タイトルが面白かったので、嶋護(しま もり)さんという方の書いた「ジャズの秘境」という本を読みました。
表紙
帯の裏にある本書の内容の紹介。
(著者について)
嶋護(Mori Shima)さんは、群馬県出身で音楽全般やオーディオについての執筆と翻訳を手がけている。著書に『菅野レコーディングバイブル』、『クラシック名録音106 究極ガイド』、『島護の一枚』、訳書に『JBL 60th Anniversary』(以上ステレオサウンド刊)などがある。
(感 想)
ジャズの録音やそれに続くCDなど音楽メディアの製造工程について考察し、優秀なCDを紹介しています。音楽の内容と密接に関連していて、ビル・エヴァンスやセロニアス・モンク、セシル・テイラー、ポール・デズモンドらのCDが取り上げられています。
特に、第1章の「ビル・エヴァンス最期の日々」は、興味を惹く面白い内容でした。エヴァンス・トリオのジャズクラブ「キーストン・コーナー」における公演の録音やCD発売に至る経緯には、関係者の証言も入り、ドキュメンタリー的にも読ませるものです。
著名な録音技師のルディ・ヴァン・ゲルダーへのインタビューでは、『デジタル情報のリニア・ストレージは理想的だ。完璧でありえる。』、『レコードはいいことなんて少しもなかった。』とゲルダーが話していて驚きましたが、嶋護さんがCDに傾倒する理由もその辺にあるという気がしました。
僕は、ジャケットを含めてレコードが好きですが、ナチュラルな音質は、むしろCDに記録されているということが本書全体を読んで印象付けられました。
【この際、改めて聴いてみたビル・エヴァンスのアルバム(CD)】
「Bill Evans Live at Ronnie Scott’s」。昨年発売された話題盤です。エヴァンス(p)、エディ・ゴメス(b)、ジャック・デジョネット(ds) というメンバーによるロンドンのロニー・スコット・クラブにおけるライブ録音。
嶋護著「ジャズの秘境」で取り上げられたキーストン・コーナーにおける録音の「コンセクレイション」です。エヴァンス(p)、マーク・ジョンソン(b)、ジョー・ラバーベラ(ds)からなるトリオの演奏。オランダのタイムレスから出た3枚のCDが廉価で国内発売されたので、購入しました。アルファレーベルのレコードは持っています。
(以下、参考に本書の目次を掲げます。)
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