安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ソニー・ロリンズ THE SOUND OF SONNY

2014-08-13 08:35:38 | テナー・サックス

軽井沢町追分にある喫茶店「だーちゃ」に初めて行ってきました。地図で所在地を確認して出かけたのですが、住宅地(別荘地)の中なので、看板が無く、少し迷いつつも、無事到着。お店には、スピーカーのJBLパラゴンがおいてあり、比較的大きめな音でジャズが流れていました。入店した当座、店内には別荘住まいと思しきお客様が3人いて、草花や東京の話題で盛り上がっていて、いかにも軽井沢らしい様子でした。僕がいた間に、2枚続けてロリンズのLPがかかったので、ロリンズで。

SONNY ROLLINS (ソニー・ロリンズ)
THE SOUND OF SONNY (RIVERSIDE 1957年録音)

   The_sound_of_sonny  

テナー・サックスの巨人、ソニー・ロリンズには多くの作品があり、傑作として称えられているものもいくつもあります。このリバーサイド盤(僕のものは日本盤LP)は、プレスティッジやブルーノート・レーべルのアルバムの陰に隠れて、ジャズファンの話題にほとんど上らないかもしれませんが、ロリンズが歌ものを生き生きとプレイし、ソニー・クラーク(p)も参加しているので、手元に置いてあります。

メンバーは、ソニー・ロリンズ(ts)、ソニー・クラーク(p)、パーシー・ヒース(b)又はポール・チェンバース(b)、ロイ・ヘインズ(ds)。「The Sound Of Sonny」のSonnyとは、もちろんロリンズのことを指すのですが、ソニー・クラーク(p)が参加していると記憶するのにちょうどいいです。両ソニーの共演はこれだけのはずです。「It Could Happen To You」は、ロリンズの無伴奏ソロ、「The Last Time I Saw Paris」は、ピアノ抜きのトリオで演奏されています。

曲は、スタンダードが、「The Last Time I Saw Paris」、「Just In Time」、「Toot, Toot, Tootsie」、「What Is There To Say」、「Dearly Beloved」、「Every Time We Say Goodbye」(いつもさよならを)、「It Could Happen To You」、「Mangoes」の8曲。ロリンズ自作が、「Cutie」で全9曲。それぞれの曲は短めですが、これはロリンズの狙いでもあったようです。

ロリンズ(ts)が、初めて無伴奏ソロに挑んだ「It Could Happen To You」が目立ちますが、それも含め、どの曲にもメロディーが溢れています。ロリンズのアドリブは、元歌にそったかと思うと、まるで異なるリズミックなフレーズを入れてみたりと、自由自在ですが、「The Last Time I Saw Paris」や「Just In Time」をはじめとして、そのあたりが聴けます。バラードの「What is There To Say」では、ロリンズが、原曲を大事にして美しく吹き、クラーク(p)もソロをとります。

【だーちゃ】

住所:長野県北佐久郡軽井沢町追分1441-7
電話:0267-45-3951
ホームページ:だーちゃホームページ

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建物外観です。道路から少し下がったところに位置しています。

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僕の座った大きいテーブルは映っていませんが、店内ほぼ全景。右手奥に扉があって珈琲豆の焙煎室があります。     

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パラゴンの前面下には、雑誌を積み重ねて置いてありました。

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ソニー・ロリンズの「サキソフォン・コロッサス」がかかっていました。

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店内奥にある薪ストーブ。外には薪が積んであり、冬には大活躍すると思われます。

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珈琲は濃い目にいれてもらいました。ケーキは量が多く、ヴォリューム満点です。


ルイス・ヴァン・ダイク NIGHTWINGS

2014-08-10 08:32:00 | ピアノ・トリオ

長野市の自宅の小さな花壇に植えた花が咲いてきて、賑やかになっています。肥料を土に混ぜてから植えたのですが、それからは、ただ水をくれているだけで管理は不十分です。しかし、それでも華やかに咲いて目を楽しませてくれていて、ありがたい。今年は、「ナツザクラ」を植えてみましたが、花もたくさんついて、ボリューム感もあり、いい選択でした。静かなイメージですが、華やかさも備えた演奏。

LOUIS VAN DIJK (ルイス・ヴァン・ダイク)
NIGHTWINGS (CBS 1980年録音)

   Nightwingslouisvandijk

ルイス・ヴァン・ダイク(p)は、オランダのピアニストで、アン・バートン(vo)の伴奏でおなじみですが、個性ある作品を残しています。この「Nightwings」の題材は、スタンダードナンバー、映画音楽、ポップス・ヒットなどで、ジャズ化されていますが、クラシカルな味つけがされています。また、テンポも早いものはなく、ミディアム以下で、静かな部屋で、静かに耳を傾けるのに適していると言えばいいでしょうか。上質なムードミュージックという趣きもあります。

メンバーは、ルイス・ヴァン・ダイク(p)、ニールス・ペデルセン(b)、テリー・シルヴァーライト(ds)。ペデルセンが注目されますが、バックに徹していて、豪快なランニングや長いソロはありません。しかし、伴奏でも音の選び方がうまくて、「Cavatina」などで、ダイクの演奏を引き立てています。

曲は様々です。ボズ・スキャッグスの「We're All Alone」、スタンダードの「Someone To Watch Over Me」(やさしき伴侶を)、ベニー・ゴルソン作のジャズ・スタンダード「Whister Not」、C.B.セイガーとピーター・アレン作「You And Me」、ジョルジュ・ドルリュー作の映画音楽から「Cartes Postales」(葉書)、クラウス・オガーマン作「Nightwings」、映画ディア・ハンターから「Cavatina」(カヴァティーナ)、ジョニー・マンデル作「Close Enough For Love」、ヴァン・ダイクの自作「La Granja」の9曲。

「We're All ALone」で、ルイス・ヴァン・ダイク(p)は、メロディを際立たせ、ソロも儚げで、琴線に触れるような演奏をしていて、これが最もよかった。「Whisper Not」は、バッハの平均率クラヴィーア曲集からの1曲と思わせるような華麗な変奏が続き、イン・テンポになってようやく、この曲らしいとわかります。「Cavatina」もクラシカルですが、ダイクの自作「La Granja」(ラ・グランハ)は、モーダルな曲想で、ペデルセン(b)の短いソロも入り、最もジャズらしさがあります。

【長野市自宅花壇 2014夏】

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道路に向かって右側の花壇。雑然としているのは、まあ気にしないということで。

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道路に向かって左側の花壇

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ナツザクラです。

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ケイトウも植えてありますが、これは秋が楽しみです。


アート・ブレイキー ART BLAKEY AND THE JAZZ MESSENGERS

2014-08-06 20:38:48 | ベース・ドラムス

長野県大町市の扇沢からトロリーバスに乗って、黒部ダムに行ってきました。ダム本体のところまでで戻ってきたのですが、アルプスの山々の雄大な景色が四方に見えて、それだけで訪れたかいがありました。また、ダムでは観光放水が行われていて、迫力満点でした。中高年を中心とした登山ブームだそうですが、扇沢の手前の爺ヶ岳登山口の駐車場は全国からの車で満杯で、ブームが来ているような状況でした。迫力あるドラマーですが、このアルバムでは静かめ。

ART BLAKEY (アート・ブレイキー)
ART BLAKEY AND THE JAZZ MESSENGERS (impulse! 1961年録音)

   Artblakeyandthejazzmessengersimpuls

トランペット、テナー・サックスに加え、新たにトロンボーンを入れた3管メッセンジャーズの最初の作品で、インパルスレーベルでは唯一のアルバム。モードを取り入れようとしていた時期ですが、オーソドックスな演奏も入っています。過渡期的な面がありますが、よく知られている作品だと思います。

メンバーは、リー・モーガン(tp)、カーティス・フラー(tb)、ウェイン・ショーター(ts)、ボビー・ティモンズ(p)、ジミー・メリット(b)、アート・ブレイキー(ds)。この後、ティモンズはシダー・ウォルトンに交代するので、メンバー的にも過渡期的な感じを受けます。このあたりのメンバーの入れ替わりを見るだけでも、当時のジャズシーンの動きの早さに驚きます。

曲は、カーティス・フラーの書いた「Alamode」、ブロニスロウ・ケイパー作「Invitation」、Louise Alter(「You Turned The Tables On Me」の作者)作「Circus」、スタンダードの「You Don't Know What Love is」(あなたは恋を知らない)、「I Hear A Rhapsody」、「Gee Baby, Ain't I Good To You」の全6曲。フラーの「Alamode」は、曲名、曲想ともにモード指向が出ています。

「Alamode」は、洗練されたすっきりとしたテーマとアンサンブルに加え、ウェイン・ショーター(ts)、カーティス・フラー(tb)のスマートなソロが繰り広げられ、一番の聴きもの。「Invitation」では、モーガン(tp)がミュートによってテーマを吹奏していて、悪くないのですが、モーガン自体は他の曲のソロなど、いま一つ元気がないように聴こえます。ミドル・テンポの「Gee Baby, Ain't I Good To You」における、細かいフレーズも使ったショーター(ts)のソロも魅力的。

【黒部ダム】

黒部ダム紹介:黒部ダムオフィシャルサイト

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ダム湖。一番奥に見える山が、赤牛岳。

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黒部ダム湖からの放水。

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立山。どうにか雲の切れ目を撮影しました。今年は残雪が多いそうです。

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展望台から立山方面。

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左奥に見える高い山は、針の木岳。ダム堰堤からの景色。   


サラ・ガザレク YOURS

2014-08-03 09:49:59 | ヴォーカル(S~Z他)

飯田市に単身赴任していた縁で、長野県下伊那郡阿智村清内路(清内路村は2009年に阿智村と合併)の伝統野菜のあかね大根を使った、焼酎「熟女あかね」を予約、購入しました。もともと、あかね大根を使った焼酎は、「あかねちゃん」として2005年に誕生したのですが、今回は、それを5年間シェリー酒の樽で貯蔵し「熟女あかね」として、この7月に発売されたものです。限定発売で話題にもなり、たちまち売り切れたようです。まだ僕は飲んでいませんが、味はまろやか、さわやかだそうです。透明感がありさわやかな歌声。

SARA GAZAREK (サラ・ガザレク)
YOURS (Native Language 2005年録音)

   Yourssaragazarek

サラ・ガザレク(vo)は、先月、昨年に続き来日して、東京丸の内のコットン・クラブに出演しました。これは彼女の初リーダー作です。ガザレクは、1982年、シアトル生まれで、南カルフォルニア大学で、歌手のティアニー・サットンやべーシストのジョン・クレイトンらの指導を受け、2003年にはコンコード・ジャズ・フェスのツァーに参加し、その2年後、ジョン・クレイトンのプロデュースでこのアルバムが作られました。

メンバーは、サラ・ガザレク(vo)、ジョシュ・ネルソン(p)、エリック・ケルテス(b)、マット・スローカム(ds)。録音のため周到な編曲とリハーサルが行われたようで、意気もよくあっています。ガザレクが影響を受けた歌手は、エラ・フィッツジェラルド、ナンシー・ウィルソン、アーネスティン・アンダーソンらだそうですが、ポップス寄りの選曲、歌唱も行われています。

曲は、スタンダード、メンバーのオリジナル、ポップスです。スタンダードが、「My Shining Hour」、「Ev'ey Time We Say Goodbye」(いつもさよならを)、「Cheek To Cheek」、「All Or Nothing At All」、「Too Young To Go Steady」、「You Are My Sunshine」、「Never Will I Mary」。ビートルズの「Blackbird」~スタンダードの「Bye Bye Blackbird」、ジョニ・ミッチェルの「The Circle Game」(いちご白書)、マイケル・ジャクソンの歌でヒットした「Ben」、そして、メンバーのジョシュ・ネルソンが書いた「Yours」と「Amazing」、ガザレクとケルテスが書いた「You Got By」の全13曲。

ガザレクは、ナチュラルな声で、さわやかに歌っています。リズムにも自在に乗っていて、気持ちよく聴けます。最初の「My Shining Hour」の導入部で、ドラムスだけをバックに歌う彼女の歌唱にまず惹きつけられ、スタンダードの「Cheek To Cheek」や「All Or Nothing At All」も抑え気味の歌唱が新鮮です。「Too Young To Go Steady」などバラードも、声の質を生かして、きれい。ブルージーさが濃いものも聴いてみたいと思いましたが、なかなかよかった。

【あかね大根焼酎 熟女あかね】

長野県下伊那郡阿智村清内路ホームページ:熟女あかね発売記念 焼酎学校開催

 

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製造は、長野県飯田市の喜久水酒造です。

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ボトルの裏に張られた、「熟女あかね秘話」。