20世紀に活躍したジャズ・ヴァイオリニストである。1970年代にユーディ・メニューインと共演したアルバムが発売になり,私も含めたクラシック音楽愛好家に一躍知られるところとなった。私もとても好きで,その録音は頻繁に聞いている。
そのソロ・パートを楽譜に書き起こした楽譜が出版された。付録CDが付いている。PLAY-ALONGというシリーズで,ソロ・パートが入った元の形と,ソロ・パートを抜いたカラオケ版(昔のマイナスワン)の両方が収録されている。楽譜の曲を聴くこともできれば,一緒に演奏も楽しめるという趣向である。
さすがに人気があるとみえて,輸入されてもすぐ売れてしまい,なかなか手に入らなかったのだが,やっとこの度手に入れた。
さっそく聴いてみた。私が愛聴していた曲も含まれ,結構ごきげん。
しかし,一体どうやって録音したのか,と楽譜をしげしげと眺める。
Violin - Jerry Loughney
そうか,この人が弾いていたんだ。ちょっと聴いただけではグラッペリと区別がつかない,すばらしいプレイだ。
では,という訳で,今度はCDに合わせて弾いてみたところ・・・
無茶苦茶難しい!
さらに解説をよく読むと,PCやMacではスピードを変えられますよ,などと書いてあった。なるほどね。
しかし,気軽にはとても弾けない。弾けるようになるにはかなり本格的な練習が必要だ。そして,弾けたとしてもカラオケとしては使えないこともわかった。なぜならば,どの曲もかなり長いギター・ソロが含まれていて,その間,こちらは立ちん坊になってしまうからだ。
おまけに,私のCDはミシン目の傷入りで,トラックによっては再生がうまくいかなかった。出版はハル・レナード社。採譜もやや雑なところがあるのは,例のビートルズと同じ(またか)。
ややがっかりしながら交換するものを取り寄せる手続きを取ったが,そうは言っても,なかなか興味深い楽譜とCDであることは間違いない。
Stephane Grappelli (Violin Play-Along) 価格:¥ 1,223(税込) 発売日:2010-12 |