http://japanese.engadget.com/2009/04/26/pc-im-nic/
これ、なんだかわからない人のために簡単な解説。
コンピュータにはいくつかの状態があります。
電源が完全に入っていてなんでも操作できる状態や、最低限の電源は入っていて最低限の動作ができる状態、充電中の状態、電源が完全に切れている状態などです。
上記記事では、「最低限の電源は入っていて最低限の動作ができる状態」で、そこの「最低限の動作」にいくつか自分達で考えたものを追加する、そしてそのトリガーがPCの外部なので、ネットワークインターフェイスカードで実現する、ということを紹介しています
「最低限の動作」は人によってニーズが違うでしょうが、完全に電源がONになっていなくてもコンピュータを動作させてなんらかの作業をさせる、ってなかなかエコな話でしょう。
以下引用
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写真はUCサンディエゴの研究者とMicrosoft Researchが共同開発したネットワークインターフェース「Somniloquy」のプロトタイプ。Somniloquy (「眠」+「言」)はエコでエネルギー効率の高いコンピューティングを目指して、「コンピュータには通常のアイドル状態より桁違いに消費電力の低いスリープモードがあるけれどあまり使われていない、なぜならユーザーは直接作業をしていないときでも、バックグラウンドでダウンロードを続けたりリモートログインに待機したり、メッセンジャーをオンライン状態にするなどネットワークから「見える」状態をキープしたいからである。しかしそんなタスクの大半はフルのCPUやシステムを使うには及ばないから、ネットワークインターフェース側をちょっと賢くして肩代わりすればよい」というプロジェクト。
具体的にはPCがスリープ (S3など完全にCPUが止まっているとき)でもネットワーク側からは「起きて」いるように見せかけるため、また本当にスリープから復帰したときにはそのまま睡眠中のアクティビティを引き継げるように、ネットワークインターフェース側の低消費電力組み込みプロセッサがコネクションをそのまま乗っ取ります。現在のプロトタイプ実装では組み込みLinuxとSDカードを載せたGumstix基板 USBネットワークインターフェースのかたちを取っており、たとえばBitTorrentダウンロードならSomniloquy側のフラッシュメモリにファイルを保存、もし容量が足りなくなったらPCを起こす、メインのストレージにダンプする、また寝かしつけるという動作をします。
NICの機能としてはリクエストに応じて本体を起こすWake On LANが従来より存在していますが、Somniloquyは負荷の低いアクティビティなら本体が起きていても寝ていても透過的にコネクションを維持して肩代わりすること、本体を起こす必要があるか否か判断できる点がポイントです。UCサンディエゴのYuvraj Agarwal氏いわく、Somniloquyを採用すれば一般的なPC作業での消費電力はおよそ6割から8割削減することが可能。現在は外付けのUSBタイプとして実装されていますが、将来的には内蔵ネットワークインターフェースのアーキテクチャとして取り込むことを狙っています。
なお、Somniloquy側でコネクションを維持してオンラインステータスにしているメッセンジャーで話しかけられた場合はすぐにシステムを起こすのか、あるいは意味不明瞭な寝言を返すのかは不明。Microsoft Researchが関わっているならシェイクコマンドでスリープ復帰を組んでくれるかもしれません。また、NIC側に知能を持たせて作業を肩代わりさせる発想としてはゲーマー向けの Killer NICがすでに販売中。こちらはシステムを休ませるのではなく、些事を取り除いて全力で演算に取り組ませる目的です。
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(bambooコメント)
削減量は、常時電源ONのPCの使われている用途によりますよね。6割削減とか8割削減といっている根拠は知りたいところです。(記事では一般的といっていますが、結構特殊な状況かもしれません)
夜中にダウンロードというのはよく思いつく話と思うのですが、そういう使い方の人は全体からするとそんなに多くない気はします。
むしろ、この話のインパクトは、この技術がPCに閉じない可能性をもっていることでしょう。
内部的なトリガーでなにかやらせたいときについては話は別ですが、外部とつながっている家電などで、外部からのトリガーでやらせたい作業があるときは、外部との接点になっている部分でこの記事のようなことをすればいい、ということになります。
http://blog.goo.ne.jp/bamboo_horse_tenoriguma/e/33d221364379e5088fc7139122d12187の記事で紹介した無線LANルータに組み込むと、付加価値をあげることができそうですね。