たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

画像診断の信頼性 <画像診断、がん見落としなぜ?>を読みながら

2018-06-22 | 医療・医薬・医師のあり方

180622 画像診断の信頼性 <画像診断、がん見落としなぜ?>を読みながら

 

今朝はなぜか4時過ぎに目覚め、しばらくうとうとしながら、野鳥の声が賑やかになったので、起き出しました。

 

最近は繁殖の時期ではないのでしょう、以前ほど騒がしくないのです。ところが急にばたばたと大きな音。驚いて窓の外を見ると、ベランダの手すりの上で、イソヒヨドリ2羽が戦っているのです。きっと一羽がここを縄張り?にしているのでしょう。よくやってくる一羽といいたいところですが、それほど個々を識別する能力はありません。たぶんという感じです。

 

野鳥はそれぞれ縄張りをもっていますね。自分のテリトリーは大事にして、よほど叶わない相手でない限り、そこにやってきた鳥は追っ払いますね。とはいえ、その縄張りといったものも、さほど厳格ではなさそうで、やはりお互い遠慮というか、大きな地域環境の中で強制しているようにも見えます。だいたい、木の梢なんかは、たいていの野鳥が留まりたがりますが、いずれも一時的なもので、ずっとそこを占領して唯我独尊を貫くようなのはいませんね。モズなんかも結構、強気な感じですが、それでも威勢がいいのは声くらいで、簡単に譲ってしまうこともありますね。

 

ところで、医療の世界はどうでしょう。技術の進歩が日進月歩で、飛躍的な治療改善も見られたり、専門化が急速に進んでいるようにも見えます。それで総合医なんて制度もできましたが、なかなか現実は自分の専門領域の枠を超えられないようにもみえます。

 

そのテリトリーの範囲では素晴らしい実績をあげるかもしれませんが、自分の専門分野以外は、あるいは担当する臓器以外は、見ていない、見えない、あるいは意見を述べないこともあるのではと懸念することがあります。

 

そういった懸念が実際に現実化すると、医療事故として重大な結果になりかねませんね。

今日の「なるほドリ」欄は<画像診断、がん見落としなぜ? 病院チェック態勢不備 医師連携不足も=回答・熊谷豪>と、その問題の一端を指摘しています。

 

まず<千葉大病院(ちばだいびょういん)でCTの検査(けんさ)をしたのに、がんの見落としが9件もあった>件から問題をクローズアップしています。

 

画像診断はさまざまありますが、ここではCTが問題となっています。

その解説を<CTは放射線(ほうしゃせん)を使って体を輪切りにしたような画像(がぞう)を撮影(さつえい)する装置(そうち)で、「コンピューター断層(だんそう)撮影」(Computed Tomography)の略称です。胃や肺など内臓の様子がよく分かるため、病気の早期発見(そうきはっけん)にも役立ちます。日本は人口100万人当たりのCT台数が世界トップで、技術も向上して鮮明(せんめい)な画像を大量に撮影でき、利用が増えています。>と書いています。

 

画像診断は精細で、それもどんどん進化していますから、これを見て鑑別診断すれば、がんなどの早期発見に役立つわけですね。でも意外と?落とし穴があるものです。

 

<千葉大で実際にあったケースによると、放射線診断(しんだん)の専門医(せんもんい)がCTの画像を見て肺がんを疑い、報告書(ほうこくしょ)で指摘しました。しかし、患者を診察した医師は、自分の専門の頭や首のがんしか注目せず、見落としたのです。>

 

放射線科の医師でしょうか、肺がんの疑いを報告書であげているのに、主治医は頭や首のがんを専門としているようで、肺を見落としたというのです。そんなのあり?ですね。

 

報告書にきちんと肺がんの疑いと記載されているのに、自分のテリトリーと違うから、書かれているものも見落としたなんてことは許されないですね。少なくとも自分が専門でないとしても、肺がんの専門医に見てもらうよう患者に指示なり指導するのが医師のつとめでしょう。

 

あるいは実際は肺の画像を見たのだけど、自分が専門でないこともあり、画像診断で判別できなかったのかもしれません。その場合報告書そのものは見落とさなかったけれど、画像診断で見落としたということでしょうね。

 

そんなことがあるのかしらと思われがちですが、私は十分ありうると思っています。

 

私がいま担当しているケースは、その画像診断を問題にしています。それでCDに入っている画像を私が見てもどこに問題があるのかは見つけることはむろん無理な相談です。それは実際、診断した医師がPC上で問題の画像を摘出するのでも、何度もその画像を見ているのに、簡単に特定することができるわけではないのです。断層写真は膨大な量があって、その中で、特定の断層写真を摘出するのに、問題部位を極めて詳細にするPC上の表示がないようです。アドレスのようなものはないのですね。

 

そうなると、専門医でも当該箇所を特定していないと、そこを大量の画像から見つけ出すのは容易ではないと思うのです。地球の経度緯度といったものとかに似たものですね、たとえば、写真にしても動画にしても、電磁気的記録では特定する数値など容易にその画像を割り出すことができますね。そういったものがCT画像上できるといいのですが。

 

記事では<手軽に鮮明な画像を撮影できるようになったのに、チェックする病院の態勢(たいせい)が追いついていないと、専門家はみます。また、大病院は医師の専門領域(りょういき)が細かく分かれ、連携(れんけい)が難しいという背景(はいけい)も指摘されています。>といった専門領域間の連携の欠如を問題にしています。それはそうだと思いますが、その前提として、上記述べた画像の特定の問題とそれを容易に抽出するソフトの問題もあるのかと思っています。

 

それでも記事によると対策は少しずつ講じられているようです。<主治医(しゅじい)が画像診断の報告書を読まないと、電子(でんし)カルテに警告(けいこく)が表示される仕組みを導入した病院があります。医師だけでは防ぐのに限界(げんかい)があると、検査結果を手渡すなど患者に協力を求める病院も出ています。(医療福祉部)>

 

これもまだ、私が懸念している問題の解消とはならないように思っています。私のCT画像診断に対する認識不足ならいいのですが。

 

今日はこれにておしまい。また明日。


ブロック塀の安全確認? <ブロック塀、資格ない職員点検>などを読んで

2018-06-22 | 教育 学校 社会

180622 ブロック塀の安全確認? <ブロック塀、資格ない職員点検>などを読んで

 

一つの仕事を終え、次の仕事にかかろうとしたのですが、気になるニュースが目に入り、とりあえずブログを書くことにしました。

 

共同通信記事は午後1時過ぎ<ブロック塀、資格ない職員点検 高槻市教委が謝罪>と崩じています。これはひどいですね。

 

<高槻市教育委員会が22日、市役所で記者会見し、専門家の危険性の指摘を受けて点検した市教委職員2人には建築士などの資格がなかったと明らかにした。塀は安全と判断しており、市教委は「(事故を)結果として防げなかったのは痛恨の極み」と謝罪。安全対策の不備が浮き彫りになった形だ。

 点検は20162月に実施。ブロック塀を目視し、棒でたたく簡易な手法だったという。>というのですから、お粗末を通り越していますね。

 

私は過去数十件くらいさまざまな危険性のある物件について、訴訟に関与してきました。とはいえ素人です。むろん訴訟では地質学者や地盤工学の研究者の協力を得て、専門家相手に尋問しますが、ほんとのところよくわかっていません。ただ、建築基準法や都市計画法などの技術基準を記載した施行令や告示の解釈には幅があり、前提があるなど、難しい計算式はわからなくても危険性をそれなりに肌で感じてきました。といっても、地盤工学会の研究会のメンバーになって難しい議論をなんども聞いていますが、よくわかっていないというのが正直なところです。

 

しかし、今回の事例は、そういう私が見ても、あってはいけない怠慢と言わなければならないと思います。先日もこの件の一報を踏まえて取り上げました。最初の記事では写真も漠然としていましたが、その後の情報でよりこのブロック塀の問題性が明らかになってきました。

 

ただ、私が基礎の高さ1.9mあるコンクリート上に1.6mのブロック塀を設置している状態を見ただけで、とても危険で放置できないと、当初指摘しました。控え壁がないことなど多数、告示に適合しないことはちょっと調べればわかりますが、この外観自体がとても危険で、安全を構造計算等で確認しないといけないということは素人判断でもわかります。

 

私は、高い擁壁を設置する建築物などの事件を多数手がけましたので、その安全性が建築確認や施工の中間検査などで行われていることから、周辺住民が不安視することは理解できても、外観からその危険性に結びつくような判断は避けています。

 

しかし、ブロック塀となると、全然別です。私の年代より若い世代でも宮城沖地震のときや、それ以前からブロック塀倒壊による死傷事例をたくさん見てきたはずですから、ブロック塀の危険性は直感的にわかるはずです。

 

自分の大切な子供を通わせている学校に本件様な高い基礎の上にブロック塀を設置している状態を見れば、しかもその真下に通学路がある状況なのですから、専門家の指摘をまつまでもなく、不安を感じた人がいたはずです。

 

この共同通信の記事では、そういった保護者などの声はまだ取り上げていませんが、私はもっと以前から懸念の声が上がっていたと思います。

 

とはいえ、本件では専門家もしっかり報告していたというのですから、これは行政のひどい対応だと指摘せざるを得ません。

 

毎日記事<大阪震度6弱ブロック塀危険性 外部専門家が2度指摘>はこの件をさらに詳細に報じています。<3年前に外部から危険性を指摘されていたこと>、その内容は次の通りです。

<指摘していたのは、2015年11月2日に同校で防災教室の講師を務めた防災アドバイザーの吉田亮一氏(60)。吉田氏は同日、子どもたちの登校風景や校区内を確認し、学校周辺や今回の地震で倒壊したプールサイドのブロック塀の危険性について、校長や教頭に口頭で伝えていた。

 さらに、1981年の建築基準法施行令の改正で、ブロック塀の耐震規制が強化されたことを念頭に、「35年以上前に建てられたブロック塀は注意が必要」「危機感を持つこと」などと記した報告書を作成。>

 

この内容からは、吉田氏も、構造や法令の専門家ではない印象です。もし施行令を承知していたら、施行令の条項を指摘して、直ちに適合しないとの判断を報告書に記載できたはずですし、しなければならないと思います。

 

その意味で、学校の対応が、専門家とはいえ、建築法規や構造計算の専門でない方の報告書を基に、教育委員会に判断を仰いだのだとすると、それだけでも適切でないといえるでしょう。ところが、学校はこの報告を基に、市教委に対応を相談したりしたわけではなさそうなのです。

 

<高槻市教委によると、同校の田中良美校長は16年2月25日、別の用事で同校を訪れた市教委学務課の職員2人にブロック塀の点検を依頼。>このような依頼自体、真剣に問題に対処しているとはいえないでしょう。

 

当然、市教委職員も、問題を的確に把握せず、おざなりの確認?作業らしき事をしたに過ぎません。

<うち1人は建築職としての採用で、目視による確認と点検用の棒でたたく打音検査を実施し、塀に傾きやひび割れがないことから、「安全性に問題はない」と判断していた。17年1月にも業者に依頼して定期点検を実施していたが、点検結果の報告書については「業者の記憶が曖昧で、当時の安全状況を確認している」と説明していた。>

 

だいたい、<目視による確認と点検用の棒でたたく打音検査>でわかるほど、単純で有るはずがないでしょう。なぜ改正施行令がさまざまな安全措置を講じることを求めているか、ブロック塀の安全性を確認するとすれば、専門家として最低限やるべきことをやっていません。どうやら建築士などの資格ももっていなかったようですね。

 

<浜田剛史市長も三宅さんの両親と面会し、「市に責任がある」と謝罪している。【池田一生、大久保昂、津久井達、真野敏幸】>ということですが、死傷者がでてからでは遅いのです。

 

このブロック塀設置の際、ほとんど安全性を担保するような措置を行っていないと思わざるを得ないことは、すでに指摘したほか、毎日記事でも<倒壊の塀、鉄筋不足 基礎との接合部分>と根本的なミスを犯していると思われます。それだけでなく、長さ40mものブロック塀を連ねた場合、地震による揺れはさらに強まることが明らかで、そのような発想自体とそれに対する万全の備えに対する配慮を欠いていることを強く感じます。

 

別の記事では<塀の点検項目、国交省が公表 安全確認呼びかけ>と、とくにブロック塀の安全確認の点検項目を5つ指摘していますが、これくらいは簡単ですので、早急に確認・報告・是正措置をしてもらいたいものです。

 

改めてブロック塀など、高い塀を好むわが国の建築文化、それは開発する業者の意識だけでなく、施主の意識も変わらないと、簡単にはなくならないかもしれません。盗難防止という面では、一般的には逆に、これによって塀を上れば(泥棒にとって朝飯ですね)、家人がいない留守を狙うので、近隣の目を気にせず、ゆっくり盗むことができる状態となるので、効果的とは思えません。一般的な目隠しは確かにあるでしょうけど、それは家自体がいまはカーテンなどで目隠しできるのですから、あえて高い塀は必要ないと思うのです。

 

外国の住宅地を歩くのが好きですが、こういった塀があるのはいわゆるマンションといったほんとに超高級住宅くらいで、日本で言えば相当広大な敷地があっても、高い塀はないですね。わが国も最近の分譲地は塀が低いかないのが一般的ではないかと思いますが、古い分譲地や住宅だと、いまだ多く残っていますね。これも終活の一つとして解決しておくべき課題かもしれません。

 

30分あまりでざっと書き上げました。もう一つ、帰る前に書こうかと思っています。