中国はM&Aによって世界規模の経済発展を遂げた。調べてみると中国企業が世界的大企業を買収するとき「蛇呑大象」と表現するそうだ。これは「人心不足蛇呑象」という故事成語で「まるで蛇が象を呑み込もうとする人間の貪欲さ」を風刺している。大紀元によると以下の民間伝説から来ている。
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昔、「象」という名の子供がいた。父親は、彼がまだ乳飲み子の内に亡くなり、母子は互いに寄り添って暮らしていた。母親はその息子を唯一の活きる望みとして深く愛し、象もまた非常に孝行を尽くした。だが、家には財産がなかったため、母親の裁縫で、どうにかその日暮らしの苦しい生活を送っていた。
象が成長すると、母は彼を地元の「蒙館」に勉強に行かせた。彼は活発で聡明であり、先生も同級生も彼のことが好きになった。ある日の朝早く、彼が教科書を小脇に抱えて通学していると、木立の中に、かわいい青大将が地面をにょろにょろと這っているのを見かけた。
体をくねらせながらゆっくりと進んでいく青大将は、見れば見るほど可愛くになってきたので、象はそれを紙に包んで「蒙館」に持っていき、こっそりと机の引き出しの中に放した。これを知った同級生も、とても珍しがり、皆の秘密として、先生に知られないようにした。
それ以来、象は家へ昼飯を食べに帰るたびに、食べ物を持ってきてはそのかわいい相棒に与えた。そのうち、象と蛇は次第に大きくなったのだが、象が中途で学問をやめ、畑仕事を手伝うことになったため、その蛇を自宅のかやぶき小屋に連れて帰った。蛇は、心が通じているかのようにおとなしく、象の母親も喜んでそれの世話をした。
そのときすでに老齢となっていた象の母親は、奇怪な肝臓病を患い、時々発作を起こした。肝臓が痛み出すと、まるでお腹の中で誰かが肝臓をかき回しているかのように、死ぬような痛みを覚えて床を叩き助けを求めた。
ある日、母親はまた発作を起こした。痛くて「神様、仏様!」と叫びながら七転八倒するのだが、象にはなすすべもなく、ただ枕元で涙を流しながら慰めるしかなかった。
この時、救世主が現れた。四方に説法に出ていた雲水の和尚が村に来て、どんな難しい病気も治せると言うのだ。そこで象は早速和尚に母親の治療を頼んだ。
和尚は母親の病気を診ると、「この病を治すのは難しくない。ここに処方を書いておくから、これに大蛇の肝を副薬として飲ませなさい。服用すれば、すぐに効果が顕われ、今後決してぶり返すこともなくなる!」と話した。
象はいたく感激し感謝した後、処方に従って薬を集めた。ただ、蛇の肝はどうしたら手に入るだろうか。あれこれと考えあぐねた挙句、やむなく日夜を共にしてきた相棒に目をやった。
象は小刀を持ち、涙を拭いて、その愛すべき相棒に言った。「長い間育ててきた君を傷つけるのは忍びない。でも、さんざん苦労をしながら僕を育ててくれたお母さんが七転八倒しながら死ぬのを手を拱いて見ているわけにはいかない。友よ、本当に済まない。口を大きく開けて、僕に肝を少し切り取らせてくれないか!」
蛇は象の話が分かったようで、育ててくれた恩に感謝するかのように、すぐに口を大きく開けた。そこで象は難なく蛇のお腹に入って肝を少し切り取ることができた。不思議なことに蛇は、一瞬ちくりとしただけで、何も傷つけられなかったかのようであった。
象の母は、蛇の肝を調合した薬を服用すると、あっという間に回復した。ただ、象は、「もし母親の病気がぶり返したらどうしよう。そのとき、蛇が死んでいたら、どうやって蛇の肝を求めたらいいのか」と心配になった。
いろいろ考えた挙句、彼は「万一」のときのために、今のうちに肝を取って置き、不足の事態に備えることにした。親を思うあまり、病気がぶり返すことはないという和尚の言葉が信じられなかったのである。
象は再びナイフを手の持ち、相棒に口を大きく開けるよう迫った。蛇のお腹に入った象は、一切れまた一切れと、およそ5、6片を切り取った。そこで一旦は手を止めたのだが、ひょっとして足りなかったらどうしようと心配になり、再び切り取り始め、ついには、切っても切っても満足できなくなった。
蛇にしてみると、次から次に切り取られ、痛くて堪らず、そこらじゅうを転げまわり飛び跳ねるのだが、目が血走った象は一向に出てこようとしない。我慢できなくなった蛇は、ついには忍びなく口を閉じ、象はその腹中に閉じ込められ死んでしまった。
「足ることを知らず、蛇が象を呑む」ということわざは、こうしてでき上がったのである。
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「蛇が象を呑む」とは大風呂敷の中国人だと思いきや、象は人の名だった。それにしてもなかなか含蓄のある民間伝説。人間の持つ欲の深さを戒める蛇呑象は多くの中国人に好まれているそうだ。しかし、過去空港ホテルで何度か出会った中国人団体観光客は蛇呑象にほど遠い貧欲な態度だった。
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普天間方針、米側に近く伝える意向…首相(読売新聞) - goo ニュース
鳩山首相は7日午前、沖縄の米軍普天間飛行場移設問題について、日本政府としての判断を近く米側に伝える考えを示した。
首相は、名護市の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部に移設する現行計画には慎重姿勢を示し、結論を来年に持ち越す意向を表明している。こうした立場を伝えることになれば、現行計画の早期履行を求める米側との亀裂が広がるのは確実だ。
首相は首相公邸前で記者団に、「政府としての考え方を、いよいよ最終的に、どういうふうに米国に申し上げるかを決める時だ」と述べたうえで、米側に伝える内容を6日の岡田外相との会談で協議したことを明らかにした。首相はさらに、現行の移設計画の扱いに関し、「米国からはそういう(計画履行の)要求は来ている。ただ、連立政権でもあるし、沖縄の期待感も別のところにある。そう簡単ではない」と語り、「県外・国外移設」を求める社民党や県内世論に配慮する必要性を重ねて強調した。
また、岡田外相は7日昼、ルース駐日米大使と外務省で会談した。この問題について協議したとみられる。
外相は年内の決着が必要だと主張しており、6日の首相との会談でも、現行計画履行を求める米側の姿勢を伝え、早期決断を促したとみられる。首相としても、米側が不信感を募らせることがないよう、年内に何らかの対応を伝える必要があると判断した。
首相はこの日も現行計画の難しさに言及しており、米側にもこうした見解を伝えるという見方が出ている。これに関連し、平野官房長官は7日午前の記者会見で、「先送りということだけが先行しているようだが、中身のある結論を出しておかないといけない。『鳩山政権としてはこういう考え方の下に整理する』と、沖縄県民にも米側にもきちっと伝えていく時期にある」と述べた。さらに、「(米側への伝達に先立ち)関係閣僚に『首相としてはこういう考え方だ』と(伝えて)最終意思統一するかもしれない。『(現行の移設先である)辺野古だけではなくてほかもないのか』という考え方を、首相自身が出されるのではないか」と語り、首相が新たな移設先の検討を関係閣僚に改めて指示するという見通しを示した。
(以上、読売新聞)
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繰り返しになるが米軍普天間移設問題は飛行場が老朽化して使用期限が迫っているため、米国による対日要求である。それが田中宇のように米国の隠れ多極派による陰謀シナリオ、日米暗黙のデキレースかどうかは分からない。現在の世界不況下、米国のアフガン増兵にみられる過剰派兵を自国で処理できないことが問題で、産経や読売のように従来通り日米安保に依存してればそれでよいというのが間違いであることは断言できる。
法外な対日要求を続ける米国には蛇呑象伝説のような強欲への戒めが必要なのだ。