基軸通貨とは次の条件を兼ね備えた国際通貨を指す。
[要件と条件]
A 国際間の貿易・資本取引に広く使用される決済通貨であること
B 各国通貨の価値基準となる基準通貨であること
C 通貨当局が対外準備資産として保有する準備通貨であること
D 通貨価値が安定していること
E 高度に発達した為替市場と金融・資本市場を持つこと
F 対外取引規制がないこと
(以上、ウィキペディアより引用、符号は管理人による)
米ドルについては国際基軸通貨としての大問題があるので、 機会を改めてエントリーしよう。
(エントリーシティバンクより)
大問題とは基軸通貨国、米国が世界最大の債務国、無敵の借金王国であること。為替、通貨はまだ付け焼刃程度の学習だから上段の符号で簡単にやってみよう。
さて、米国は巨額な双子の赤字(財政と経常収支)を抱えている。国内の財政赤字は何とか改善しようとする意思が見受けられるものの、対外貿易の経常収支赤字についてはまったく改善する意思はない。これは基軸通貨(A ,B)の仕組みで、米国はドルの信用(D)さえ保つことができれば、経常収支の差額分を輪転機を廻してドルを印刷し、市場に供給・流通(E,F)さえすればそれでいいからだ。米ドルが流通する各国が保有する外貨準備高(C)を例にすると、米ドルの為替相場が10%下落すれば保有する米ドルの資産価値/評価も10%目減りする。従って各国の中央銀行は買い支え、米国は輪転機を廻しドルを印刷して供給する。世界最大の債務国である米国の国債だって10%下落した差額分はチャラになる。為替相場を賭博とするなら、胴元の米国は絶対に負けることはないインチキ賭博と同じだ。そうでなければとっくに破産している。米国はドル信用(D)の維持だけに賭ければいい。
問題は、ドル信用の維持のために米国は手段を選ばないことだ。
2000年11月6日、フランスの知略家シラクの策略でイラクのフセイン政権は、突然原油取引きの決済をドルからユーロ建てに切り換えた。この事件は米国にとってドル信用を損なう最大の脅威だった。イラクに倣い反米中東産油国がドミノ式にユーロに切り替えれば、基軸通貨ドルの信用は失墜し、ドルを印刷する輪転機は止まり、デフォルト(債務不履行)の危機に直面する。シラクの策略通り基軸通貨がドルからユーロに取って代わる現前の大問題だった。米国はイラクと戦争をしなければならなかった。そして、砂漠に血の雨を降らせ、2005年、漸く原油取引きの決済をユーロから再びドル建てに戻した。「有事の際のドル買い」ではなくて「ドル信用のための有事」。1991年にソ連が崩壊して、世界の中で唯一の超大国となった米国の意志は基軸通貨であるドル信用の維持とドル市場の拡大あるのみ、そのためなら何でもアリなのだ。
以上のように学習して、新年早々ドルを買ったらトンデモナイことになってしまった。