ヴァイオリニストは楽器そのものの専門家ではありません。楽器を使う専門家ですが,楽器そのものの専門家は楽器屋さんであり,楽器製作者です。なので,本来私が言うべきことではないと思うのですが,楽器の専門家があまり言ってくれる訳でもなく,その割には,あまりに知られていない話が結構あるので,敢えて披露したいと思います。
弓には松脂というものをつけて音を出す訳ですが,これは,落としたら「割れます」。
と,笑いをとるつもりではないのです。実は,お子さんがしょっちゅう落として割ることをぼやく親御さんが結構いらっしゃいます。大人になると,さすがにあまり割らなくなる,という話をすると「ああ,まだまだ成長していないんだ」と思われるようですが,実は先日,私も落として,ひびがはいりました。なので,誰でも割ることはあると思うのです。まず,割ることに対しては寛容になっていただきたいのですが・・・。
私が割りかけたのはもう十数年使っているアルシェのアルミ缶にはいっているものです。これが当時開発されたばかりで音が一番良かったからです。これがあと3ミリ程度残っているのですが,これを大事に使うのは難しいです。
松脂が音に影響するしないは,とても気にする人と,ほとんど気にしない人といます。私自身は,全く気にしない方でした。そして一旦買うと10年くらい使うので,あれやこれや試すような性質のものでもないですから。
ところが,その10年に一度買う時になって,世の中にはいろいろあることを知る訳ですね。
気にする方で「昔のベルナーデルがとても良かった」とおっしゃる方が結構いらっしゃいます。その話を受けて「それでは,昔のベルナーデルの再現をしよう」というコンセプトで,アルシェは開発されたそうです。だから,それにならってアルミ缶が採用されているとのこと。
さて,昔のベルナーデルはどうやって作ったのか,何か記録が残っていた訳ではないようでした。それで,現存する松脂を分析すると,ベルナーデルはフランスの松で,ピラストロはドイツの松で,日本のクロネコ等は日本の松で作られたことが,まずわかったそうです。
よし,フランスの松だ,ということで,フランスの松から松脂をとるのですが,これを何度の温度に上げて溶かすのか,それをどのくらいの時間をかけて冷やすのか,というファクターから,同じ原材料から様々な松脂ができてしまったとのこと。1年ばかりの試行錯誤の末,全く使えない代物もできてしまった中,これだろう,というのが製品になっているようです。
その後,現行のベルナーデルが出ましたが,比較するとやはりちょっと違う質なので,私自身の好みからするとアルシェの方が弾きやすいです。
その後もギョームやアルシェの高級品も出ましたが,試していないので何とも言えません。前述の通り,気にしなければ全く気にならないのだけれど,今,ピラストロの松脂で弾きたいとは,やはり思わないですね。持っているので,たまに付けるのですけれど,あまり良い音には聞こえないです。
皆さんのお好みや如何に?
弓には松脂というものをつけて音を出す訳ですが,これは,落としたら「割れます」。
と,笑いをとるつもりではないのです。実は,お子さんがしょっちゅう落として割ることをぼやく親御さんが結構いらっしゃいます。大人になると,さすがにあまり割らなくなる,という話をすると「ああ,まだまだ成長していないんだ」と思われるようですが,実は先日,私も落として,ひびがはいりました。なので,誰でも割ることはあると思うのです。まず,割ることに対しては寛容になっていただきたいのですが・・・。
私が割りかけたのはもう十数年使っているアルシェのアルミ缶にはいっているものです。これが当時開発されたばかりで音が一番良かったからです。これがあと3ミリ程度残っているのですが,これを大事に使うのは難しいです。
松脂が音に影響するしないは,とても気にする人と,ほとんど気にしない人といます。私自身は,全く気にしない方でした。そして一旦買うと10年くらい使うので,あれやこれや試すような性質のものでもないですから。
ところが,その10年に一度買う時になって,世の中にはいろいろあることを知る訳ですね。
気にする方で「昔のベルナーデルがとても良かった」とおっしゃる方が結構いらっしゃいます。その話を受けて「それでは,昔のベルナーデルの再現をしよう」というコンセプトで,アルシェは開発されたそうです。だから,それにならってアルミ缶が採用されているとのこと。
さて,昔のベルナーデルはどうやって作ったのか,何か記録が残っていた訳ではないようでした。それで,現存する松脂を分析すると,ベルナーデルはフランスの松で,ピラストロはドイツの松で,日本のクロネコ等は日本の松で作られたことが,まずわかったそうです。
よし,フランスの松だ,ということで,フランスの松から松脂をとるのですが,これを何度の温度に上げて溶かすのか,それをどのくらいの時間をかけて冷やすのか,というファクターから,同じ原材料から様々な松脂ができてしまったとのこと。1年ばかりの試行錯誤の末,全く使えない代物もできてしまった中,これだろう,というのが製品になっているようです。
その後,現行のベルナーデルが出ましたが,比較するとやはりちょっと違う質なので,私自身の好みからするとアルシェの方が弾きやすいです。
その後もギョームやアルシェの高級品も出ましたが,試していないので何とも言えません。前述の通り,気にしなければ全く気にならないのだけれど,今,ピラストロの松脂で弾きたいとは,やはり思わないですね。持っているので,たまに付けるのですけれど,あまり良い音には聞こえないです。
皆さんのお好みや如何に?