安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ベニー・グリーン WALKING DOWN

2014-12-21 08:47:13 | トランペット・トロンボーン

先週の12月17~18日にかけて、全国的に大荒れの天気となりました。長野市内でも、雪が30センチ以上も積もり、例年なら2月に入ってからの降り方です。それでも、雪が降りやんで少し青空がのぞいたので、昼休みに事務所の近くを散歩して、12月のこの時期としては珍しい本格的な雪景色を撮りました。年末年始は、降るにしても小降りでいってもらいたいものです。Walkin'の収録されたアルバム。

BENNIE GREEN (ベニー・グリーン)
WALKING DOWN (Prestige 1956年録音)

   

ベニー・グリーン(tb)は、自らのグループを率いて、ブルーノートやプレスティッジへ録音を残していますが、グループには様々なミュージシャンが去来しています。この録音に参加しているエリック・ディクソン(ts)もその一人です。彼は、カウント・ベイシー楽団のメンバーとして録音を残していて、ルーレット盤などで気にかかったテナー奏者の一人なので、ベニー・グリーンもさることながら、ディクソンを聴きたくて購入したアルバムです。

メンバーは、ベニー・グリーン(tb)、エリック・ディクソン(ts)、ロイド・メイヤーズ(p)、ソニー・ウェルズレー(b)、ビル・イングリッシュ(ds)。やや渋い顔ぶれですが、それぞれ実力は十分で、職人的な演奏もできる人ばかりです。ディクソンの他にも、ロイド・メイヤーズ(p)のプレイが注目されます。

曲は、スタンダード4曲とベニー・グリーンの自作1曲です。スタンダードは、「Walkin' (Down)」、「The Things We Did Last Summer」(過ぎし夏の思い出)、「It's You or No One」、「But Not For Me」、グリーンの自作が「East of The Little Big Horn」。アルバムタイトルにもなっている「Walking Down」は、リチャード・カーペンター作の「Walkin'」(ウォーキン)です。マイルス・デイビスの演奏でおなじみですが、どのように編曲、プレイされているのかにも興味が湧きます。

あたかも小さなジャズクラブで深夜聴いているような肩の凝らない寛いだプレイが楽しめます。ディクソン(ts)とグリーン(tb)のバラードプレイが存分に味わえる「The Things We Did Last Summer」の前半が聴きものですが、途中からスイングテンポになり、うきうきとした後半も面白い。「Walkin' Down」もテンポが途中で変化しますが、後半のゆっくりしたディクソンのプレイが堂々として、ちょっとベン・ウェブスターを想いおこします。

 【雪の長野市内2014年12月18日】

      

後方の山は、旭山(標高785m)

      

正面の高い建物は、ホテル国際21です。

      

気温が低いので、昼になっても道路は凍結状態のままです。

      

夕方近く、また雪が降り始めました。


WEST VILLAGE (群馬県安中市)

2014-12-19 22:33:34 | ジャズ喫茶

群馬県安中市のジャズ喫茶「West Village」に、先日行ってきました。上信越道松井田妙義インターで降りて、20分ほど走ると、JR長野新幹線の安中榛名駅の近くのお店に到着しました。長野市からだと、高崎の手前で、意外に近い場所です。

   

      

      

自宅の一部がお店になっているようですが、存在感のある大きな建物です。扉を開けたら、小型の犬が出迎えてくれました。お客さんは、僕一人でしたが、店内は、ストーブのおかげで暖かく、長いソファもあって、応接間という感じもします。天井が高くて解放感があり、天井には明りとりの窓があります。夏の夜など星座も見えるはずですが、お店自体は、午後5時までなので、そこからはプライベートな空間になるのでしょう。

      

            

メインスピーカーは、1980年ごろのアルテックA7だそうで、アンプはマッキントッシュの大きめのものでした。トミー・フラナガンの「オーバーシーズ」をかけてくれました。他にもマイルス・デイビスのものなど聴きましたが、木管、金管とも音がよく出ていて、雑味がなくすっきりとした音でした。

      

      

      

チーズケーキとコーヒーのセットを注文しました。食べだすと、チーズケーキに予想外のボリュームがあって、ちょっと驚きました。一人で、この空間を独占しているのは、申し訳ないと思いながら聴いていると、近所の御夫婦がやってきて、店主夫妻とお話を始めました。

      

マスターは気さくな方で、群馬県内のジャズ喫茶のことや、元々高崎に住んでいて、5年ほど前にここに家を建てて移住してきたといったことを話してくれました。安中榛名駅から東京駅まではほぼ1時間ですが、ここに永住している方ばかりでなく、週末は別荘にくる方がいて、人口が増えるそうです。

      

店内には、ピアノも置いてあり、年に何回かライブを開催しています。群馬県内など比較的近くに住んでいる、プロやハイアマチュアの方の出演のようです。マスターは、あまりお客さんは入らないけどねと仰っていましたが、次回のチラシをもらってきたので、日程を調整して、可能なら聴きにいきます。アットホームな雰囲気のお店です。

      

      

 【Jazz Cafe West Village】

住 所:群馬県安中市秋間みのりが丘3-173
電 話:027-315-0607
営業日:木、金、土、日曜日
営業時間:午前10時から午後5時
ホームページ:Jazz Cafe West Village 


ダイアナ・パントン MY HEART SINGS

2014-12-17 19:16:34 | ヴォーカル(A~D)

長野市内の映画館、長野相生座で、「映画デビュー60周年雷蔵祭」が開催されたので、「喧嘩鴛鴦」(1956年公開)を見に行ってきました。最近、市川雷蔵主演の「ある殺し屋」と「ある殺し屋 鍵」をDVDで見て、そのニヒルさに彼のファンになりました。雷蔵は侍役も似合い、「眠狂四郎」シリーズが有名ですが、「濡れ髪剣法」などコメディタッチの時代劇も面白い。共演者も豪華で、「濡れ髪剣法」のお姫様役の八千草薫の可愛らしさにも驚きました。可愛らしい声のダイアナ・パントンを。

DIANA PANTON (ダイアナ・パントン)
MY HEART SINGS (ewise degital multimedia 2013年録音)

   

ダイアナ・パントン(vo)は、ここ1~2年で日本でも人気が高くなっている、カナダ出身の女性歌手です。これまでに数作が日本でも発売になっていて、このアルバムは初めてのライブ盤になります。これは、2013年8月20日の台北で行われたコンサートのライブ録音ですが、2012年に香港と台湾のジャズ・チャートで一位となり人気があるので、ツァーが行われたようです。

メンバーは、ダイアナ・パントン(vo)、レグ・シュワガ―(g)、ドン・トンプソン(p, b)という3人で、シンプルな伴奏により歌っています。レグ・シュワガ―(g)は、ジョージ・シアリング楽団での活動が長かったようですが、彼女の声に寄り添うようないい伴奏をしています。ドン・トンプソンは、彼女の先生ともいうべき人でソロもとっていますが、やはり出過ぎないプレイぶりです。

曲は、ほとんどスタンダードです。「I've Told Ev'ry Little Star」、「Corcovardo」、「Destination Moon」、「Manha de Carnaval」(黒いオルフェ)、「Tea For Two」(二人でお茶を)、「Smile」、「Plus Je Tembrasse」、「If」、「Stars Fell On Alabama」(星降るアラバマ)、「Wouldn't It Be Loverly」、「Moon River」、「A-Tisket, A-Tasket」、「Tian Mi Mi」(ティエン・ミー・ミー)、「Fly Me To The Moon」の14曲。スタンダード以外は、ブレッドのデヴィッド・ゲイツのヒット曲「If」と、現地の歌の「Tian Mi Mi」で、後者は聴衆に受けています。

ダイアナ・パントンの歌は、清楚で癒し系なのですが、ジャズ的なフィーリングもあります。声が可愛らしくて、癖がありません。大きな会場だったようですが、シンプルな歌伴に彼女のMCもあって、親密な雰囲気が醸し出されています。おなじみの「I've Told Ev'ry Little Star」、「Smile」、「If」、「Wouldn't it be Loverly」、そして、ロマンティックなボサノヴァ「Corcovado」など、パントンの寛いだ歌が楽しめ、また、付属のDVDでは、コンサートの模様を見ることができます。

【市川雷蔵祭】

参考ホームページ:角川シネマ

             

雷蔵祭りのチラシ。元は、角川シネマの企画のようです。

         

長野相生座の前の権堂通りに置かれた、市川雷蔵のパネル。 

             

「濡れ髪剣法」のDVDパッケージ


ジョルジュ・アルバニタ ROUND ABOUT MIDNIGHT

2014-12-14 10:54:07 | ピアノ・トリオ

長野市の善光寺近くの喫茶店「ロートレック」は、その名前が示唆するように、2階は画廊になっていて、美術や写真が好きな人が集まる喫茶店です。今回、4年ぶりくらいに訪れたのですが、懐しかったので駐車場で建物の写真をとっていたら、お店の女性マスターに、「久しぶりですね」と声をかけられました。かつては、月に2~3回はコーヒーを飲みによっていて、話をすることもあったので、覚えてくれていたのでしょう。比較的広い駐車場があり、善光寺のお参りや近くに来た時に、休憩に最適なお店です。フランスのピアニスト。

GEORGES ARVANITAS (ジョルジュ・アルバニタ)
ROUND ABOUT MIDNIGHT (CARRERE  1985年録音)

   

ジョルジュ・アルバニタは、1958年録音の「3.A.M」(Pretoria)でまず知りました。60年代末から70年代初めにかけてスタイルを変えて、モード路線になりましたが、80年代は、伝統的な色合いが濃くなっています。これは、元々LP2枚組で出されたものですが、それがCD1枚に収められたものです。アルバニタについては、拙ホームページにまとめたことがありますが、本アルバムは、最近、ようやく中古CDで入手できました。

メンバーは、ジョルジュ・アルバニタ(p)、Stephane Persiani(b)、Charles Saudrais(ds)。ライナーノートがフランス語なので、名前の読みがわからないのはもちろん、文章の意味もほとんどわかりません。ベースは、JACKY SAMSON(ジャッキー・サムソン)と組んだ録音が多かったのですが、ここでは、Stephane Persianを起用しています。Persianは、音がよく伸びる重量級のベーシストです。

14曲もありますが、ほとんど有名曲です。「Night In Tunisia」(チュニジアの夜)、「Dolphin Dance」、「Lush Life」、「My Love Goes Through Time」、「In A Sentimental Mood」、「All Blues」、「’Round Midnight」、「Windows」、「Blues For Joe」、「Misty」、「Blue Monk」、「Once I Loved」、アルバニタのオリジナルが2曲あり、「Charles' Tone」、「Lullaby Of Florence」。H・ハンコック作「Dolphin Dance」やM・デイビスの「All Blues」あたりにも興味が湧きます。

選曲、演奏ともによく、なかなか楽しめるアルバムです。バド・パウエルに基本はおいていますが、ヨーロッパのミュージシャンらしく、ことにスローなものなどタッチがきれいで、また、和音も無理がないように聴こえます。テンポの遅い「Lush Life」や「In A Sentimental Mood」におけるアルバニタ(p)の原メロディーを生かした抒情的なプレイが美しく、歯切れのいいタッチの「My Love Goes Through Time」や「Windows」など、充実した内容です。ジャケットもグッドで、本当はLPで持ちたい。

【喫茶店 ロートレック】

住所:長野県長野市大字長野東之門町363
電話: 026-234-1810

      

ロートレックの外観です。左手も駐車場になっていて駐車場が広くてありがたい。

      

左側が喫茶店の入り口、右はギャラリー(画廊)の入り口。

      

喫茶店内部です。カウンター席もあります。

      

コーヒー。由緒正しい純喫茶という雰囲気が気に入っています。

 


映画館「長野相生座・ロキシー」のメンバーズ会員になりました

2014-12-13 08:49:33 | 映画・DVD・テレビ

長野市権堂にある独立系映画館、「長野相生座・ロキシー」は、日本で最古級の歴史のある映画館です。年に100本ほど上映を行っていて、中には個性ある特集もあり、俳優の市川雷蔵特集が先日あったので、見に行ってきました。

      

      

その際に、長野相生座・ロキシーのメンバーズ会員に登録しました。会員になると、一般料金の1800円が1300円になり、シニア割引は、1100円のところが1000円になります。映画は、DVDを自宅で見ることが多いのですが、この料金なら気軽に足を運ぶことができます。映画のフィルムを模したような、メンバーズカードのデザインが気に入りました。

      

12月27日からは、オールディーズのポップスグループ、『ザ・フォー・シーズンズ』をモデルとした「ジャージー・ボーイズ」がここで上映されます。長野県内にはきそうもないと、見ることを諦めていたので、嬉しい上映です。これに限らず、ちょくちょく通うことになりそうです。

      

      

【長野相生座・ロキシー】

住所:長野市権堂町2255
電話:026-232-3016
ホームページ: 長野松竹相生座・ロキシー