今月は塩野七生さん。
1.ローマ人の物語 危機と克服(上)21
2.ローマ人の物語 危機と克服(中)22
3.ローマ人の物語 危機と克服(下)23
あまり世界史では習わないところかもしれない。
ネロ帝が自害したあとの混乱から、いわゆる五賢帝時代、へいたるまでの時代(紀元68年~96年)を述べている。
(もっとも、塩野さんは、五賢帝だけが賢いのかという疑問をもっておられるよう。「五賢帝」と記録を残したタキトゥスに対して、セクシーな男ではない、と判断されているようだ。)
塩野女史の本は、ルネサンスものも大変おもしろい。
歴史というと、シーザーやアウグストゥスなどの英雄を思い浮かべるが、実際はその政治システムの構築なり、運用なり、改善の地道な継続であったとおもう。
ローマは覇権を握ったが、敗者も自分達の中にとりこみ同化することで、1000年以上もの隆盛を誇った。
統治システムにほころびが生じていたときに、英雄ではない人たちがどのように危機に対して対応していったのか、という点で今を生きる我々にも参考になるだろう。
異色な歴史本である。
「人間にとっての最上の幸運とは、自分のためにやったことが自分の属する共同体のためになること、つまり私益と公益が一致することにある」
との塩野女史の指摘は、まったくもって正しいと思う。
新卒のときに就職試験を受けた会社の面接官さんが、これと似たようなことを言っていた。
そのとき、その面接官さんを人間として信頼できる、と感じたことを思い出した。
風の便りで、その人は異国の地で大変な苦労をされたと聞いたが、今どうされているのだろうか。
こういったかたが、評価されるような社会であって欲しい。
1.ローマ人の物語 危機と克服(上)21
2.ローマ人の物語 危機と克服(中)22
3.ローマ人の物語 危機と克服(下)23
あまり世界史では習わないところかもしれない。
ネロ帝が自害したあとの混乱から、いわゆる五賢帝時代、へいたるまでの時代(紀元68年~96年)を述べている。
(もっとも、塩野さんは、五賢帝だけが賢いのかという疑問をもっておられるよう。「五賢帝」と記録を残したタキトゥスに対して、セクシーな男ではない、と判断されているようだ。)
塩野女史の本は、ルネサンスものも大変おもしろい。
歴史というと、シーザーやアウグストゥスなどの英雄を思い浮かべるが、実際はその政治システムの構築なり、運用なり、改善の地道な継続であったとおもう。
ローマは覇権を握ったが、敗者も自分達の中にとりこみ同化することで、1000年以上もの隆盛を誇った。
統治システムにほころびが生じていたときに、英雄ではない人たちがどのように危機に対して対応していったのか、という点で今を生きる我々にも参考になるだろう。
異色な歴史本である。
「人間にとっての最上の幸運とは、自分のためにやったことが自分の属する共同体のためになること、つまり私益と公益が一致することにある」
との塩野女史の指摘は、まったくもって正しいと思う。
新卒のときに就職試験を受けた会社の面接官さんが、これと似たようなことを言っていた。
そのとき、その面接官さんを人間として信頼できる、と感じたことを思い出した。
風の便りで、その人は異国の地で大変な苦労をされたと聞いたが、今どうされているのだろうか。
こういったかたが、評価されるような社会であって欲しい。