時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

修学旅行の夜

2013年05月09日 | 懐かしい系、あれこれ

小さい頃、旅行をする時は、たいがいの人が親に連れていってもらう家族旅行だっただろう。

めったにない家族旅行ではあったが、たまに家族旅行があると、本当にワクワクしたものだった。

では、家族が付き添わない「初めての旅行」となると?

それは、多くの人が・・・学校の修学旅行や臨海学校や林間学校だった方が多いのではないだろうか。

私が小学校時代に先生の引率で行った旅先は、日光、箱根、岩井海岸などを覚えている。

だが、「初めて」がどれであったかは、イマイチはっきりしない。

日光や箱根は林間学校で、岩井海岸は臨海学校だったはず。

親がいなくても、先生が引率してくれていたので、心配はなかった。

むしろ、親がいない旅行というのが新鮮で、なにやら解放感もあった。

 

臨海学校は、海のそばの民宿で、いくつもある部屋は通常は襖で区切られていたのだろうが、大人数で行く臨海学校の時は、襖は取り外され、いくつもの部屋がつながっていた。

だが、林間学校として行った宿は民宿ではなく旅館系だったので、部屋がそれぞれ別々になっていた。

そして、生徒は数人ずつのグループに分けられ、それぞれグループ単位で別々の部屋に泊まった。

この、別々の部屋に泊まれることは、極めて新鮮だった。

なにせ、親もいなければ先生の目も遁れられたから。いるのは級友たちだけ。

ドアさえしめてしまえば、後はもう天下だった(笑)。

何をしても見つからなければいい・・・そんな気分だったので、皆がそれぞれ羽をのばしてはしゃいだりしていた。

修学旅行で、級友と相部屋になった時の定番の遊びとしては、布団ムシ、枕ぶつけ、トランプなどなど。

トランプはともかく、布団むしや枕ぶつけは、遊んでいればテンションもあがり、声も大きくなり、物音がドスンドスンとする。なのでそれがエスカレートしていけば、物音を聞きつけた先生がやってきて怒られることに。

まあ、それはおそらくどこの学校の生徒も似たようなもんだったのではないだろうか。

さすがに先生に怒られた後は、一瞬静まる。

そのうち、旅の疲れも出てきて、いつしか眠りに落ちる級友も出始める。

だが、いつもと違う修学旅行という非日常の中では、中々テンションが下がらず、中々寝付けない生徒もいる。

むしろ、早く寝てしまうのがもったいない・・と考えもあったりする。

そんな時・・・。

あたりが少し静かになり、部屋の電気も消え、夜が進む。

だが、寝付けない、まだ寝たくない、まだ遊びたい・・・・。

 

そんな時に、自然発生的に始まるのが・・・怪談話大会であった。

修学旅行の夜の部屋での怪談話大会・・・これはもう、定番だった。

交代交代で、順番に怪談話をしていくのだ。

とはいえ、1人1人が怪談話のストックを多く持っているわけではない。

そうなると、その場で考えたオリジナル怪談話も出てくる。

私がどんな怪談話をしたかは覚えていないが、級友の1人がその場で考えた創作怪談話で、ひとつだけ私が今もかすかに断片的に覚えている話がある。

それは確か、日光に行った時だ。

宿は山の中にあった。

庭が広く、庭の向こうには夜の闇に黒く浮かび上がっている山があった。

級友が話した怪談話は、途中で・・・

「この宿の庭を西に100歩、東に50歩歩いた地点に、死体が埋められている」というくだりがあった。

よく考えると、西に100歩歩き、東に50歩歩くのなら、最初から西に50歩歩くだけでいいようなものだ(笑)。

だが、その時は、単に「西に100歩、東に50歩」という表現の響きが具体的で、妙にリアルさを感じたのだった。

窓を開けると、そこには庭の先に黒山が闇に浮かびあがっていたもんだから、手前の庭に埋められた死体が幽霊となって出てきそうな気がした。

こんな怪談話大会をしていると、静かになった級友がいたら「おい、〇〇君、まだ起きてるか?」とか声をかけ、返事がなければ、もう寝てしまったということになる。

やがて1人、また1人と寝落ちしていき、最後には2人ぐらいしか残らなくなる。

たいがい私は最後の2人の1人に入っていた。

すると、生き残った・・・というか(笑)、起き残った2人で、「こうなったら今夜は、ずっと起きてようぜ」なんて言い合い、しつこく(?)少しでも長く修学旅行の夜を楽しもうとする。

2人だけになってしまうと、怪談話大会は終息に向かい、やがては級友の話になる。

誰が誰のことを好きだ・・とか、お前の好きなのは誰? 僕のお気に入りは・・とかの話になる。

で、たまに「今、何時頃だろうね」なんて言いあう。てっきりもう夜が明けてくるんじゃないか・・とも思ったりするが、窓の外の景色は、夜明けには程遠い雰囲気。

なにぶん、小学生にとっての夜なわけだし、明け方まで起きてられるとも思えず。

夜明け近い時間になってると思っても、せいぜい12時くらいの真夜中でしかなかっただろう。

やがては・・・2人残った片方のうち1人がしゃべらなくなる。

寝落ちしたのだ。

こうなると、たった1人残ったことになり、1人起きてても仕方ないので・・・・最後の1人も沈没とあいなるわけである。

 

そして朝になると、ゆうべのことは嘘のような雰囲気になり、「西へ100歩、東へ50歩」の庭は、ただの空き地でしかなく、とても死体が埋められてるような雰囲気はなく、夜の闇の中で黒く浮かび上がっていた山は朝日を浴びて明るく、全員起きた級友たちは昨夜のことなど忘れたかのように明るく動き始める。

ただ、最後まで残った2人は、それまでより仲良くなっていた。

 

このように、私の「修学旅行の夜」は・・

布団むし → 枕ぶつけ → はしゃぎすぎで先生に怒られる → 布団に入って怪談話大会 → 最後まで起き残った2人で、ナイショ話 → 1人寝落ち → ラストの人も寝落ち

こんな感じで過ぎていったものだった。

 

私は、最初の頃のイベント(?)である「布団むし」や「枕ぶつけ」のようなスポーツ(???)よりも、静かな環境の中でのミステリアスな怪談話大会や、さらに人数が絞られた中でのナイショ話大会のほうが好きだった。

ある意味、それが修学旅行での一番の楽しみだった。

 

とかく修学旅行の夜は、部屋で怪談話大会をやった方は多いのではないかと思うが、中学の時に京都に修学旅行に行った時には少し驚いた。

京都の宿に泊まった時も怪談話になり、その時は、その日私らが泊まっている宿を題材にした「怖い話」で盛り上がった。

誰が言い出したのか、その宿には幽霊が出るという展開になったのだ。

怖がりはしたものの、その場限りのフィクションでしかないということは誰もが感じたのではないか。

 

ところが

 

だいぶ後になって・・・その宿のことを調べてみたところ・・

 

その宿には昔から今まで、心霊談が絶えない・・・ということだった。

 

デマから出た真か、それとも私が修学旅行で行った時に誰かが実際に見て、それが大げさに広まったのか、あるいは単なるデマにしか過ぎないのか。

それは分からない・・・。

 

さて。

色々書いてきたが・・・

修学旅行の夜、部屋での怪談話大会・・・・あなたは、やらなかっただろうか?

けっこう「つきもの」だとは思うのだが(笑)。

 

あなたの修学旅行の夜は、どんな感じで時間が過ぎていっただろうか。

たとえば、恋愛談議とか、異性の評判談義。これも盛り上がること、うけあいだよね(笑)。

 

 

 

 

 

P.S. 写真素材は、以下のリンク先からです。

http://kyoto-design.jp/photo


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