190112 オオカミが泳ぐ <NHKBSカナダ西海岸 海に生きるオオカミ>を見ながら
今朝天気予報を見ると連休中は成人式にお似合いのいい天気とのこと。ところが最初、アラレ模様、そして冷たい雨。これでは今日の歩きは中止と決定。それで録画していたNHKBSの<ワイルドライフ「カナダ 西海岸の島々 海に生きるオオカミ アザラシを狙う」>を見ました。
これはさすがNHK取材班という内容でした。カナダ西海岸はそれなりにあちこち旅をしましたが、すばらしい原生自然でした。グレートベア・レインフォーレスト自然保護公園というところでした。テーマは表題の通り「海に生きるオオカミ」です。
えっと思いました。以前、オオカミのチームプレイで、たしかオリックスを狩る場面を放映していましたが、見事な頭脳と巧みな連係プレイでオリックスを後のない崖っぷちに追い詰めたと思った瞬間、崖から飛び込んでしまったのです。川が流れていて、オオカミたちは悔しそうな?表情であきらめていました。犬と違って泳げないのだと思っていました。ところが違うようです。環境が変われば、エサがなければ、それに応じた環境順応をすることで生き延びるのですね。
私がカナダで野生生物保護を学んだ20数年前、オオカミは牛羊の家畜保護のため害獣として毒殺ないし殺処分され、ほぼ絶滅状態にあったと聞いた記憶です。日本では外来種のアライグマや台湾リスなどが駆除対象となってきましたし、在来のイノシシやシカも同様に駆除対象となってきましたが、駆除の仕方が全然違っているためか、日本各地で生き生きと活動しているようですね。参考<ネブラスカオオカミ>
そんなわけでカナダにオオカミが生息していること自体、そうなのかと思いながら画面を見ていました。
グレートベア・レインフォーレスト自然保護公園や、その中でNHKが取材した地域を探ろうとネット検索したのですが、明確に特定できませんでした。
ただ、まずナショナル ジオグラフィックは、15年10月号で<カナダ西海岸 海辺のオオカミ>を取り上げて、
<カナダの海辺で、オオカミがサケを食べていた。
2000年代の初頭、そんな光景を目にして興味をもったのが、カナダ人生物学者のポール・パケットと、環境保護活動家で写真家のイアン・マカリスターだ。2人は地元の先住民の協力を得て、大学院生のクリス・ダリモントを雇い、調査に取り組んだ。ダリモントは沿岸部にある先住民の居留地、ヘイルツクに研究エリアを絞った。>として、その生態の一面をすでに報告していました。私がカナダ時代から帰国後もしばらく愛読していた雑誌だけありますね。そこでは<彼らの食料は、フジツボなどの甲殻類や、海藻のケルプに産みつけられたニシンの卵、浜に打ち上げられたクジラの死骸などだ。海に泳ぎ出て素早く岩場に登り、そこで日光浴中のアザラシやアシカを襲うこともある。>とすでに指摘されていますが、はたしてオオカミが泳ぐことまで確認したかは?です。
オオカミは当然ながら用心深く、取材班もカモフラージュを十分に行い、臭いも漏れないよう配慮して対応しましたが、長期間オオカミの姿を捉えることができませんでした。でもなぜか一頭だけ自分からそのテントやカメラに鼻をくっつけるのがいたのですね。個体差があるのですね。取材班が対象にした地域には7歳くらいのオス・メスの両親とその姉弟?、それに2歳の姉妹で10頭くらいが集団で暮らしているとのこと。そのうちカメラや人を怖がらないのが2歳のメスで、取材班は愛らしい名称、エリート名付けたのです。当然、取材が容易になったわけですね。ところが、あまりに近づきすぎるので、まあ友達みたいになると、原生自然に生きるオオカミになりませんね。かえってうまくいかないこともあるわけですね。
ともかく次第に取材班は海で生きるオオカミの生態、正体を次第にクローズアップできるようになりました。小さな孤島がありました。どうやら一体は溶岩流でできたようで、岩礁地帯ですが、そこにトウヒなど樹林が岸辺まで覆うほど、さすがはレインフォーレストの気候条件のなせるわざでしょうか。
ともかく孤島ですが、潮の満ち引きにより、干潮になれば陸橋ができ島まで渡れますが、満潮になれば海に囲まれます。たしか父親オオカミだったと思いますが、カワウソを狙って小さな、そう自分の体1.5mくらいの3倍くらいしかない島とも言えないようなところで、隠れて狙うのです。でも狩りは成功しませんでした。3時間くらいそうやって潜んでいたのでしょうか、いつの間にか潮が満ちてきて海に囲まれてしまいました。でもお父さん、じっと海流を見てやおら海の中に入ったかと思うと、顔出して犬かきしながら泳ぎだしたのです。海流にも負けず、しっかり陸地にたどり着きました。13kmくらいでしたか泳いだ記録があるとかナレーションで言っていましたから、今回は500mくらいでしたから全然、平気だったのでしょう。
今度は幼いエリーが登場、お父さんの後をついていきます。お父さんはさっと海に入りますが、エリーは少しためらいます。でもお父さんに続き、うまく泳いでいます。
そして今度は狩りです。カワウソの家族を発見したエリーは、臭いや姿から気づかれないよう忍び足?で近づき、襲ったのです。最初子どものカワウソを加えることに成功しましたが、海に飛び込んだ母親でしょうか、エリーの足下を噛んだようで、エリーはその瞬間、加えた子どもを離して、無事?子どもは逃げることができました。これで狩りは失敗で終わりかと思ったら、その子どもでしょうか、少し離れた陸地に上がったのをエリーは見逃さず、今度は仕留めました。むろん海の中で泳ぎながら狩りをすることは、相手のカワウソやアシカなどの方が上手ですから、それは無理な相談ですね。でも孤島でも泳いでいけるので、陸上にいるこういったほ乳類を収穫することが可能になるのですね。
これは驚きでした。そしてグレートベア・レインフォーレスト自然保護公園の場所をよく見ると、懐かしいところでした。私が95年に訪れたkitmatがそのフィヨルド地形の奥にある町でした。アルミ精錬工場を訪ね、工場見学をさせてもらいました。役員の紹介でしたので、丁寧に説明してもらったのですが、私の語学力では専門的な面でも、ヒアリング能力の面でも、話半分程度しか分からなかったと思います。ただ、ここの美しい景観は下手な腕で写真撮影し、FBではたしかアップしたように思います。その先に、オオカミが生息する自然保護公園があったとは驚きです。
こういった映像は4K8Kで見るといっそうきれいに見えるのでしょうね。NHKさんは商売上手ですね。でも私の場合いまのTVで十分かな。
そんなところで今日はおしまい。また明日。
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