まあどうにかなるさ

日記やコラム、創作、写真などをほぼ週刊でアップしています。

UHF

2024-08-18 19:29:35 | テレビ/ラジオ

「UHFってなあに?」

会話の中で、UHFが出てきたときに訊かれた。

妻はUHFを知らない。

テレビがアナログ放送の時代、関東地方ではVHFのみでUHFの放送はなかった。

VHF (Very High Frequency)とは超短波のことであり、30 - 300MHzの周波数の電波をいう。テレビのチャンネルは1から12が割り当てられた。

UHF(Ultra High Frequency)とはVHFよりさらに周波数が短い電波(470 - 770MHz)で、極超短波と呼ばれる。チャンネルは13から62。UHFを受信するためにはアナログラジオのチューニングのような操作が必要だった。アンテナもVHFとは異なっており、VHF用のアンテナとUHF用の2本のアンテナで受信した電波を混合器で一つにして、ケーブルで部屋まで送り、分配器によって再び電波を分ける面倒な配線も必要だった。

UHFは主に地方局で使用されていた。

僕が育った関西地区でも、サンテレビという神戸を拠点とする独立局がUHFを使用していた。UHFを使用するテレビ局のない関東で生まれ育った人が知らないのも無理はない。

アナログ放送は2012年3月31日をもって全廃された。

そして、470 - 710MHzの周波数が地上デジタル放送に。710 - 770MHzの周波数は携帯電話などテレビ以外の用途に転用されている。

現在のデジタル放送はUHFなのである。

VHFもUHFも言葉としては死語になりつつある。アナログ時代の言葉がまたひとつ消え去ろうとしている。


旅に連れていく歌

2024-08-10 20:50:02 | 音楽

「旅に出るのに大きなカバンは要らないよ。口ずさめるひとつの歌があればいいのさ」

ムーミンに登場するスナフキンの名言である。
もし、僕が旅に一曲だけ連れていくとしたらどんな歌を連れていくだろうか?
繰り返し聴いても飽きのこない曲
口ずさむのであれば歌いやすい歌
初めて見る風景をよりドラマチックに演出する歌

旅に関係する歌を思いつくままいくつか挙げてみる。
直接旅とは関係ないけど、旅立ちを連想させるような曲もありだと思う。

・荒井由美『中央フリーウェイ』『やさしさに包まれたなら』
・山下達郎『RIDE ON TIME』
・チューリップ『心の旅』
・サザンオールスターズ『希望の轍』
・竹内まりや『時の旅人』
・ゴダイゴ『銀河鉄道999』
・狩人『あずさ2号』
・米米クラブ『浪漫飛行』
・宇多田ヒカル『traveling』
・スピッツ『僕はきっと旅に出る』
・コブクロ『何故、旅をするのだろう』

『中央フリーウェイ』は場所が特定されるので、何となく外す。
『僕はきっと旅に出る』や『心の旅』『希望の轍』など、別れの曲は外す。
やっぱり楽しい歌がいい。
それに自分の好きなメロディの方が飽きが来ないと思う。

候補はこの4曲

米米クラブ『浪漫飛行』
愛や夢を叶える旅にでかける歌

宇多田ヒカル『traveling』
週末、タクシーを飛ばして恋人に会いに行く歌である。

乗り物に乗りながら口ずさめば気持ちよさそう。

荒井由実『やさしさに包まれたなら』
魔女の宅急便に使われていたので、一人立ちを連想させる。

山下達郎『RIDE ON TIME』
愛する人との時間が走り始めるという内容。

この中で一番好きなのは
山下達郎『RIDE ON TIME』

かな…

連れて行くとしたら、この曲で決まり。


枕草子

2024-08-03 09:01:24 | 日記

大河ドラマ「光る君へ」でファーストサマーウイカ演じる清少納言が「枕草子」を発表する回が放送されていた。「枕草子」は世界初のエッセイとして知られる。

様々な現代語訳が存在するが、僕なりに現代語訳をしてみる。

 

枕元の雑記帳

 

春の一日の中で一番の私の推しは夜明け。

夜の闇からわずかに白みを帯びる夜明け前。少しだけ山の上空に明るい色が差す。

空にかかる細いいくつもの雲が淡い紫に染まり始める雄大な風景は感動的。

 

夏は夜

月夜はもちろん素敵だけれど、闇夜に光る蛍も捨てがたい。蛍はたくさんとんでいるのも美しいけれど、何気なくひとつふたつほのかに光っているのも趣があって好き。
しとしとと降る雨も素敵。

 

秋は夕暮れ

空を赤く染めた夕日が山の稜線に沈むころ、カラスがねぐらへと急ぐ。こちらに4、5羽、向こうには2,3羽。

別の日、遥か遠くで列を成している雁の群れを見つけた。

そんな風景に不思議と心が和む。

すっかり陽が落ちた後の風や虫が奏でる自然の音の美しさはもう言葉には尽くせない。

 

冬は早朝

雪が降り積もっている早朝はもちろん、霜が降りてあたりを白く染めている早朝、あるいはそうでない日でも、凛とした空気を感じる寒い朝が好き。

火を大急ぎでおこして炭火を部屋に配って歩く姿は冬ならではの光景。

太陽が昇り、昼近くになるとそれまで癒されていた火鉢の赤い炎は、白い灰へと変わってしまう。何だか興が醒めてしまう。

 

 

原文

春はあけぼの。

やうやうしろくなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。

 

夏は夜。

月の頃はさらなり、闇もなほ、蛍のおほく飛びちがひたる。

また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くも、をかし。

雨など降るも、をかし。

 

秋は夕暮れ。

夕日のさして、山の端いと近くなりたるに、烏(からす)の、寝所(ねどころ)へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへ、あはれなり。

まいて、雁(かり)などのつらねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。

日入りはてて、風の音、虫の音など、はた、言ふべきにあらず。

 

冬はつとめて。

雪の降りたるは、言ふべきにもあらず。

霜のいと白きも、またさらでも、いと寒きに、火など急ぎおこして、炭持てわたるも、いとつきづきし。

昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶(ひおけ)の火も、白き灰がちになりて、わろし。


逢いたい女

2024-07-28 08:39:13 | 日記

逢いたい女(ひと)がいます。

 

顔は知っているけど実際に会ったことはない憧れの彼女。

間もなく逢えるはず。とっても楽しみ。

 

バイリンガルで知的な彼女。

とっても所有欲をそそる。

 

逢えたら彼女をどこに連れていこうか?

 

シワもない、綺麗なままで逢えれば嬉しい。

 

ワクワクしながらその日を待つ。

 

 

渋沢栄一くんや北里柴三郎くんにはすでにお目にかかったけど、津田梅子さんにはまだお目にかかれていません。

 


本当の祖父

2024-07-21 17:28:32 | 日記

母はお人好しで涙もろい。

今月で90になった。すっかり体も衰えてきた。

実家の浜松で下の妹と2人で暮らしている。

 

母が若い頃、宝塚に憧れたが、身長が足りず諦めた。

NHKのアナウンサー試験に受けるも、不合格。

スポーツはまるでダメだが詩や俳句は上手い。

若い頃の写真を見ると阿川泰子に似ている。

そんな母だ。

 

僕が大学生の夏休み、長期で実家の浜松に帰っていた。

ある日、母が突然僕に言った言葉。

「ともちゃん、ほんとうのお祖父さんに会いたくない?」

 

何のことか判らなかった。

母方の祖父は僕が幼稚園の時に他界している。

 

母が結婚する日、実は本当の子供ではないと祖母から打ち明けられたそうだ。

祖母の兄の子供だと。

母が伯父だと思っていた人が本当の父だったということになる。

 

母は妾の子で、まだ母が小さい頃、実母が亡くなり、実父の妹に預けられたが、そのことは母の記憶にはない。。

 

その話は、初めて息子である僕に打ち明けてくれた。

父にも僕の妹にも話してなかったらしい。

 

本当の祖父が住む愛知県瀬戸市へ二人で出かけた。

ここは母が高校生まで過ごした地だ。

 

駅から降りてタクシーの運転手に、母は場所ではなく、個人名を告げる。

「K藤○○さんの家へ」

それだけで、タクシーの運転手には通じる。地元の名士らしい

昔、祖父は瀬戸市の市会議員を何年もやっていたそうだ。

 

古い建物の家に通され、初めてほんとうの祖父と対面した。

顔は母と似ていなかったけど、マメによく動くところはそっくり。

この人の血が流れているのかと思い、見ていた。

 

僕が祖父に会ったのはそれ一回きりだったが、その数年後に祖父は他界した。