【ネタバレ】を含みますので、まだ観ていない方は鑑賞後に読んでいただけるとありがたいです。極力大きなネタバレは伏せるつまりです。
20世紀FOX製作X-MENシリーズ、噂通りの最後の作品でした!
「X-MENフューチャー&パスト」で過去を変えてしまったために世界線が分岐し、旧3部作とはつながらなくなった新シリーズでしたが、ウルヴァリオンが「ローガン」で卒業し、現メンバーも今作で卒業となりました。
そもそもX-MENって何が素晴らしいかっていうと、人種問題という現代社会、特にアメリカ本国がずっと抱える問題をミュータントという設定を用いて上手く描いているところです。勧善懲悪のヒーロー物ではなく、各ミュータントにそれぞれの正義があり、どの正義も間違っていないから考えさせられるわけです。だから、時にプロフェッサーXとマグニートーが利害の一致で手を組むことがあり、その展開がファンとしては熱いわけです。
全体的にはダークな世界観で、サイコキネシスのミュータント・ジーンにスポットを当てた作品ということもあり、プロローグでのジーンのトラウマシーンから始まり、能力を制御できない苦しみを描いた観ている側も胸が苦しくなる悲しい作品でした。
1992年、スペースシャトルが宇宙空間で太陽フレアの影響で事故に遭うところから本編が始まります。
前作「X-MEN/アポカリプス」のラストで新生X-MENが発足し、その後長きわたりチャールズがX-MENを指揮し、いわゆる政府が出したSOSに駆けつけるスーパーヒーローとしての活動を継続したことにより、迫害や差別を受けていたミュータンに市民権を得ることができていた。しかし、ミスティークことレイヴンは、「チャールズが自分たちの子供や仲間を危険に身を投じさせ、自分は安全な場所で命令しているだけ、仲間が危険に晒されているのに目をそむけ、それは年々ひどくなっている」と警笛を鳴らす。チャールズは「それをしなければ自分たちミュータントが安全かつ平和に暮らす方法はないと2人の意見は分裂する。チャールズの意見もレイヴンの意見もどちらもわかります。マグニートーも、無関係の自分の家族を人間に殺されている過去があるだけに完全には憎めない存在ですから。
しかし、今作ではそのチャールズの判断が結果ジーンを危険に晒すことになり、仲間にも影響を及ぼすことになります。宇宙ミッションでの一件をきっかけにジーンは暴走し始め、市民権を得ていたミュータントが人間に被害を及ぼす危険因子となってしまい、再びミュータントに向けられる目が厳しく逆戻りします。
最強のミュータントとなってしまったジーンの暴走を誰が止めるのか、そしてジーンの心を誰が救うのか、そしてジーンを暴走へ導いた宇宙フレアの正体とは一体何なのか? それが今作のメインテーマであります。
個人的感想としては、ラストだけあり衝撃的な展開には驚きを隠せませんでしたし、シリーズ中ずっとウルヴァリンに主役を取られ、脇役に追いやられていた見せ場のないサイクロップスが今作で最後の最後で大活躍を見せていたのは嬉しかったですし、旧三部作で奪われたジーンとの恋愛もちゃんと描いていたのは良かったです。
しかし、事件が解決後の後日談というか余韻があまりにもなく、トントンびょうしで、ミュータントが強制収容所にまで連行される展開になってしまったのにすぐに元の安全な生活に戻れた経過描写が全くなくて、すぐエンディングロールに向かうため、なんだかなぁ~と。最後の作品なんだからもっとエピローグを丁寧に描いてほしかったですし、チャールズとマグニートーとの因縁関係にも終止符が打たれるのですがそれもまた唐突過ぎた感が否めません。
あとマグニートーと言えば、クイックシルバーとマグニートーとの父子関係問題に進展が全くなくお互い知らないまま終わってしまったので、これで良かったのかなぁと。だったらラストのカフェテラスのシーンで言ってもよかったのではとも感じました。
小ネタとしては、最近のハリウッド映画はニューヨークでの撮影は税金がバカ高いのでニューヨークのシーンを外国で撮影するらしいって話を聞いてて、今作にニューヨークでの市街地戦があるのですが、引きの絵がなかったから、ニューヨークってわかる描写もなく本編観てて「あ~(笑)」ってなりました。大抵の映画ってニューヨークだったら、タイムズスクエアのシーンを入れたり、何かしら引きの画でニューヨークってわかるようにするんですが、それがなかったです。たしかに大作にしてはバトルシーンがすごくこじんまりしていて、密室バトルや明らかなセット撮影が多いのはセットにしなきゃ予算がかかるってことなんだなと消化しました。X-MENシリーズなのに予算が低いのかぁと思いましたが、初日全然映画館に人が入ってなかった現状を見て、「そんなに人気ない?」って落胆しました。なんか売れなくてシリーズが打ち切りになったと思われるのも嫌なので、物語はすごく面白いのでぜひ観に行ってください。
どちらにせよこの配役でもX-MENは終了し、今後はMCU版(アベンジャーズシリーズとリンクする物語)X-MENがリブートされる予定ですので、できればこのメンバーであと1作、完結編らしきものが欲しかったです。
映画『X-MEN: ダーク・フェニックス』特別映像 “セレブレーション”
20世紀FOX製作X-MENシリーズ、噂通りの最後の作品でした!
「X-MENフューチャー&パスト」で過去を変えてしまったために世界線が分岐し、旧3部作とはつながらなくなった新シリーズでしたが、ウルヴァリオンが「ローガン」で卒業し、現メンバーも今作で卒業となりました。
そもそもX-MENって何が素晴らしいかっていうと、人種問題という現代社会、特にアメリカ本国がずっと抱える問題をミュータントという設定を用いて上手く描いているところです。勧善懲悪のヒーロー物ではなく、各ミュータントにそれぞれの正義があり、どの正義も間違っていないから考えさせられるわけです。だから、時にプロフェッサーXとマグニートーが利害の一致で手を組むことがあり、その展開がファンとしては熱いわけです。
全体的にはダークな世界観で、サイコキネシスのミュータント・ジーンにスポットを当てた作品ということもあり、プロローグでのジーンのトラウマシーンから始まり、能力を制御できない苦しみを描いた観ている側も胸が苦しくなる悲しい作品でした。
1992年、スペースシャトルが宇宙空間で太陽フレアの影響で事故に遭うところから本編が始まります。
前作「X-MEN/アポカリプス」のラストで新生X-MENが発足し、その後長きわたりチャールズがX-MENを指揮し、いわゆる政府が出したSOSに駆けつけるスーパーヒーローとしての活動を継続したことにより、迫害や差別を受けていたミュータンに市民権を得ることができていた。しかし、ミスティークことレイヴンは、「チャールズが自分たちの子供や仲間を危険に身を投じさせ、自分は安全な場所で命令しているだけ、仲間が危険に晒されているのに目をそむけ、それは年々ひどくなっている」と警笛を鳴らす。チャールズは「それをしなければ自分たちミュータントが安全かつ平和に暮らす方法はないと2人の意見は分裂する。チャールズの意見もレイヴンの意見もどちらもわかります。マグニートーも、無関係の自分の家族を人間に殺されている過去があるだけに完全には憎めない存在ですから。
しかし、今作ではそのチャールズの判断が結果ジーンを危険に晒すことになり、仲間にも影響を及ぼすことになります。宇宙ミッションでの一件をきっかけにジーンは暴走し始め、市民権を得ていたミュータントが人間に被害を及ぼす危険因子となってしまい、再びミュータントに向けられる目が厳しく逆戻りします。
最強のミュータントとなってしまったジーンの暴走を誰が止めるのか、そしてジーンの心を誰が救うのか、そしてジーンを暴走へ導いた宇宙フレアの正体とは一体何なのか? それが今作のメインテーマであります。
個人的感想としては、ラストだけあり衝撃的な展開には驚きを隠せませんでしたし、シリーズ中ずっとウルヴァリンに主役を取られ、脇役に追いやられていた見せ場のないサイクロップスが今作で最後の最後で大活躍を見せていたのは嬉しかったですし、旧三部作で奪われたジーンとの恋愛もちゃんと描いていたのは良かったです。
しかし、事件が解決後の後日談というか余韻があまりにもなく、トントンびょうしで、ミュータントが強制収容所にまで連行される展開になってしまったのにすぐに元の安全な生活に戻れた経過描写が全くなくて、すぐエンディングロールに向かうため、なんだかなぁ~と。最後の作品なんだからもっとエピローグを丁寧に描いてほしかったですし、チャールズとマグニートーとの因縁関係にも終止符が打たれるのですがそれもまた唐突過ぎた感が否めません。
あとマグニートーと言えば、クイックシルバーとマグニートーとの父子関係問題に進展が全くなくお互い知らないまま終わってしまったので、これで良かったのかなぁと。だったらラストのカフェテラスのシーンで言ってもよかったのではとも感じました。
小ネタとしては、最近のハリウッド映画はニューヨークでの撮影は税金がバカ高いのでニューヨークのシーンを外国で撮影するらしいって話を聞いてて、今作にニューヨークでの市街地戦があるのですが、引きの絵がなかったから、ニューヨークってわかる描写もなく本編観てて「あ~(笑)」ってなりました。大抵の映画ってニューヨークだったら、タイムズスクエアのシーンを入れたり、何かしら引きの画でニューヨークってわかるようにするんですが、それがなかったです。たしかに大作にしてはバトルシーンがすごくこじんまりしていて、密室バトルや明らかなセット撮影が多いのはセットにしなきゃ予算がかかるってことなんだなと消化しました。X-MENシリーズなのに予算が低いのかぁと思いましたが、初日全然映画館に人が入ってなかった現状を見て、「そんなに人気ない?」って落胆しました。なんか売れなくてシリーズが打ち切りになったと思われるのも嫌なので、物語はすごく面白いのでぜひ観に行ってください。
どちらにせよこの配役でもX-MENは終了し、今後はMCU版(アベンジャーズシリーズとリンクする物語)X-MENがリブートされる予定ですので、できればこのメンバーであと1作、完結編らしきものが欲しかったです。
映画『X-MEN: ダーク・フェニックス』特別映像 “セレブレーション”