たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

米企業と自治体の行方 <アマゾンの巨大化と疲弊するアメリカ各地の自治体の誘致合戦がもたらすその自治崩壊の懸念を考える>

2018-03-14 | 都市のあり方

180314 米企業と自治体の行方 <アマゾンの巨大化と疲弊するアメリカ各地の自治体の誘致合戦がもたらすその自治崩壊の懸念を考える>

 

今朝も朝日が高野の峰峰をシルエットにしながら東方から天空を青空に染めていきます。すぐそばの杉と檜の混交林?ごとき小さな林では、野鳥の声が元気です。ウグイスの軽やかな鳴き声がうれしいです。

 

最近ヒノキの梢に小さな野鳥が飛んできてはしばらくたたずみ、私がのろのろとその姿を見ようと100倍の倍率のあるビデオ機を持ち出そうともたついていると、ビデオを向けた瞬間いつも飛び去っていきます。私のメガネの度はPC用にも使えるように緩くしているため、あまり遠くは見えないのです。スズメよりは小さいのはわかるのですが、なんだろ。スズメ目アトリ科だろうとは思うのですが、色もくちばしも、さっぱりわかりません。

 

今朝ようやく概要を突き止めることができました。といっても安物のビデオで10年以上前のものですから、解像度はイマイチと機械のせいにして、完全な同定は次の機会にしたいと思います。

 

当初はノビタキだと思っていたのですが、嘴とお腹の色合いからみてアトリ科のおそろくカワラヒワかなと思うのですが、今回は久しぶりの高倍率でうまく調整ができず、作業中に、飛んで言ってしまいました。それでもアトリの特徴的な嘴だけは確認できましたので、もう少し顔から尾羽や腹部などの形・色をよく見極めたいと思います。40年近く前はバードウォッチャーとして?首都圏各地を飛び回っていたのですが、すっかり忘れてしまいました。

 

またまた前口上が長く伸びすぎてたるんでしまったベルトかソバのようになってしまいました。

 

今日は和歌山地裁まで出かけるのですが、京奈和高速が和歌山市まで接続するようになり、少し時間の余裕ができたのと、朝のニュースで少し驚きもありましたので、見出しのテーマでちょっと書いてみようかと思います。

 

NHKニュース おはよう日本>では、ウェブ情報としては<「おはBiz」は、アマゾンがアメリカで始めた新サービス「アマゾンGO」。レジを通さずに買い物できる”未来のコンビニ”を豊永キャスターが現地リポート>しか取りあげていませんが、これは私は見ていません。

 

私が見たのは、途中からですが、アマゾンが本拠地にしているシアトル市の土地価格がバブル的に急上昇し、家賃も倍々になっている状況です。アマゾンはウォールマートを買収?と提携?して直接販売事業に参入したほか、他事業にどんどん進出する状況で、社員の賃金も超右肩上がりのようです。その結果、私が見たのはあまり広くない部屋の家賃が月50万円余と東京都内より高い印象。あり得ない?!

 

私の知っているシアトルは、落ち着いた住みやすい都市として、全米でも長くトップクラスを維持していたと思いますし、とりわけ郊外住宅地は海と森に囲まれて風光明媚なところです。それに南部と違って、おそらく武器使用や携帯は市民の中では嫌悪感があるような印象で、安全な町でもあると思っていました。

 

ところが、この高家賃の結果、取材された中学教師は、年収400万円くらいの半分が家賃でなくなるということで、生活の危機に直面しているというのです。

 

さらにアマゾンの一人勝ちに近い独占的支配力が、第2の本拠地を物色し始めたところ、こんどは疲弊した全米各地の都市に過当競争を呼んでいるのです。ある都市は、8000億円の減税案を出すとか、さらには議会の議決権をアマゾンの許可を得て行使する、アマゾンと共同して市政運営を行う案とか、市の名前を変えてアマゾン市にするとか、極端な企業支配都市を演出しようとしているのです。

 

私もアマゾンのサービスを利用している一人として、アマゾンの市場戦略の巧みさを評価するものですが、アメリカが建国以来培養してきた市民自治(それは銃所持よりも重要と思っています)を奪うような状況は、アメリカという国の根本を脅かすことになると危惧します。

 

ついでにいえば、シアトル市は、日弁連のまちづくり調査で、936月に訪れ、ダウンタウンを中心とした都市計画を学ぶために、市の職員(実は担当は多くの弁護士で構成)、高層ビル計画を取り扱う法律事務所の担当弁護士などから、多くの有益な情報を得ることができました。そのときはもっぱらダウンタウンをもっぱら対象としてましたので、住宅地での厳格なゾーニング条例については学ぶチャンスがなく、その後カナダで長期に体験的に学びました。

 

90年代流行したCAP(Citizen' Alternative Plan)は、80年代に乱立した超高層科による外部不経済・環境悪化に対応するため、容積率・高度制限を課すものですが、他方で、公益的な利用が一定程度すれば緩和するという政策とのアメとムチの政策でもあったと思います。

 

当時日本では何百人といった弁護士を抱える法律事務所はなかったですが、アメリカではすでにそのような多くの弁護士で多様な専門分野に対応するチームで事案に取り組んでいました。プレゼンも事務所内の大会議室で、高層化の景観上の影響をビジュアルに軽減する内容や、公益的利用の内容を説明するものでした。

 

他方で、こういった高層ビルはほとんどすべてが環境アセスメントの対象となっていて、膨大な環境影響をチェックするようになっていて、それを法務部だったか、大勢の市役所所属弁護士が担当していました。

 

ちょっとまた脇道にそれましたが、こういったダウンタウンでの都市計画は特殊で複雑ですが、住宅地の都市計画は、居住者の利益を守るため、極めて保守的で、地域の自治を体現するものでした。むろん低層住宅地(これは場合によっては数10100以上に細分してゾーニングされています)で、高層化するようなことはゾーニングの変更ですから、議会の議決を必要としますし、公聴会での議論を経ないといけません。そういう都市自治は、市民自治によって確立していたと思われるのです。

 

それが一企業によって、公共投資やゾーニングという自治権の本質が歪められるおそれが生まれたとすると、とても危険な兆候です。それは強ければ良い、自分を支持する国民・団体の希望に添えば良いという、トランプ大統領の姿勢になにか通じるおそれも感じます。

 

だいたいツイッターで、最も重要なポストの一つ、国務長官を更迭するなんてことを平気で行う大統領がアメリカを、世界をリードしていく体制は、今後に不穏の影を漂わせているように感じるのは私だけではないでしょう。

 

トランプ政権を支えている株式市場、金融投資システム、ほんとうに大丈夫でしょうか。株価や不動産価格の上昇がほぼ止まらない傾向は、とてもいい兆しとは思えません。この一年でも学校での銃乱射事件は右肩上がりに上昇しています。精神の不安定にとどまらず社会全体の不安定を象徴してませんかね。

 

私たちは、便利になれば良い、欲望が達成されればいい、といった個々の自由・欲求をあまりにとらわれてきたのではないでしょうか。アマゾンは有益なサービスを提供してきたかもしれません。でも宅配便の従業員に過酷な労働を課してきたのも事実です。ようやくわが国では対策をとるようになりましたが、それは弥縫策にとどまっているように見えます。

 

わが国は元々、自治体の力が脆弱ですから、アマゾンのような企業が進出したら、どうなるかと思いつつ、侵されるほどの自治力もない、あるいは中央で守ってくれているので、大丈夫という見方もあるかもしれません。でもいまこそ逆に、自治体の力を発揮する時代ではと思うのです。

  


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