心の休憩室 パート2

何度か中断していますが、書きたいことがでてくると復帰しています。

般若心経その11 (別の本の意味と解説2)

2023-03-20 18:17:22 | 般若心経

【般若心経その11

 

=== 別の本の意味と解説その2 ===

 

*****(3)

① 舎利子 しゃりし 

② 是諸法空相 ぜしょほうくうそう 

③ 不生不滅 不垢不浄 不増不減 ふしょうふめつ ふくふじょう ふぞうふげん

 

【意味】

① シャーリープトラよ、

② (ここにおいて)存在するものは、全て空性を特徴として、

③ 生じたというものでなく 滅したというものでなく

  汚れたものでなく 汚れを離れたものでなく

  足りなくなることもなく 満たされることもない

 

【解説】

・「法」は仏教では大変重要な言葉で、サンスクリット語では

 「ダルマ」と言う。「法」には多様の意味があり、漢訳が

 示す「法則」や「規範」の他に、「正義、善、教え、性質」など

 幅広い意味がある。

・「法」の原意は「保持されるもの」で、インドの哲学用語では

 「存在するもの」を意味する。

・釈迦は「この世にあるすべてのものは移りゆく」と見抜いた。

 これを「諸行無常」と言う。「存在するものは全て空性を

 特徴としているので、生じたり滅したりすると見えるのは

 錯覚であると言っている。

・1階は「自己が確立されていない幼児のフロア」、

 2階は「自己は確立するが執着で苦しい大人のフロア」、

 3階は「自己は五蘊にしか過ぎないと考える舎利子のフロア」、

 4階は「五蘊(自己)は空であるとする観自在菩薩のフロア」と

 すると、②の是(ここ)は4階のことを言っている。

・4階から3階を眺めると、五蘊は空なので、「不生不滅 

 不垢不浄 不増不減」に見えるということである。

 

*****(4)

① 是故空中無色 ぜこくうちゅうむしき

② 無受想行識 むじゅそうぎょうしき

③ 無眼耳鼻舌身意 むげんにびぜつしんい

④ 無色声香味触法 むしきしょうこうみそくほう

⑤ 無眼界乃至無意識界 むげんかいないしむいしきかい

 

【意味】

① この故に、空性においては色なく

② 受なく、想なく、行なく、識もない

③ 眼耳鼻舌身意もない

④ 色声香味触法もない

⑤ 眼界から意識界に至るまで悉くない

 

【解説】

・この箇所は、舎利子への3回目の呼びかけである。

・(2)の「色即是空」と(3)の「諸法空相」をさらに突き詰めて

 語っている。そのため、ここでは「無」という文字が続く。

・262文字の般若心経中、「無」は21個。

・(3)の解説の4階では「五蘊は自分ではない」。よって、

 4階から見ると、色受想行識は全て無いことになる。

・同様に、六根の眼耳鼻舌身意も、六機の色声香味触法も

 六識の眼識・耳識・鼻識・舌識・身識/意識も全て

 無いことになる。

*****

 

(その12に続く)