海のように 空のように・・・

自分の趣味や、日常での感じたことを思いのままに留めてゆきたい。
ついでにお気に入りのアーティスト情報なども・・・

天使と悪魔 

2008-11-09 20:22:24 | ユウ
次の日,私はお母さんに出かけることを告げ、昼の2時ぐらいに家を出た。
そして待ち合わせ場所の「羽の生えた猫」という銅像の前に着いた。
 アポロン「ふむ、そなたの友人はまだ来てないようだな。」
 ソラ「待ち合わせ時間は2時30分だからまだ12分早い・・・・ってなんでアポロンがいるの!?」
 アポロン「いつダークマインドがいても対処できるようにだ、それに人間の世界も見物したいしな。」
 ソラ「でもアポロンの姿なんて見たら二人とも・・・!」
 アポロン「そなた失礼だな・・・それに天使同様、我の姿も人には見えないから安心しろ。」
 ソラ「まあ・・、それならいいけど、そういえば前から思ってたんだけど、この銅像ってアポロンに似てない?」
 アポロン「そなた本当に失礼なやつだな、この者と我のどこに共通点があるのだ。」
 ソラ「えーっと、まず尻尾、口、体の形・・・・・・」
そっくりな部分を挙げているところで紗江が来た。
 紗江「ソラー、早いね、まだあと8分あるよ?」
 ソラ「あっ、紗江、おとといはありがとねー、クッキーすごくおいしかったよ。」
 紗江「本当?よかった、そういえばさっき1人でぶつぶつ言ってたけど・・・?」
 ソラ「へっ?あっ・・、ああ!気にしないで!」
変な動物と話してた、なんて言えないし。
 アポロン「ほう、この者が紗江か、ずいぶん落ち着いた感じだな。」
確かに紗江は茶道部に入っているせいか、おとなしい感じではある。
でも料理は得意だし、勉強もかなりできるし、小柄で可愛いので男子のうけも良い。
 ルミ「わ~、4分遅れだ!2人ともごめんね~。」
少し遅れてルミが来た、ずいぶんと気合の入った格好だ。
 紗江「すごいねルミ、今日こそは・・・、ってこと?」
 ルミ「そう、今日こそは私の運命の人を見つけるの!」
 ソラ「ルミ・・・わざわざ買い物のときに見つけなくても、学校でみつければ・・・・。」
 ルミ「何言ってんの、学校じゃおしゃれできないでしょ、・・あっ!あたしがあげたアクセつけてくれてる~!似合ってるよ!」
アクセとはアクセサリーのことだ。
ルミはアクセサリーや服装のことにはすごく詳しい。
だから自分が身につける物も、相手にプレゼントした物も、必ずその人に合っている。
 アポロン「・・・・おぬしら、まったく違うタイプなのだな・・・。」
考えてみればたしかに私たちは全然性格がちがう。
けれども、仲が良ければそれでいいと思う、当たり前か。
 ルミ「ねえねえ、あっちに新しいお店出たんだって、いってみよ?」
 紗江「それって何屋さん?」
 ルミ「服屋さん!新しい服、買いたいの!」
 ソラ「また買うの?先週も買ってたじゃん。」
 ルミ「いいの!さっ、行こう!」
ルミはどこからそんなお金がでているんだろう・・・・・・。
ルミにつれられてきたお店はけっこう新しくてきれいな店だった・・・・が。
 紗江「閉まってるみたいね・・・・。」
 ソラ「閉まってるね。」
 ルミ「なんで~!?」
 ソラ「SPECIAL・CLOTHES、特別な服か・・・、なんかうさんくさいね。」
 紗江「そうだね、中に服はあるけど、店員さんいないし・・・。」
 ルミ「なんでなんで~!?今日は休みじゃないはずなのに~!」
 紗江「閉まっているんじゃ仕方ないよ、ほかの所に行こ。」
 ルミ「まって、だれか中で話してる!」
ルミがそう言うので私も聞き耳を立ててみる。
 「ま・・くだ・・い・・なしがちが・・な・・すか!・・・」
 「だま・・もうきま・・・ことな・・だ!・・・」
 ソラ「あんまり聞こえない・・・。」
 紗江「2人ともなにやってるの、そんなことしても中には入れないわよ。」
 ルミ「そうだね、なんかあたし盗み聞きしてる気分になった。」
実際、店側からしたら盗み聞きしたことになるのかも。
 ソラ「じゃあ、どこ行く?」
 ルミ「とりあえずその辺歩いてようよ、もしかしたらすてきなヒトがいるかも!」
 紗江「もし、いたとしてもどうするの?」
 ルミ「わざと肩にぶつかる、そしたらすてきなヒトがこう言うの、おじょうさん、大丈夫ですか?ハンカチ落としましたよ・・・みたいな?きゃ~!!」
 ソラ「ルミ・・・・ロマンチストすぎ・・・・・・・・・。」
紗江も私と同じように少しあきれ気味で聞いていた。
その後、紗江の提案でデパート内にあるお茶の葉の専門店に来た。
 ルミ「ねえ紗江・・・、こんなの買うの・・・・・?」
 ソラ「わっ、ゴーヤ茶だって、にがそ~。」
私とルミが微妙な顔をしている中、紗江は目をかがやかせてお茶の葉を選んでいる。
 紗江「やっぱり抹茶が・・・、いや、でも煎茶が不足しているし今日は・・。」
 ルミ「紗江~、こんなの見てて楽しい~?」
 紗江「楽しいよ、ルミが服やアクセサリーを見ているのと同じだよ。」
ルミは少し考えてから、なるほど、と納得するようにうなずいた。
紗江は煎茶と玉露を買って、満足そうな笑みを浮かべている。
ルミ「ねえねえ、本屋行かない?[あいどる]もう今月号出てるし。」
[あいどる]とはルミが愛読している少女漫画が載っている月刊誌だ。
私もルミに見せてもらったことがあるけど・・・まあ、普通の少女漫画だ。
 紗江「服が買いたかったんじゃないの?」
 ルミ「もういい!服はまた今度!今は[消えない恋]の続きが気になるの!」
それは私も少し気になっている。
 ソラ「じゃあ行こうか、さっき、ルミ何にも買えなかったんだし。」
 紗江「まあ、そうだね、私も小説が買いたいし。」
やっと3人の意見が一致して目的の場所に行くことになった。
ルミと私は割り勘で[あいどる]を買った。
紗江はファンタジー系が好きなので、そういうのを買うと思っていたけど、意外にも[探偵K-凶器に隠れた思い]という推理小説を選んでいた。
 ソラ「あれ、推理小説?めずらしいね。」
 紗江「えっ!?あっ・・・うん、ちょっと興味あるかなって。」
 ルミ「紗江~、たまには恋愛小説もよんだら~?女の子はそういうの読んどかないとだめだよ~?」
「そういうもんなの?」と私と紗江は首をかしげた。
 紗江「あっ、もう4時半だ、門限過ぎちゃう!」
 ルミ「えっ、もうそんな時間?早いな~。」
 ソラ「そろそろ帰ろっか、ルミ~、明日[あいどる]読ませてね!」
 ルミ「うんわかった~、じゃあね~2人とも~。」
ルミは急いで帰っていった。
 紗江「じゃあ私も帰らなきゃ、また明日ねソラ。」
紗江も自分の帰り道を走っていった、私も家に帰ろうと振り向いた次の瞬間、
目の前にはすっかり忘れられていたアポロンがいた、そして・・・・・・
 アポロン「ソラ、仕事だ。」

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