他人の不幸は蜜の味。前回はサムソナイトをめぐる¥200.000相当額の被害を涙ながらに語った。今回はさらにパワーアップしてシティバンクによる¥1.000.000相当額の話だ。但し、それは外貨為替取引のレート暴落による含み資産の下落だから、決済するまで実害ではない。もう、この辺からしてややこしい、だから今回はややこしい蜜の味がするだろう。
外国の通貨と両替する行為が外貨為替取引になる。現在の為替は変動相場制で為替レートは日々変化する。よく海外旅行で現地通貨との為替レートを過去と比較して、損得を気にする人がいるが、これは気にするだけ損だ。なぜなら、為替レートの未来なんて予測不可能で、海外旅行者はその国のその時のレートに従わざるしかない。為替レートに直接影響されるのは外貨で消費生活する人と投資・資産運営する人の2者だけ、そうなの。
昨年9月からフィリピンでアパートを借りて1ヶ月の1/3はそこで暮らすようにした。そのときから為替レートを意識するようになり、通貨の学習を始めた。従って、まだ半年程度の付け焼刃知識しかないからいい加減なものだ。仕方ないだろ。んで、最初の外貨不幸は家賃の送金から始まった。個人口座の地方信金から現地銀行へ振込みをしたワケだが、円→ドル→ドル→ペソ(フィリピン通貨)、と、まあこんな流れだ。
最初は為替変動のリスクを避けるため小出しに送金した。、当時円換算¥27.000/月の家賃を払うための円→ドル手数料が1回につき¥7.000掛かった。しかも現地銀行が受領するまで2~3日掛かる。さらにはドル→ペソ手数料も掛かった。これが失敗の端緒になり、こんなことを続けていたら両替手数料で家が建つぜ、日本男児は度胸一発、まずは大口米ドル預金だ、そう考えて外資の銀行や金融機関の商品を調べ、学習を始めた。
そうこうして、結局、借りたアパート近くでネットカフェを経営している名古屋のH爺さんの紹介もあって、昨年10月、最大手のシティバンクグループ名古屋駅前支店に口座を開設した。この月からサブプライムローンによる米ドル為替レートの乱高下が始まり、昨年末まで1$/110円のボーダーラインで為替取引がなされた。そして、新年は1$/110円を割ってスタート。約2ヶ月間タイミングを計って、このときシティバンクの担当者Fと事前の取り決めでゴールドクラスの米ドル金融商品を買ったのだ。そして何の因果か、フィリピンで滞在する度に米ドルはこれでもかと暴落するのだった。4月現在は1$/100円のボーダーライン。
シティバンク・グループの2005年12月から2007年12月までの四半期ごとの会計報告を調べてみると、他資本を利用したレバレッジ取引額の総資本に対する倍率が12.3から18.2倍になっている。マーケットに左右されない自己資本に対する倍率はなんと41.6倍になっている。総資本に対する自己資本率はわずか2.3%。現在の金融マーケットの状況ではシティバンク・グループが手持ち債券を売ってレバレッジ関連のリスク債権を減らすことは極めて難しい。米国最大手のシティバンク・グループは今や世界で最も危険な商業銀行となってしまった。
さて、3ヵ月後に一度どうするかを決めなければならない。どうするか、と言っても解約して(損と決まったワケじゃないが)損切りするか、継続するか、二者択一の選択が待っている。継続はさらにヤケドが酷くなる惧れがある。ドレミファソラシド、ど~しようと今考えても未来は予測不可能な事象だ。シティバンクの担当者Fから将来の「元本割れ」リスクについて耳にタコができるほど言われた。すべては自己責任。その運命のときが来たら面白いからまたエントリー、トンデモない銀行に口座を開設しちゃったな。米ドルについては国際基軸通貨としての大問題があるので、機会を改めてエントリーしよう。