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ジミー・グリーンスプーン

2024-12-06 13:53:13 | keyboard

ジミー・グリーンスプーン Jimmy Greenspoon


 【出生名】
   ジェームス・ボイド・グリーンスプーン/James Boyd Greenspoon

 【パート】

   ピアノ、キーボード、ヴォーカル

 【生没年月日】
   1948年2月7日~2015年3月11日(67歳没)

 【出生地】
   アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス

 【経 歴】
   ザ・ニュー・ディメンションズ/The New (1964~  )
   スーパーバンド/Superband(1966~  )
   スリー・ドッグ・ナイト/Three Dog Night(1968~1976、1981~2015)


 ジム・グリーンスプーンは、スリー・ドッグ・ナイトの鍵盤奏者であり、創設メンバーのひとりである。

 グリーンスプーンはカリフォルニア州ロサンゼルスで生まれ、同州ビヴァリー・ヒルズで育った。
 母は無声映画時代の女優で、バスター・キートンの映画などに出演した女優のメアリー・オブライエン。叔母のバージニア・オブライエンも女優である。
 7歳の時に、母の勧めでクラシック・ピアノのレッスンを始める。
 ビヴァリー・ヒルズ高校では、幼馴染でのちプロデューサーとなるマイケル・ロイド、ドラマー兼歌手のアート・ガイとは同窓生で、学年は違えどともに同じ高校に通った間柄だった。ちなみに、のち名優として名を馳せるリチャード・ドレイファスは高校の同級生である。

 1964年頃、グリーンスプーンはアート・ガイ(vocal, drums)、マイケル・ロイドとともに「ザ・ニュー・ディメンションズ」というバンドを結成する。グリーンスプーンとガイは、共同でオリジナル曲「Funny Feelin'」を作り、ふたりで演奏、ヴォーカルを務め、これを録音したのち、「オリジナル・サウンズ・レコード」と契約した。
 グリーンスプーンはその後ロサンゼルス音楽院に通い、西海岸のピアノ教師ハリー・フィールズに師事した。

 1966年後半、グリーンスプーンは「ウェスト・コースト・ポップ・アート・エクスペリメンタル・バンド」のメンバーとともにコロラド州デンヴァーに移り、「スーパーバンド」というグループを結成した。

 グリーンスプーンは1968年にロサンゼルスに戻り、そこでヴォーカル・グループ「レッドウッド」のダニー・ハットンと出会う。
 レッドウッドはブライアン・ウィルソンがプロデュースを担当していた関係で、ビーチ・ボーイズのレーベル「ブラザー・レコード」との契約を目指していたが、それは実現しなかった。そこで彼らはミュージシャン4人を加え、バンド編成として再出発しようと考えた。グリーンスプーンは、ハットンとの繋がりからこのバンドに参加することになった。
 このバンドのメンバーは、レッドウッドの3人(ダニー・ハットン、コリー・ウェルズ、チャック・ネグロン)とグリーンスプーン(keyboard)のほか、ロン・モーガン(guitar すぐにマイケル・オールサップと交替する)、フロイド・スニード(drums)、ジョー・シェルミー(bass)である。
バンドは「スリー・ドッグ・ナイト」と名付けられた。

 グリーンスプーンはスリー・ドッグ・ナイトのメンバーのうち、コリー・ウェルズに次いで長くバンドに在籍した。グリーンスプーンは2015年に亡くなるまで、スリー・ドッグ・ナイトが活動していたすべての期間(1968~1976, 1981~2015)バンドに在籍し、病気治療に専念していた2015年を除く43年のあいだバンドのキーボーディストとして演奏し続けた。



 ダンヒル・レコードと契約したスリー・ドッグ・ナイトは、1968年10月にデビュー・アルバム「ワン」を発表。
 1969年には、4月にリリースした3枚目のシングル「ワン」に火がつき、ビルボード最高5位のヒットを記録した。するとそれに引っ張られるようにアルバム「ワン」も売り上げを伸ばし、最終的にビルボードのアルバム・チャートで最高11位まで上昇、バンドは大ブレイクを果たした。

 その後1970年に「ママ・トールド・ミー」(バンド初のミリオン・セラー)、1971年に「喜びの世界」、1972年に「ブラック・アンド・ホワイト」がシングル・チャート1位となり、バンドは押しも押されぬ人気バンドにのし上がった。

 1973年後半、スキップ・コンテがキーボード奏者として加入、バンドはツイン・キーボードの8人編成となる。
 1974年にはオリジナル・メンバーのオールサップとスニードが脱退し、それとともにバンドの絶頂期は終わりを告げる。

 1974年以降はメンバー・チェンジがひんぱんとなり、レコード・セールスも下降線をたどる一方であった。1975年にはヴォーカルの一角ハットンが深刻なドラッグへの依存を理由に脱退する。この年にはネグロンがコカイン不法所持の容疑で逮捕されており、この件がきっかけとなってバンド内の人間関係が悪化する
 1976年前半、コンテが脱退し、後任としてロン・ストッカートが加入。
 1976年7月26日、スリー・ドッグ・ナイトはロサンゼルスのグリーク劇場で公演を行い、これを最後に一旦解散した。

 スリー・ドッグ・ナイト解散後のグリーンスプーンはセッション・ミュージシャンなどとして活動を続けるが、1981年にスリー・ドッグ・ナイトの再結成に参加。メンバーは、ダニー・ハットン(vovcal)、コリー・ウェルズ(vocal)、チャック・ネグロン(vocal)、マイケル・オールサップ(guitar)、ジミー・グリーンスプーン(keyboard)、マイク・セイフリット(bass)、フロイド・スニード(drums)の7人編成であった。
 1984年後半から、グリーンスプーンは病気のため一時休養。この時に代役としてデヴィッド・ブルーフィールドがバンドに加わっている。
 1985年、ブルーフィールドに代わりリック・セラッテが加入したバンドはツアーを行うが、ツアーの後にセラッテは脱退し、グリーンスプーンが復帰した。

  グリーンスプーンはマリーウッド財団のエンターテイメントおよびメディア・コンサルタントも務めており、ロイド・レヴィンがプロデュースした映画「プレデター」(1987年)、「ダイ・ハード」(1988年)、「フィールド・オブ・ドリームス」(1989年)、「ヘルボーイ」(2004年)、「ユナイテッド93」(2006年)、「ウォッチメン」(2009年)にオリジナル音楽を提供している。
 2000年にはカリフォルニア州パームスプリングスの「ウォーク・オブ・スターズ」に、彼に捧げられたゴールデン・パーム・スターが置かれた。

 長年スリー・ドッグ・ナイトの一員として活動を続けていたグリーンスプーンであったが、
2014年10月に脳腫瘍の除去手術を受けるため入院することになり、エディー・リーゾナーが代役を務めることになった。
 手術によって腫瘍は取り除かれたが、その後の検査で肺や肝臓などに悪性の腫瘍が見つかった。グリーンスプーンはそのまま治療を続けていたが、2015年3月11日にメリーランド州ノース・ポトマックの自宅で転移性黒色腫のため67歳で死去した。
 グリーンスプーンの後任として、リーゾナーがそのままスリー・ドッグ・ナイトの正式にメンバーとなった。
 グリーンスプーンの死から約7ヵ月後の10月20日、結成時からのバンド・メイトであるコリー・ウェルズが、多発性骨髄腫のため74歳で死去した。

 グリーンスプーンはスリー・ドッグ・ナイトとしての活動のほかに、リンダ・ロンシュタット、エリック・クラプトン、ジミ・ヘンドリックス、アメリカ、ビーチ・ボーイズ、ベック・ボガート&アピス、ニルス・ロフグレン、ロウェル・ジョージ、ドノヴァン、バディ・マイルス、スティーブン・スティルス、ジェフ・ベック、クリス・ヒルマン、キム・フォーリー、スティーヴ・クロッパー、ドナルド・ダック・ダン、ハル・ブレイン、レオン・ラッセル、レッキング・クルー、ショーン・キャシディなどとレコーディングやステージをともにしている。




【ディスコグラフィ】(☆=ライヴ・アルバム ★=コンピレーションアルバム)

 <スリー・ドッグ・ナイト>
  1968年 ワン/Three Dog Night ※旧邦題「トライ・ア・リトル・テンダーネス スリー・ドッグ・ナイト登場」(US11位)
  1969年 融合/Suitable for Framing ※旧邦題「話題の新星 スリー・ドッグ・ナイト・セカンド」(US16位)
 ☆1969年 白熱のライヴ/Captured Live at the Forum(US6位)
  1970年 イット・エイント・イージー/It Ain't Easy(US8位)
  1970年 ナチュラリー/Naturally(US14位)
  1971年 ハーモニー/Harmony(US8位)
 ★1971年 ゴールデン・ビスケッツ〜スリー・ドッグ・ナイト・アーリー・ヒッツ/Golden Biscuits(US5位)
  1972年 セブン・セパレート・フールズ/Seven Separate Fools(US6位)
  1973年 サイアン/Cyan(US26位)
 ☆1973年 アラウンド・ザ・ワールド/Around the World with Three Dog Night(US18位)
  1974年 ハード・レイバー/Hard Labor(US20位)
  1974年 喜びの世界/Joy to the World : Their Greatest Hits(US15位)
  1975年 カミング・ダウン・ユア・ウェイ/Coming Down Your Way(US70位)
  1976年 アメリカ回顧録/American Pastime(US123位)
 ★1982年 The Best of 3 Dog Night
  1983年 It's a Jungle(US210位)
 ☆1988年 Three Dog Night : Live
 ★1993年 セレブレイト〜スリー・ドッグ・ナイト・ストーリー1965-1975/Celebrate : The Three Dog Night Story, 1965-1975
 ★1999年 20th Century Masters - The Millennium Collection : The Best of Three Dog Night(US109位)
  2002年 Three Dog Night with the London Symphony Orchestra
 ★2002年 ジョイ・トゥ・ザ・ワールド〜ベスト・オブ・スリー・ドッグ・ナイト/Joy to the World - The Best of Three Dog Night
 ★2004年 The Complete Hit Singles(US178位)
 ★2004年 35th Anniversary Hits Collection
 ☆2007年 Super Hits Live
 ☆2008年 Three Dog Night: Greatest Hits Live

 <参加アルバム>
  1968年 Outrageous キム・フォーリー/Kim Fowley
  1973年 ベック・ボガート&アピス/Beck Bogert & Appice ベック・ボガート&アピス(US12位, UK28位)
  1978年 Under Wraps ショーン・キャシディ/Shaun Cassidy(US33位)
  1979年 Thanks I'll Eat It Here ロウエル・ジョージ/Lowell Georg


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