まるちゃんの めざせ!快適シンプルLife

本当の幸せを見つけて・・・
  第2の人生を歩き出した
      まるちゃんの徒然日記
    
 

「日本会議の研究」菅野完

2017年10月29日 | 読書

浮き世(俗世間)のごちゃごちゃはカンベンだ、政治をどうこうなんて…などと、極力距離を取るようにしてますが、この間の選挙もあり、2年後には参院選もあることだし、一応知るべき事は知っておいた方がいいだろうと、あれこれ読んでます。かわいい姪達や子供たちの将来への責任もありますから。

[菅野 完]の日本会議の研究 (SPA!BOOKS新書)

【「日本会議」とは何なのか?
市民運動が嘲笑の対象にさえなった80年代以降の日本で、めげずに、愚直に、地道に、
そして極めて民主的な、市民運動の王道を歩んできた「一群の人々」がいた。
彼らは地道な運動を通し、「日本会議」をフロント団体として政権に影響を与えるまでに至った。
そして今、彼らの運動が結実し、日本の民主主義は殺されんとしている。――
安倍政権を支える「日本会議」の真の姿とは? 中核にはどのような思想があるのか?
膨大な資料と関係者への取材により明らかになる「日本の保守圧力団体」の真の姿。】

アベ内閣の7~8割が日本会議の会員で、国会議員も地方議会も日本会議が浸透してきてます。日本会議のトップの人たちは昔の左翼学生運動の反対側にいた人たち(打倒左翼!に燃える。殴られたんだって)で、生長の家”原理主義”の人たち(生長の家は政治や社会運動をやめたそうですが、そこから枝分かれした人たち)などと一緒になって色々な会の人たちと共に勢力を広げてきたそうです。それも組織的に民主的に。

宗教界、企業、ホテル、あそこもここも気がつけばどこもかしこも日本会議。ものすごいマネジメント力です。

価値観が一致したのか、巨大組織票を期待してなのか、両方なのかな、もう、政府は日本会議のもの、といってもいいのではないでしょうか?アベ内閣のやってることや改憲派の人たちの意図がクリアに見えてきます。

日本会議の歴史や人物などからその性質、価値観、めざすところなど、よくわかります。この本、よく調べてありますね~。

モリトモ問題もわかりやすい(日本会議大阪運営委員)。

日本会議は、戦前の明治憲法下のあの”美しい日本”に帰りたいそうで、天皇中心とする神道国家、国家主義の日本が理想らしいです。当然、天皇がお父様だから、国民もとい臣民も家父長制ね。もちろん夫婦別姓絶対阻止男女共同参画反対(大ぴらに反対できないけど)。国民(市民)ではなく”従順な”臣民(天皇の臣下)。独立国家(大日本帝国)として軍隊をもち、臣民は国家のために命をも懸ける(そのうち徴兵制?)。日本は神の国、すばらしい国。戦争責任?ありません、自信と誇りを持ちなさい。教育勅語も復活して臣民教育?

もちろん、人に迷惑さえかけなければ、どんな価値観を持とうとどんな宗教(神道)を信じようと個人の自由。日本会議の人たちは”戦後の国民は自由とか権利とか言い過ぎてるからもっと”抑え”なきゃダメだ”とか思ってるのでしょうね。(元防衛大臣も仰ってました)。では、日本会議や政府の人たちは国民ではないのかな?(自分は臣民?自由も権利もなくていい?)

たしかに、戦後日本では、「自由や権利の意味を自己中とはき違えた」人たち(←”消費者”になってしまって、”市民”教育ができてない。”臣民”教育は主体的な人間をなくしてしまう危険が大。)が増え、社会が混乱してきている。人間は劣化し幼児化しているように見える。けれど、

それは現憲法が原因なのではなく、明治憲法下の国家主義の日本に戻せば解決する問題でもない。

原因は、明治以降西欧の価値観が、戦後は戦争の混乱と同時にアメリカの文化価値観がどっと入ってきたこと、グローバル資本主義、新自由主義、市場原理主義、などが蔓延し、人々の価値観が変化して(実は変えられて)きたこと。きちんとした市民・人間教育ではなく、消費者教育を進めてきたことなど。(お金は”麻薬”。資本主義は目に見えない放射能のように世界中を蝕む。また別の本の紹介の中で)

防衛面の問題は、アメリカ軍との関係。・・・と思います。

日本会議でも天皇会議でも神道でもキリスト教でも、それは個人の自由。個人の自由ですから、それを国民に”押しつける”ようなことはあってはならないと思います。しかも、権力者の暴走を抑える憲法を変えて、戦前の”国民を縛る憲法”にするなどとんでもないことだと思います。(官僚も政治家も信用ならんのに^^;)

民主主義か国家主義か、それはそれが誰のための仕組みか、どう機能するかということによると思います。どちらにしても一部の権力者のためなら、NOです。権力者がどんな人間かによって天国にも地獄にもなる。

昔の古い日本に戻そうというのは、自然の流れに反しているし無理。もっとやり方があるでしょう。革命も、逆行もあきまへん。自然に、よりよく前進です。大体、戦前の明治憲法がよかったと思うのが間違ってないか??。明治から戦前の時期が本当によかったのか???それは国民の総意ですか??

よいところは取り入れ、よくないところは直していく。

国の主役はあくまで一人一人の国民です。民主主義がいいなら、私たち国民がもっと成長し大人にならなきゃね。自立(自分の目でよく観て判断)して、思わぬ方向に流されないように。

今、日本の政治がどうなっているのか、どうなりつつあるのか、を知るために必読の書。まあ、一度二度、読んでみてください。


”削除部分”のないkindleで読んだけど、紙の方がよかったかも。貸してあげられるからね。ちなみに、小泉新次郎さんは会員じゃないみたいね。

星5つ 

にほんブログ村 本ブログへ 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「浮世の画家」カズオ・イシグロ | トップ | 民主主義と国家主義 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事