時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

遊んでて、初めて怖さを感じたゲーム「スウィート・ホーム」(追憶のゲームソフトシリーズ 6)

2017年10月08日 | 懐かしい系、あれこれ

皆さんご存知のように、今は何種類もの家庭用ゲーム機が存在している。

巷では今は、家庭用ゲーム機でゲームを遊ぶよりもスマホなどのアプリのゲームをやる人の方が多いようではある。

だがそれらのアプリにしたって、初代ファミコンを初めとする家庭用ゲーム機がゲーム業界を成長させてきた恩恵は受けているはず。ゲームの浸透、ゲーム人口を増やしたという意味でも。

 

私は今でこそあまり家庭用ゲーム機は遊ばなくなってしまっているが、プレステ2ぐらいまでは、随分遊んでいた。

特にファミコン、スーファミ、プレステ1までは。

私はプレステ3までは持っているが、残念ながらプレステ3で遊んだゲームは「ぼくのなつやすみ3」だけだった。

ドラクエなどの新作がプレステ3で出てくれていれば、もっとプレステ3で遊んだとは思うが、現状では「ぼくなつ3」を遊ぶためだけにプレステ3を買ったような結果にはなっている。

 

プレステ1までは、散々色んなゲームで遊んだ。1作クリアすればすぐ次に別のゲームを遊んでいた。私が好きだったのは、RPG,シミュレーション、アドベンチャー、などのジャンル。

今回取りあげる「スウィートホーム」は、一応RPGのジャンルに入る作品だ。

だが、この作品は通常のRPGとは一味も二味も違う。

このゲームが出た後も、多数のゲームが出たが、今思い出しても、このゲームは異色だ。

今遊んだとしても、異彩を放っているように感じるだろう。

あらかじめ言ってしまうが、これは大傑作である。ゲーム史上に残る名作の1本だと思う。

 

私はゲームを遊んでいて、「怖い」と思ったのは、このゲームが初めてだった。

このゲームが出てしばらくしてから出た、サウンドノベルというジャンルのゲーム「弟切草」「かまいたちの夜」などでも、それなりに怖さはあった。だが、それ以前に遊んだこの「スウィートホーム」は、大いなる免疫になったと言える。

サウンドノベルというジャンルのゲームは、基本的に小説を読んでいくような感覚だから、ホラー小説やサスペンス小説を読んでると思えば、怖さを感じるのは自然でもあった。

 

だが、「スウィートホーム」はRPGというスタイルでありながら、しかも、初期のファミコンという、今となっては画の粗さや容量に限りがあるゲーム機でありながら、その演出方法や、音楽やシステム、ストーリー、全体の雰囲気などで、怖さを感じた。

夜中に1人で遊んでいると、トイレにあまり行きたくなくなるような怖さがあった。

そんな気にさせられるゲームなんて、それまでなかった。たかがゲームで、怖くなるなんて。

 

なにしろ、ゲームシステムがシビア。

登場人物は5人いるが、このゲームは、登場人物5人のうち何人が無事に屋敷から出てこれるか・・という設定だった。何人無事に洋館から脱出できたか・・によって、流れるエンディングは変わったようだ。

この屋敷・・間宮家の洋館は、さながらお化け屋敷みたいな存在だった。

 

他の普通のRPGである、たとえば「ドラクエ」などは、仲間や主人公が死んでしまっても、生き返る。

だが、この「スウィートホーム」では、死んだ仲間は二度と生き返らない。なので、1人でも仲間が死ぬと、人数は減り、冒険(探索?)は不利になっていく。

人数が少ない分、敵キャラに対する攻撃量も減るし、持てるアイテムの量にも影響はでたのではないか。

 

RPGらしく、キャラはレベルアップもする。だが、体力の回復は、アイテムである「くすり」でしか回復ができない。

しかも、その体力回復アイテム「くすり」は、入手できる数が決まっている。貴重品なのだ。だから通常のRPGのように、少し戦っては宿に泊って体力を回復させ、強く育てていく・・・というスタイルはとれない。

体力回復のための「宿」みたいな場所は存在しない。

だから、ゲーム内で入手できる数が決まっている「くすり」は無駄使いが出来ないのだ。レベルアップしたからといって、安易にくすりを使うわけにもいかなかった。

 

また、敵とのバトルでは「こころの力」というものを使うことがあった。この「こころの力」は、ゲージが動きだし、そのゲージをプレイヤーが止めた時に示された「ゲージの振り幅」の大小によって、敵に対する与ダメージが異なった。

 

ある程度はレベル上げも必要だが、宿みたいな回復ポイントがない以上、極力無駄なバトルは避けながら進んでいかねばならない。だが、進んでいくためには、2パーティをそれぞれ分離して、時にはパズルを解くように、手持ちのアイテムをうまく使ったり、家の謎を解いたりしていかないと、進んでいけない。

 

出てくるザコ敵は、私の覚えている範囲では、いかにもお化け屋敷にいそうな敵だった印象があった。

ウジ虫の大群、呪いの人形、ポルターガイストによって飛ばされてくる家具、どくろなどなど。

家具が飛んできた場合は、どっち方向によけるかを即座に決めてよけねばならない。

 

洋館の中はおどろおどろしく、いかにも何かが出そうな雰囲気でいっぱいだった。トラップもあった。

洋館の外では、・・私の記憶はおぼろげだが、いなびかりが絶えず光っていたように思う。

 

これらだけでもかなり妖しく不気味な雰囲気だが、その不気味さを大幅に盛り上げているのが、家全体の雰囲気もさることながら、秀逸なBGMだった。

このBGMを聴いてるだけで、十分不気味。

最近ユーチューブで、このゲームの実況映像を改めて見てみたのだが、今聴くとチープなファミコン音源の音質ではあるが、そのサウンド効果からくる不気味さは、今聴いても十分である。ともかくよくできている。

 

RPGでは、憩いの場所というものが普通あるものだ。

例えばドラクエなどでも、フィールドやダンジョンを進んでいく時は魔物だらけでも、例えば町や村の中に入れば、イベントがらみでない限り、平和である。町や村、宿の中は憩いの場所であり、プレイヤーはそこで一息つける。

 

だが、「スウィートホーム」には、そんな「憩いの場所」みたいなエリアはない。

耐えず、重苦しいBGMが流れる中、しかも死人がでないように、ひとつひとつ謎を解きながら、間宮家の中を探索しつづけることになる。緊張感は途切れない。なので、けっこう疲れると言えば疲れる。だがそれ以上に先は気になった。

 

このゲームをプレイしている頃、続きが気になって、面白くて夜中までやめられなくなることはよくあった。

当時私は1人暮らしをしており、しかもトイレは暗い廊下を歩いていけねばならなかった。

夜中にこのゲームを1人でやってると、トイレに行くのが少し怖くなるわ、緊張感は続きっぱなしだわ・・になるので、ある時試しに、ゲームの音を消し、代わりにお気に入りのCDをかけながらプレイしたことがあった。反則技だけどね。

すると、BGMが違うだけでも、けっこうゲーム中に醸しだされる緊張感は緩和され、怖さは弱まった状態でプレイ続行できた。まあ、当たり前だけど(笑)。

 

それだけでもだいぶ違った。それほど、このゲームにおけるBGMの効果による怖さの演出は半端ない・・ということを実感したものだった。

とはいえ、このBGMが、この名作ゲームを名作たらしめている重要な要素の一つなので、なるべくBGMは消さないで遊ぶほうがいいことは言うまでもない。まあ、私がそんなこと言っても説得力が薄いかもしれないが(笑)。

ちなみにその方法は、2回くらいやっただけだった。やはり、あのBGMによる演出がないと。

 

先ほど、このゲームはシビアだと書いたが、そのシビアさは、ゲームのコマンドに「ギブアップ」という選択肢があることにも現れている。

マイキャラ5人のうち、数人が死に、冒険の続行がしんどくなった場合、ギブアップ・・・つまり「あきらめる」を選べば、ゲームの最初からやりなおしが出来るのだろう。

そう、最初から。

ちなみに私はギブアップはしなかったので、そのへんは何とも言えないが、多分そういうシステムだったんだと思う。

ギブアップしてしまうと、その時それまでにやったプレイの記録はなくなるし、それまでにやった探索や冒険は無駄にはなってしまうことになる。

 

だが、それまでに遊んだ内容で、プレイヤー自身に経験値はできているので、前回よりもうまく立ち回って、謎もすんなり解いてリプレイができることにもなるので、まったくの無駄ではないとは思うが。

 

ともあれ「ギブアップ」という選択肢があるだけでも、このゲームのシビアさはよく出ていると思う。普通のRPGだったら、一度クリアした後に、お楽しみで最初からやりなおすことはあっても、1つの冒険をギブアップして途中で挫折してあきらめて、最初からやりなおすということは、普通のRPGには中々ないと思うから。

 

ともかく、私がゲームにハマるようになって、初めて「プレイしていて、怖くなる」ゲームではあった。こんなゲームそれまでになかった。

ネットなどで、このゲームのユーザーの評価を読んでみると、非常に今でも評価が高い。

甘さのないシビアなゲームゆえ、難易度は高いとされている。

難易度が高いとはいっても、意地悪な難解さではない。

 

なんでも、このゲームは、後に世界中で大人気シリーズとなったゲーム「バイオハザード」につながったらしい。

このゲームのスタッフが、このゲームで培ったノウハウで、「バイオハザード」の開発に参加したらしい。

 

どうりで、グレードが高いわけだ。

 

なんでも、権利関係などの問題で、この「スウィートホーム」はリメイクが難しいらしい。

もしそういう問題がなければ、きっと続編も作られたことだろう。

そういう意味じゃ、続編もリメークも作れない状況が、残念ではある。

 

埋もれさせておくのがもったいない名作ではある。

 

ちなみに、このゲームは伊丹十三さんの映画「スウィートホーム」とは同名の別の作品・・ということではなく、題材は同じである。

映画のほうもホラー映画であった。

 

だが、これはゲームはゲームとして楽しめる名作である。

たとえ映画を見ていなかったとしても。

 

ホラーファンで、しかもゲームもお好きな方なら、ぜひ一度プレイしてもらいたい傑作作品・・・それが「スウィートホーム」だ。

ゲーム史上に残る作品。

 


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「関ジャム」が面白い! | トップ | 卓上扇風機、危機一髪! »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (捨丸)
2017-10-09 21:07:50
伊丹十三氏が関わってた事で映画は観た憶えはあるんですが、あまり印象に残ってません。
もう一度観ようにも公開後、監督と伊丹氏が何か揉めたようで、
未だビデオ化もDVD化もされていません。

なんだかだんぞうさんの解説にも力が入っているようで、面白いゲームだったんでしょうね。
wikiを見るとRPGにアクションの要素が加わった、とありました。
私は本当に数えるほどしかゲームをやってません。
ドラクエもⅦまで、あとは上海などのパズルゲームを少しと、
テトリスなどの初期の落ちものを少し…
スーパーマリオは全くはまりませんでしたし、強制スクロールのシューティングなんて
ほぼお手上げでした。
アクションの要素が入ってるゲームはとにかく苦手でした。

以前懐かしい人気ソフトが入ったファミコンが出た時、どうしようかな〜って思ってるうちに
先日、同様の仕様で小さいスーファミが出てました。

現在の実写と見紛うばかりのグラフィックのゲームに比べて
ドットが粗くても、音楽がピコピコの電子音でも、
味のあるゲームが多いような気がします。

あ、ところでドラクエ11はいかがでした?
返信する
Unknown (だんぞう)
2017-10-09 21:57:41
このゲームは、辛口なゲーマーからも絶賛された作品で、ゲーム史上に残る傑作です。
映画版を凌駕した出来とまで評されてます。ユーチューブでは、このゲームのリプレイ動画がいくつもあります。
機会があれば、ご覧になってください。
今見ても不気味です。ただ、怖いだけでなく、面白いのです。
さすが、バイオハザードの元になった作品です。

効果音や、BGMの怖さは、開発者の異常なこだわりを感じます。

ちなみに横スクロールのアクションゲームは私も苦手でした、、、。

ドラクエ11は、親切設計で、やはり安心して楽しめました。さすがでした。
返信する

コメントを投稿

懐かしい系、あれこれ」カテゴリの最新記事