ポチとわたし

「ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず・・久しくとどまりたる例(ためし)なし」

夜明けのお酒

2007年04月14日 | 日記
夜が明けるのが早くなった。5時には空がしらけて来る。
もう朝日は入ってこない、若葉に邪魔されて部屋には入らない。
 昔のくらし…私が18,9歳の頃、近所の青年団四人が阿波と讃岐の要所要所だけを十日程で廻った事があった。一番から十番まで歩いたが、途中お餅をもらったり小銭をくれたり芋のむしたのをもらったことがある。残った芋を犬にやったら逃げてしまった、米はくれなかった。米をもらっていたらその日食べるぐらいはあったのにと、話し合った。木賃宿二十五銭、食事は夜と朝食べて昼の弁当もらって二十五銭。五十銭で一日の旅ができた。外に小遣い少しぐらいであった。川島から辻まで、汽車・渡し舟で箸蔵へ行き箸蔵寺を参り、汽車で琴平へいき、讃岐全部をあるき、三本松で汽車にのるために準備をしていると、中年の婦人が徳島までの切符四枚を接待してくれた。厚くお礼を言って車上の人になった。若い者の事とて住所も名前も聞かずそのままになってしまったが、四人共一生を通してどれだけ心のささえになった事だろうか。七十歳半ばの今日までやはり覚えているし、時には孫や他の子供への話題にしている。(大戸 樅原邦光)…昔の巡礼の旅、ほのぼのとしてて人情あるし、心が豊か、日本の心は何処へ…