かの有名なフランス民謡、と言いたいところだが、どの程度有名なのか最近はとんと心許ない。
フランス民謡らしい特徴が二つある。
一つは、速いテンポとゆっくりなテンポが交替するところ。
コクリコ (coquelicot)という民謡もある。「こきりこ」は富山県の民謡。コクリコ坂は宮崎アニメ。しかし、コクリコ坂はフランス語のコクリコ(ひなげし)に由来しているそうだ。ジョージ・チャキリスと「茶っきり節」のようでまぎらわしいなあ。
もう一つは、1拍目がどちらだかわかりにくいこと。
日本語で歌う時は、ほぼ「アビニョンの橋で・・・」を1拍目開始の歌として歌う。
フランス語だと「ス・ル・ポン、ダヴィニョン・・・」のポンとニョンにアクセントがあるため、2拍目開始の「弱起」として楽譜を作ることがある。
しかし、これも統一されている訳ではない。察するところ、フランス人にとってはあまり問題にならない、ということのようだ。何せ、メロディーを書いた後に小節線を入れる人が多い民族、1拍目を問題にするのは、もっぱらドイツ人の仕事さ、と思っているかもしれない。
こんなことを知らなくても良いかもしれない、と一旦は思う。しかし、知らないでラヴェルやプーランクは演奏できない、と断言する。関係者はお見知りおきを。
さて、この「アビニョンの橋の上で」をオーケストラ入門のエチュードに仕立て上げたものがある。吹奏楽界で有名な後藤洋氏の編曲で、私も10年以上使わせてもらっている。弦楽器に易しいニ長調と管楽器に易しい変ロ長調を組み合わせた、それは見事な編曲である。
先日、大学の授業の発表会をして、冒頭に演奏させてもらった。弦楽器は9割が初心者、大学から初めて楽器にさわった人達の集団である。それでもこのくらいできる、という様子をちょっと紹介しよう。
ちなみに、これは日本人の手で作られたこともあり、1拍目から始まる譜面になっている。
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