まあどうにかなるさ

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空母いぶき

2019-05-26 21:47:39 | 書評

映画化されたと聞き、原作全12巻(2019年5月現在)を買ってきて一気読みした。かわぐちかいじ作品は『沈黙の戦艦』をかつて夢中で読み、面白いだろうなとは思っていた。

民間人を装う中国人が日本の尖閣諸島の南小島に上陸し、「この島は中国の領土であり、中国本土の船舶を待つ」と主張する事件が勃発する。日本政府は中国に屈する形で事態を収拾するが、この事件をきっかけに空母を中心とした護衛艦隊群の創設を柱とする『ペガソス計画』の前倒しを図る。翌年4月、中国軍は、突如として日本への侵攻を開始する。与那国島や尖閣諸島を制圧し、住民を人質に取り、尖閣諸島を中国領と認めるよう日本政府に要求してくる。自衛隊初の戦死者を出し、中国との話し合いによる解決が図れないと見た日本政府は垂水総理大臣により、防衛出動が発せられる。
「いぶき」は前線へと急行するが、中国も日本の防衛出動に対抗し、新型空母「広東」を先島諸島へと向かわせた。日中両政府の交渉は決裂し、ついに実力行使による領土奪還作戦が開始される。
リアルな描写がぐいぐいと引き込まれる内容のコミックである。

原作のあまりの面白さに、映画『空母いぶき』を早速観に行った。
映画では中国ではなく、「東亜連邦」という架空の国家による日本への侵攻という設定に変更されていた。激しい戦闘の描写は映画的で見応えはあるが、その対比として描かれていたコンビニの話には少し疑問符が付く。
コミック『空母いぶき』と映画『空母いぶき』のストーリーは大きく違っており、物語は別のものとしてみる必要がある。別のものとしてみた場合、映画もよくよくできたスペクタル作品として一定の評価はできるのかもしれない。



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