太った中年

日本男児たるもの

明日なき暴走

2010-08-10 | weblog

Bruce Springsteen - Born To Run

「Born To Run ~ 明日なき暴走」

昼間は街路で、どうしようもないアメリカン・ドリームを待ちわび
夜は 自殺マシーンに乗って栄光の館を走りぬける
クロームのホイールをはき ガソリンをつめ ハイウェイ9でカゴから飛び出す
そして ラインを越えて一歩を踏み出し
ベイビー この町はおまえの背骨を剥ぎ取っちまうぜ
それは死のワナ 自滅のワナだ 若いうちに抜け出さないと
俺たちのような放浪者は 走るために生まれてきたのだから

ウェンディ、仲間に入れてくれ、友達になりたいんだ
おまえの夢と幻を守ってやりたい 
このヴェルベットの縁におまえの足を巻きつけ
俺のエンジンにおまえの手を巻きつけ いっしょにこのワナを突破できるだろう
落ちるまで走るんだ、ベイビー 二度ともどることはない
ワイヤーの上を 俺と一緒に歩いてくれるか
俺は怖がりの寂しいライダーだから けど どんな感じかわかるだろうよ
おまえの愛がワイルドかどうか知りたい 愛がリアルかどうか知りたい

宮殿の向こうで根なし草のやっかい者たちが大通りを叫んでゆく
少女はバックミラーに向かって髪にくしをいれ
少女は必死に見ようとしている 楽しみの駐車場は大胆に赤裸々に生きかえる
こどもたちは靄の中を浜辺に詰め込まれ 
俺は通りで今夜 おまえと死にたい 永遠に続くキッスをしながら
      
ハイウェイは打ちのめされたヒーローで埋まり パワードライブ最後のチャンスに
今夜は誰もが走り出す けど、隠れるような所は何も残っちゃいない
一緒にさ、ウェンディ、俺たち悲しみを抱いて生きてゆけるぜ
魂の狂気すべてでおまえを愛そう、あそこまでたどり着くんだ
おれたちの本当に行きたい所へ そして太陽のなかを歩くんだ
でも それまでは 俺たちのような放浪者は走るために生まれてきたんだ

俺たちのような放浪者は 走るために生まれてきたのだから

*

アメリカン・ニューシネマ”俺たちに明日はない”を意識したブルースの秀逸な歌詞。

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30数年前の高校時代、初めてこの楽曲を耳にした。冒頭、歌の下りで Suicide Machine(自殺マシーン)の表現に甚く感服した記憶がある、つーワケで今回のネタは自殺や無縁社会など。

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金融の自由化、国際化に伴った国内の信用不安で企業倒産の激増した1998年に、自殺者が前年より約8000人も増加して3万人台になり、それ以後今日までズーと続いている。

カトリックの国は自殺に対して強い禁忌のあるので自殺率は低い。G7ではイタリアが最下位。

妻の祖国フィリピンはアジアで唯一のカトリックの国だから、フィリピン人妻は企業倒産して日本人の自殺が激増したことを理解できない。会社一筋で生きてきた中高年が不況になって会社が倒産すると人生の意味まで失い絶望するのはカトリックの国だけでなく世界から見ても異常なのだ。

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そして妻が自殺率以上に理解不能だったのがNHKで放映された「無縁社会」。

自殺率が先進国の中でワースト2位の日本。NHKが全国の自治体に調査したところ、ここ数年「身元不明の自殺と見られる死者」や「行き倒れ死」など国の統計上ではカテゴライズされない「新たな死」が急増していることがわかってきた。なぜ誰にも知られず、引き取り手もないまま亡くなっていく人が増えているのか。「新たな死」の軌跡を丹念にたどっていくと、日本が急速に「無縁社会」ともいえる絆を失ってしまった社会に変わっている実態が浮き彫りになってきた。「無縁社会」はかつて日本社会を紡いできた「地縁」「血縁」といった地域や家族・親類との絆を失っていったのに加え、終身雇用が壊れ、会社との絆であった「社縁」までが失われたことによって生み出されていた。

また、取材を進めるうちに社会との接点をなくした人々向けに、死後の身辺整理や埋葬などを専門に請け負う「特殊清掃業」やNPO法人がここ2~3年で急増。無縁死に対して今や自治体が対応することも難しい中、自治体の依頼や将来の無縁死を恐れる多くの人からの生前予約などで需要が高まっていることもわかって来た。日本人がある意味選択し、そして構造改革の結果生み出されてしまった「無縁社会」。番組では「新たな死」が増えている事態を直視し、何よりも大切な「いのち」が軽んじられている私たちの国、そして社会のあり方を問い直す。

無縁社会に関係して、最近の話題で100歳以上の老人の行方不明も妻は異常なことに思えたようだ。年金詐欺については一応理解を示すものの、最初の「即身成仏事件」のとき妻はその家族はアディック(精神異常)だと言った。家族を大切にして老人を敬うことが建前のフィリピン人らしい。

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さて今回のフィリピン系はガン治療で会社を早期退社してフィリピンで生活している人のブログ。

無謀にもフィリピン生活に挑む男の独り言

無縁社会とは無縁のフィリピン生活だったりする。ブログ主さんは同郷で知っている人だった。

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さてさて、冒頭アメリカの泉谷しげることブルース・スプリングスティーンは”The River”まではよかった。しかし”Born in the U.S.A”がバカ売れしたため、マスコミは勘違いして社会派ロッカーのヒーローに祭り上げてしまった。ブルースはいつしかボスと呼ばれるようになった。ブルースも最初はアメリカンドリームの成功を楽しんだが実像との矛盾に悩んでいた。「おいおい、俺はワーキングクラスのヒーローなんかじゃない、米国版平民新聞、苦悩する文学青年なんだ」とかツイートしていた。でもメガセールスを一度経験してしまうともうダメだ。後に質の高い作品を発表しても売れなければ、売れないロッカーの評価しか得ない。ミュージシャンって難しい職業だよなぁ。”社会派”なんて屁みたいなもので言葉を変えれば”うるさく説教をタレるオッサン”、疎んじられるだけよ。但し、メガセールスを記録した社会派ロッカーでU2のボーノは別。あいつはうまいこと立ちまわっているな。元来、ボーノはヴァン・モリスンの流れを汲むアイリッシュの吟遊詩人にてブルースシンガー。そんなことからブルースとボーノは非常に仲がいい。何を言いいたいのかわからなくなったので奥さん、じゃ、またね。

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U2 & Bruce Springsteen - I still haven't found what I'm look

聖書とブルースの3コードはスゲェと思うゾ。

「I still haven't found what I'm look ~ 終わりなき旅」

俺は登った 一番高い山々
俺は走った フィールドをぬけ
ただ君のそばにいるため
ただ君のそばにいるため

俺は走った 俺は這った
俺はよじ登った いろんな町の壁を
いろんな町の壁を
ただ君のそばにいるため

でも俺はまだ 見つけてないよ
探しているものを
でも俺はまだ 見つけてないよ
探しているものを

俺はキスした 愛しい唇
癒しを感じた 彼女の指先に
炎のように燃えた
彼女の中で燃えていた

俺は喋った 天使の言葉で
俺はつかんだ 悪魔の手を
暖かかった あの夜
俺は寒かった 石のように

でも俺はまだ 見つけてないよ
探しているものを
でも俺はまだ 見つけてないよ
探しているものを

俺は信じている 神の国が現れると
その時あらゆる色は 滲んでひとつになるだろう
滲んでひとつに
でも、そう 俺はまだ走り続ける

君は絆を壊した
そして君は鎖をなくした
俺に屈辱という試練を運んできた
Oh 俺の屈辱 俺がそう感じるって分かってるだろ

でも俺はまだ 見つけてないよ
探しているものを
でも俺はまだ 見つけてないよ
探しているものを

でも俺はまだ 見つけてないよ
探しているものを
でも俺はまだ 見つけてないよ
探しているものを