たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

ほんものを求め <NHK リーマンショック 技術者たちの10年>を見聞しながら

2018-09-15 | 人間力

180915 ほんものを求め <NHK リーマンショック 技術者たちの10年>を見聞しながら

 

今朝の毎日記事はやはり<危機の教訓リーマン・ショック10年 負債64兆円、世界震撼>と大きく取り扱っていました。<英銀による買収交渉が頓挫した9月15日、リーマンは史上最大の6130億ドル(約64兆円)の負債を抱え、破産を申請した。>と負債額が桁外れですね。この威力はその後に世界経済を震撼させただけの巨大マグニチュードだったわけですね。

 

リーマンが信用性のないサブプライムローンを極端に取扱い増幅した結果、わが国の企業の多くが影響を受け倒産、リストラなど大変な事態に陥ったわけですね。

 

しかし、しっかりした技術力などの能力と意欲があれば、その後の10年でほんものの経済を支える企業化を果たした人たちもいるのですね。NHKおはよう日本で912日(木)放送された<リーマンショック 技術者たちの10年>は、ちらっと見てすごい技術だ、すごい人たちがリストラで一旦、戦力外通告を受けながら、見事に立ち直って自信をもって仕事に打ち込んでいる姿に,人間力と企業力をいろんな意味で感じさせてくれました。

 

登場するのは新潟で生まれ世界に羽ばたこうとする<コネクテックジャパン 平田勝則社長>で、<創業から9年、半導体関連の事業を展開しています。32人の社員のうち、50代と60代が半数以上。その多くが、リーマンショック後にリストラの対象となった技術者です。>

 

まさにリーマンショックで仕事場を失った人たちが集まって先端技術である半導体関連の革新的技術をもつ事業を展開しているのです。

 

どうやらその技術は半導体チップを取り付ける技術で、従来は260℃の高温にする必要があったのを、その4分の1以下の低温、80℃で可能にしたというのです。この低温化技術により、<衣服や医療器具など、柔らかい素材にもセンサーが装着できるとして用途はさらに広がるとしています。>たしかにいくら半導体チップが小型化したり軽量化しても、現時点では何かに取り付けないといけないわけですから、その取り付け温度が高温だと、対象物が変形してしまいますね。260℃というのが従来の取り付け温度ですから、取り付け先物質もなにか工夫が必要でしょうし、限定されることはまちがいないですね。

 

この低温化取り付け技術は、単に取り付け対象を広げるだけでなく、生産方式が極めてコンパクトで効率的にできるそうです。たしかにTVで放映されていた工場はちょっとしたオフィス程度の広さしかないのに、大工場と同じ程度の生産性を上げることができると平田社長は話していました。高温化しなくてよい分、取り付け機械も小型化したり、取り付け工程も簡単になっているようですね。

 

平田社長のことばは体験からほとばしるものでとても活き活きとしています。<「・・10年前よりタフな人間になれてるし、よりアグレッシブでよりチャレンジングな人間になれたのは、やっぱりああいうショックが、人が起こしたことだけれども、それに巻き込まれた中で見えたことじゃないかと思っています。」>

 

少し気になって会社の情報を探ると、日経ビジネスの長江優子記者が77日付け記事(実際は430日号)<コンビニ店舗の広さで半導体を生産 志と技術で半導体製造を革新したコネクテックジャパン>で、より具体的かつ正確に報告していました。

 

<幅2.5m、奥行き0.8mの卓上に置かれた3台の装置。その上で、半導体チップが次々と基板に接合されていく>これが半導体チップの接合装置なんですね。

 

これがいかにすごいことか、長江記者は<通常の半導体の組み立て装置はもっと大掛かりで、幅200m、奥行き100mもの巨大工場で生産される>とまず規模の比較をしています。

 

それは当然、コンパクト化すればさまざまな利点が生まれますね。

<工場立地に必要な面積は従来の5700分の1、投資費用も40分の1に削減することが可能になった。平田勝則社長は「装置は100ボルトの電源で駆動する。コンビニエンスストアの店舗ほどの広さの場所があれば、どこでも生産ができる。さらに多品種変量生産にも対応できる」と話す。>

 

続いて新設備の核心に迫ります。従来の接合方法について、<ここ最近、半導体部品を小型化するために多く採用された手法は「フリップチップボンディング」と呼ばれ、圧力と260度の熱を加えて接合する。しかし、この手法だと熱や圧力に弱い素材を基板に使うことが難しい上、接合工程に必要な装置が大型となり、設備投資に多額の費用が必要だった。>既存の方式では、加熱だけでなく高圧力が必要だったのですね。

 

<デスクトップファクトリーに盛り込まれた半導体製造技術「モンスターパック」は、半導体チップを基板に接合する方法自体を一新させた。>

 

それは<印刷技術を応用し、独自開発した導電ペーストと硬化樹脂を使うことで、接合に必要な圧力を20分の1に抑え、温度は80度に低減。樹脂や繊維など、熱や圧力に弱い素材に、半導体チップを搭載することを可能にした。既に、厚さ数mmのフィルム素材に半導体チップを実装した品も試作している。>

 

NHK放映でも暑さ数mmのフィルム素材に半導体チップを実装した試作品が登場していましたが、これはすぐれものですね。

 

半導体関連はいま最先端の技術革新がひしめき合っていると思いますが、平田社長はじめとするリストラ復活の意欲と能力に期待をしたいものです。

 

今日はもう一本書きますので、この程度で終えます。

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿