- 如実知見とは「ありのままに見る」ということです。要するに「白紙の立場で見る」ということです。
- ありのままに見る、そのまま見る、白紙の立場で見るということによって、正しいものの見方ができるわけです。この白紙の立場で見る見方は、中道の見方と言ってもよいのですが、そうした見方が大事です。この如実知見が、般若につながるものなのです。
- この般若の智慧によって世界や人を見る場合、どのように見えるかといえば、鏡に映すように見えてくるのです。円い鏡のなかに、自分も映る、他人も映る、世界が映る、そのような見え方をするのです。鏡に映すように見ていくわけです。
『沈黙の仏陀』 第5章 智慧とは何か