皆さんご存知のように、今は何種類もの家庭用ゲーム機が存在している。
巷では今は、家庭用ゲーム機でゲームを遊ぶよりもスマホなどのアプリのゲームをやる人の方が多いようではある。
だがそれらのアプリにしたって、初代ファミコンを初めとする家庭用ゲーム機がゲーム業界を成長させてきた恩恵は受けているはず。ゲームの浸透、ゲーム人口を増やしたという意味でも。
私は今でこそあまり家庭用ゲーム機は遊ばなくなってしまっているが、プレステ2ぐらいまでは、随分遊んでいた。
特にファミコン、スーファミ、プレステ1までは。
私はプレステ3までは持っているが、残念ながらプレステ3で遊んだゲームは「ぼくのなつやすみ3」だけだった。
ドラクエなどの新作がプレステ3で出てくれていれば、もっとプレステ3で遊んだとは思うが、現状では「ぼくなつ3」を遊ぶためだけにプレステ3を買ったような結果にはなっている。
プレステ1までは、散々色んなゲームで遊んだ。1作クリアすればすぐ次に別のゲームを遊んでいた。私が好きだったのは、RPG,シミュレーション、アドベンチャー、などのジャンル。
今回取りあげる「スウィートホーム」は、一応RPGのジャンルに入る作品だ。
だが、この作品は通常のRPGとは一味も二味も違う。
このゲームが出た後も、多数のゲームが出たが、今思い出しても、このゲームは異色だ。
今遊んだとしても、異彩を放っているように感じるだろう。
あらかじめ言ってしまうが、これは大傑作である。ゲーム史上に残る名作の1本だと思う。
私はゲームを遊んでいて、「怖い」と思ったのは、このゲームが初めてだった。
このゲームが出てしばらくしてから出た、サウンドノベルというジャンルのゲーム「弟切草」「かまいたちの夜」などでも、それなりに怖さはあった。だが、それ以前に遊んだこの「スウィートホーム」は、大いなる免疫になったと言える。
サウンドノベルというジャンルのゲームは、基本的に小説を読んでいくような感覚だから、ホラー小説やサスペンス小説を読んでると思えば、怖さを感じるのは自然でもあった。
だが、「スウィートホーム」はRPGというスタイルでありながら、しかも、初期のファミコンという、今となっては画の粗さや容量に限りがあるゲーム機でありながら、その演出方法や、音楽やシステム、ストーリー、全体の雰囲気などで、怖さを感じた。
夜中に1人で遊んでいると、トイレにあまり行きたくなくなるような怖さがあった。
そんな気にさせられるゲームなんて、それまでなかった。たかがゲームで、怖くなるなんて。
なにしろ、ゲームシステムがシビア。
登場人物は5人いるが、このゲームは、登場人物5人のうち何人が無事に屋敷から出てこれるか・・という設定だった。何人無事に洋館から脱出できたか・・によって、流れるエンディングは変わったようだ。
この屋敷・・間宮家の洋館は、さながらお化け屋敷みたいな存在だった。
他の普通のRPGである、たとえば「ドラクエ」などは、仲間や主人公が死んでしまっても、生き返る。
だが、この「スウィートホーム」では、死んだ仲間は二度と生き返らない。なので、1人でも仲間が死ぬと、人数は減り、冒険(探索?)は不利になっていく。
人数が少ない分、敵キャラに対する攻撃量も減るし、持てるアイテムの量にも影響はでたのではないか。
RPGらしく、キャラはレベルアップもする。だが、体力の回復は、アイテムである「くすり」でしか回復ができない。
しかも、その体力回復アイテム「くすり」は、入手できる数が決まっている。貴重品なのだ。だから通常のRPGのように、少し戦っては宿に泊って体力を回復させ、強く育てていく・・・というスタイルはとれない。
体力回復のための「宿」みたいな場所は存在しない。
だから、ゲーム内で入手できる数が決まっている「くすり」は無駄使いが出来ないのだ。レベルアップしたからといって、安易にくすりを使うわけにもいかなかった。
また、敵とのバトルでは「こころの力」というものを使うことがあった。この「こころの力」は、ゲージが動きだし、そのゲージをプレイヤーが止めた時に示された「ゲージの振り幅」の大小によって、敵に対する与ダメージが異なった。
ある程度はレベル上げも必要だが、宿みたいな回復ポイントがない以上、極力無駄なバトルは避けながら進んでいかねばならない。だが、進んでいくためには、2パーティをそれぞれ分離して、時にはパズルを解くように、手持ちのアイテムをうまく使ったり、家の謎を解いたりしていかないと、進んでいけない。
出てくるザコ敵は、私の覚えている範囲では、いかにもお化け屋敷にいそうな敵だった印象があった。
ウジ虫の大群、呪いの人形、ポルターガイストによって飛ばされてくる家具、どくろなどなど。
家具が飛んできた場合は、どっち方向によけるかを即座に決めてよけねばならない。
洋館の中はおどろおどろしく、いかにも何かが出そうな雰囲気でいっぱいだった。トラップもあった。
洋館の外では、・・私の記憶はおぼろげだが、いなびかりが絶えず光っていたように思う。
これらだけでもかなり妖しく不気味な雰囲気だが、その不気味さを大幅に盛り上げているのが、家全体の雰囲気もさることながら、秀逸なBGMだった。
このBGMを聴いてるだけで、十分不気味。
最近ユーチューブで、このゲームの実況映像を改めて見てみたのだが、今聴くとチープなファミコン音源の音質ではあるが、そのサウンド効果からくる不気味さは、今聴いても十分である。ともかくよくできている。
RPGでは、憩いの場所というものが普通あるものだ。
例えばドラクエなどでも、フィールドやダンジョンを進んでいく時は魔物だらけでも、例えば町や村の中に入れば、イベントがらみでない限り、平和である。町や村、宿の中は憩いの場所であり、プレイヤーはそこで一息つける。
だが、「スウィートホーム」には、そんな「憩いの場所」みたいなエリアはない。
耐えず、重苦しいBGMが流れる中、しかも死人がでないように、ひとつひとつ謎を解きながら、間宮家の中を探索しつづけることになる。緊張感は途切れない。なので、けっこう疲れると言えば疲れる。だがそれ以上に先は気になった。
このゲームをプレイしている頃、続きが気になって、面白くて夜中までやめられなくなることはよくあった。
当時私は1人暮らしをしており、しかもトイレは暗い廊下を歩いていけねばならなかった。
夜中にこのゲームを1人でやってると、トイレに行くのが少し怖くなるわ、緊張感は続きっぱなしだわ・・になるので、ある時試しに、ゲームの音を消し、代わりにお気に入りのCDをかけながらプレイしたことがあった。反則技だけどね。
すると、BGMが違うだけでも、けっこうゲーム中に醸しだされる緊張感は緩和され、怖さは弱まった状態でプレイ続行できた。まあ、当たり前だけど(笑)。
それだけでもだいぶ違った。それほど、このゲームにおけるBGMの効果による怖さの演出は半端ない・・ということを実感したものだった。
とはいえ、このBGMが、この名作ゲームを名作たらしめている重要な要素の一つなので、なるべくBGMは消さないで遊ぶほうがいいことは言うまでもない。まあ、私がそんなこと言っても説得力が薄いかもしれないが(笑)。
ちなみにその方法は、2回くらいやっただけだった。やはり、あのBGMによる演出がないと。
先ほど、このゲームはシビアだと書いたが、そのシビアさは、ゲームのコマンドに「ギブアップ」という選択肢があることにも現れている。
マイキャラ5人のうち、数人が死に、冒険の続行がしんどくなった場合、ギブアップ・・・つまり「あきらめる」を選べば、ゲームの最初からやりなおしが出来るのだろう。
そう、最初から。
ちなみに私はギブアップはしなかったので、そのへんは何とも言えないが、多分そういうシステムだったんだと思う。
ギブアップしてしまうと、その時それまでにやったプレイの記録はなくなるし、それまでにやった探索や冒険は無駄にはなってしまうことになる。
だが、それまでに遊んだ内容で、プレイヤー自身に経験値はできているので、前回よりもうまく立ち回って、謎もすんなり解いてリプレイができることにもなるので、まったくの無駄ではないとは思うが。
ともあれ「ギブアップ」という選択肢があるだけでも、このゲームのシビアさはよく出ていると思う。普通のRPGだったら、一度クリアした後に、お楽しみで最初からやりなおすことはあっても、1つの冒険をギブアップして途中で挫折してあきらめて、最初からやりなおすということは、普通のRPGには中々ないと思うから。
ともかく、私がゲームにハマるようになって、初めて「プレイしていて、怖くなる」ゲームではあった。こんなゲームそれまでになかった。
ネットなどで、このゲームのユーザーの評価を読んでみると、非常に今でも評価が高い。
甘さのないシビアなゲームゆえ、難易度は高いとされている。
難易度が高いとはいっても、意地悪な難解さではない。
なんでも、このゲームは、後に世界中で大人気シリーズとなったゲーム「バイオハザード」につながったらしい。
このゲームのスタッフが、このゲームで培ったノウハウで、「バイオハザード」の開発に参加したらしい。
どうりで、グレードが高いわけだ。
なんでも、権利関係などの問題で、この「スウィートホーム」はリメイクが難しいらしい。
もしそういう問題がなければ、きっと続編も作られたことだろう。
そういう意味じゃ、続編もリメークも作れない状況が、残念ではある。
埋もれさせておくのがもったいない名作ではある。
ちなみに、このゲームは伊丹十三さんの映画「スウィートホーム」とは同名の別の作品・・ということではなく、題材は同じである。
映画のほうもホラー映画であった。
だが、これはゲームはゲームとして楽しめる名作である。
たとえ映画を見ていなかったとしても。
ホラーファンで、しかもゲームもお好きな方なら、ぜひ一度プレイしてもらいたい傑作作品・・・それが「スウィートホーム」だ。
ゲーム史上に残る作品。
もう一度観ようにも公開後、監督と伊丹氏が何か揉めたようで、
未だビデオ化もDVD化もされていません。
なんだかだんぞうさんの解説にも力が入っているようで、面白いゲームだったんでしょうね。
wikiを見るとRPGにアクションの要素が加わった、とありました。
私は本当に数えるほどしかゲームをやってません。
ドラクエもⅦまで、あとは上海などのパズルゲームを少しと、
テトリスなどの初期の落ちものを少し…
スーパーマリオは全くはまりませんでしたし、強制スクロールのシューティングなんて
ほぼお手上げでした。
アクションの要素が入ってるゲームはとにかく苦手でした。
以前懐かしい人気ソフトが入ったファミコンが出た時、どうしようかな〜って思ってるうちに
先日、同様の仕様で小さいスーファミが出てました。
現在の実写と見紛うばかりのグラフィックのゲームに比べて
ドットが粗くても、音楽がピコピコの電子音でも、
味のあるゲームが多いような気がします。
あ、ところでドラクエ11はいかがでした?
映画版を凌駕した出来とまで評されてます。ユーチューブでは、このゲームのリプレイ動画がいくつもあります。
機会があれば、ご覧になってください。
今見ても不気味です。ただ、怖いだけでなく、面白いのです。
さすが、バイオハザードの元になった作品です。
効果音や、BGMの怖さは、開発者の異常なこだわりを感じます。
ちなみに横スクロールのアクションゲームは私も苦手でした、、、。
ドラクエ11は、親切設計で、やはり安心して楽しめました。さすがでした。