊先の提供や医療面の支援などを進めたいとしています。【4月14日 NHK】
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