180622 画像診断の信頼性 <画像診断、がん見落としなぜ?>を読みながら
今朝はなぜか4時過ぎに目覚め、しばらくうとうとしながら、野鳥の声が賑やかになったので、起き出しました。
最近は繁殖の時期ではないのでしょう、以前ほど騒がしくないのです。ところが急にばたばたと大きな音。驚いて窓の外を見ると、ベランダの手すりの上で、イソヒヨドリ2羽が戦っているのです。きっと一羽がここを縄張り?にしているのでしょう。よくやってくる一羽といいたいところですが、それほど個々を識別する能力はありません。たぶんという感じです。
野鳥はそれぞれ縄張りをもっていますね。自分のテリトリーは大事にして、よほど叶わない相手でない限り、そこにやってきた鳥は追っ払いますね。とはいえ、その縄張りといったものも、さほど厳格ではなさそうで、やはりお互い遠慮というか、大きな地域環境の中で強制しているようにも見えます。だいたい、木の梢なんかは、たいていの野鳥が留まりたがりますが、いずれも一時的なもので、ずっとそこを占領して唯我独尊を貫くようなのはいませんね。モズなんかも結構、強気な感じですが、それでも威勢がいいのは声くらいで、簡単に譲ってしまうこともありますね。
ところで、医療の世界はどうでしょう。技術の進歩が日進月歩で、飛躍的な治療改善も見られたり、専門化が急速に進んでいるようにも見えます。それで総合医なんて制度もできましたが、なかなか現実は自分の専門領域の枠を超えられないようにもみえます。
そのテリトリーの範囲では素晴らしい実績をあげるかもしれませんが、自分の専門分野以外は、あるいは担当する臓器以外は、見ていない、見えない、あるいは意見を述べないこともあるのではと懸念することがあります。
そういった懸念が実際に現実化すると、医療事故として重大な結果になりかねませんね。
今日の「なるほドリ」欄は<画像診断、がん見落としなぜ? 病院チェック態勢不備 医師連携不足も=回答・熊谷豪>と、その問題の一端を指摘しています。
まず<千葉大病院(ちばだいびょういん)でCTの検査(けんさ)をしたのに、がんの見落としが9件もあった>件から問題をクローズアップしています。
画像診断はさまざまありますが、ここではCTが問題となっています。
その解説を<CTは放射線(ほうしゃせん)を使って体を輪切りにしたような画像(がぞう)を撮影(さつえい)する装置(そうち)で、「コンピューター断層(だんそう)撮影」(Computed Tomography)の略称です。胃や肺など内臓の様子がよく分かるため、病気の早期発見(そうきはっけん)にも役立ちます。日本は人口100万人当たりのCT台数が世界トップで、技術も向上して鮮明(せんめい)な画像を大量に撮影でき、利用が増えています。>と書いています。
画像診断は精細で、それもどんどん進化していますから、これを見て鑑別診断すれば、がんなどの早期発見に役立つわけですね。でも意外と?落とし穴があるものです。
<千葉大で実際にあったケースによると、放射線診断(しんだん)の専門医(せんもんい)がCTの画像を見て肺がんを疑い、報告書(ほうこくしょ)で指摘しました。しかし、患者を診察した医師は、自分の専門の頭や首のがんしか注目せず、見落としたのです。>
放射線科の医師でしょうか、肺がんの疑いを報告書であげているのに、主治医は頭や首のがんを専門としているようで、肺を見落としたというのです。そんなのあり?ですね。
報告書にきちんと肺がんの疑いと記載されているのに、自分のテリトリーと違うから、書かれているものも見落としたなんてことは許されないですね。少なくとも自分が専門でないとしても、肺がんの専門医に見てもらうよう患者に指示なり指導するのが医師のつとめでしょう。
あるいは実際は肺の画像を見たのだけど、自分が専門でないこともあり、画像診断で判別できなかったのかもしれません。その場合報告書そのものは見落とさなかったけれど、画像診断で見落としたということでしょうね。
そんなことがあるのかしらと思われがちですが、私は十分ありうると思っています。
私がいま担当しているケースは、その画像診断を問題にしています。それでCDに入っている画像を私が見てもどこに問題があるのかは見つけることはむろん無理な相談です。それは実際、診断した医師がPC上で問題の画像を摘出するのでも、何度もその画像を見ているのに、簡単に特定することができるわけではないのです。断層写真は膨大な量があって、その中で、特定の断層写真を摘出するのに、問題部位を極めて詳細にするPC上の表示がないようです。アドレスのようなものはないのですね。
そうなると、専門医でも当該箇所を特定していないと、そこを大量の画像から見つけ出すのは容易ではないと思うのです。地球の経度緯度といったものとかに似たものですね、たとえば、写真にしても動画にしても、電磁気的記録では特定する数値など容易にその画像を割り出すことができますね。そういったものがCT画像上できるといいのですが。
記事では<手軽に鮮明な画像を撮影できるようになったのに、チェックする病院の態勢(たいせい)が追いついていないと、専門家はみます。また、大病院は医師の専門領域(りょういき)が細かく分かれ、連携(れんけい)が難しいという背景(はいけい)も指摘されています。>といった専門領域間の連携の欠如を問題にしています。それはそうだと思いますが、その前提として、上記述べた画像の特定の問題とそれを容易に抽出するソフトの問題もあるのかと思っています。
それでも記事によると対策は少しずつ講じられているようです。<主治医(しゅじい)が画像診断の報告書を読まないと、電子(でんし)カルテに警告(けいこく)が表示される仕組みを導入した病院があります。医師だけでは防ぐのに限界(げんかい)があると、検査結果を手渡すなど患者に協力を求める病院も出ています。(医療福祉部)>
これもまだ、私が懸念している問題の解消とはならないように思っています。私のCT画像診断に対する認識不足ならいいのですが。
今日はこれにておしまい。また明日。