180605 AIと司法 <映画「マイノリティリポート」>を少しだけ見て
昨夜、ほんの30分くらいでしょうか、トム・クルーズ主演の映画「マイノリティリポート」を見ました。途中から見てストーリがあまり理解できないままどんどん進展するので別のチャンネルに変えたのでまったくプロットが分からないままですが、AIなり近未来の一面を02年の映画でよく表現できているなと感心しました。
どうやらトム・クルーズは主任捜査官だったようですが、組織トップから問題視されて外され追われる身になったようでした。
事実の認識や識別はAIをもつ浮遊ロボットが活用されていたようです。ま、ドローンがより自由自在に動けて、認識・識別・分析能力を兼ね備えたよなものでしょうか。
情報はPCといったハード装置やモニターがなくても、手を上にかざせば、必要な情報が次々と画像になって表れていました。これも最近のSF的な映画では当たり前でしょうか。
こういった近未来の世界で、司法の場はどうなるのかといた、映画の話題としては興味を引きそうもないテーマは扱われているのを見たことがないのですが、私なりに勝手に想像してみようかと思います。
今日は終日、なにやかやとあって、少々疲れてしまい、ニュースを見ても森友・財務省問題が中心で、かえって疲れてしまいそうなテーマなので、つい思いついたテーマを本日取り上げることにしました。
たまたま昨夜ちょっと見た映画が出だしも終わりも知らないままでしたが、気になっていたからかもしれません。
さて司法の場でAIなど創造的な技術革新は何ももたらすでしょうか。人間の知能や情感、良心などの意識といったものがどうなるのでしょうか、ふと考えてみたくなりました。
私は若いころから、法令というものを表にして一覧にするのが割と好きで、適当に作ってきました。
次の表は地盤工学会関東支部で発行した書籍の中で私が担当して作った表の一部ですが、関係法をざっと一覧するのに、初心者向けに便利かなと思って作ってみたのです。
こういったことは30年くらい前からやっていて、土地利用規制についてはもう少し詳細な分類を一覧表にしたことがあります。(ただしワープロ・フロッピー保存でしたので、PC変換するのが面倒で20年あまり前に全部廃棄してしまいました)
上記の表がどの程度意味があるかは疑問なしとしませんが、ある種の問題について関連法規を比較検討するとき、ちょっとした参考になるかと思っています。さらに条文自体はもちろん、政省令、通知などをも検討しないと意味がありませんが、こうすると基本的な法令の枠組みが容易に理解できるのではと勝手に思っています。
許可制だと、さらに許可基準の中身を比較してそれだけを一覧表にするのも一つです。
でもとここで立ち止まらざるを得ません。このようなことは人間の普通の知能だと、詳細かつ具体的な比較検討は、相当手慣れていないとできないのではと思います。ましてある事例について、どの法令のどの条項が複層的に、あるいは補充的に適用されるかどうかや、さらに判例解釈を含めて、どのように適用されるかとなると、それは専門家といわれる人でも即座の対応は難しいでしょう。
ではAIはどうでしょう。おそらくAI囲碁の最先端の技術からすれば、おそらく5年ないしは10年もしないうちに、この程度のことは開発されるのではないかと思うのです。
そしてさらには、事実認識や証拠の評価も、AIや優れた認識機能を搭載した機動性豊かなドローン(もう名称も新たなものになるでしょうね)が即座に現場に行って、問題点を含めて事実を再検証することができるのではと思うのです。
たとえば交通事故の現場に行けば、即座に、事故車両の損傷部位・程度などから、それぞれの車両の速度、走行経路、ブレーキの有無程度などを即座に分析して、過失割合といったことも過去の裁判例を基に、一挙に割り出してくれるといったことはお茶の子さいさいではないかと思うのです。
それは交通事故といった割合簡単な問題から、境界紛争を含めさまざまな状況に応じた事実認識とそれに対する適用法令や判例解釈を実施して提供されるようになると夢想するのです。弁護士も裁判官も、検察官もいらない?とまではいいませんが、結構、代替される部分が増えるのではと予想するのです。そんなんありえないと思うかもしれませんが、私の生きているうちは?かもしれませんが、いずれそう遠くない時代にはマイノリティリポートほどではなくても、かなり近いところになるのではとちょっと思ってしまいました。
とはいえ人情や情感で成り立つのが人間社会ですので、今日も長くかかっている遺産分割事件で、まさにその人間の情というものの深さを感じていますが、それを抜きにした解決法が受け入れられないと、やはりAIが有効に司法分野に導入されるには少し時間がかかるかもしれません。
今日はこの辺でおしまい。また明日。