菊地晴夫の美瑛写真家日記

美瑛・富良野の旬の情報や、最近の出来事をご紹介いたします。

Hasselblad 503C/W + PHASE ONE P21+

2011年07月20日 | Weblog
 
今回、タイミング良くフェイズワンのデジタルバックの試写ができました。
前回の写真は2点ともフェイズワン(PHASE ONE P21+)で撮影したカットです。
ネットで調べてみますとフェイズワン製のデジタルバックに対応するカメラは、ハッセルブラッド、フェーズワン645、マミヤRZ67 Pro II、マミヤ645、コンタックス645AFなどです。
フェーズワン645はマミヤ・デジタル・イメージングと共同開発したカメラで、以前開発中に関係者からその話を伺ったことがありました。
CCDセンサーはP+シリーズ(P21+、P25+、P30+、P45+)は、何れもコダック社製、P40+以降では、ダルサセミコンダクター社製を採用しているということです。
今回使用できたPHASE ONE P21+はハッセルブラッド用Vマウントで、Pシリーズでは1800万画素と一番小さい画素数のバックになります。
CCDサイズが44.2×33.1mmと5Dのフルサイズセンサーと比べてもかなり大きいですが、ハッセルのフィルムサイズから比べるとやや小型で、中判カメラのAPS版のようなイメージです。
残念なことにフォーマットはスクエア(正方形)ではなく約4:3の横長。
フォーカシングスクリーンはこのフォーマット用に別売りで用意されています。

現像ソフトはLightroom3で、オリジナルのキャプチャーワンではありません。
画質はというと、ブログではわかりませんが、圧倒されるほどの高画質で色調もナチュラル。
被写体の細かなディテールまで表現されており、それがファイルの隅々まで行き届いているといった感じです。
絞り込んで完全なパンフォーカスを築けるということもありますが、ツアイスレンズの中心部分のみを使用しているというのもあげられると思います。
現像時にレンズの色収差や歪みをデータ的に修正するなんていう、小手先のごまかし?に満足していたのは何だったんだろう。
このような製品を使ってしまうと、つくづく感じさせられてしまいます。

ただし、相変わらず使い勝手が非常に悪い。
ハッセル自体の悪さは今に始まった事では無いのですが、バックを取り付けるとそれに輪をかけてしまう。
バックとシャッターを連動させるために、シンクロコードを取り付けなければなりません。
これがレンズ交換のたびに行わなければいけないので、ややもすると忘れていたりする。
また、持ち主本人の話ではバッテリーの消耗が激しく、撮影終了と同時に本体から一々取り外すという。
それと問題なのが値段。
このP21+で実売価格約100万円弱。
う~ん、ちょっとうなってしまうしかない。

しかし、私も長年名器といわれるこのハッセルブラッドを使ってきたので、このままお払い箱にするにはあまりにもったいないと思っていました。
近い将来もっとデジタル全盛時代が来て、このような製品が安価になりあたりまえになってくるでしょう。
今は使わなくなってしまったハッセルが、再び活躍する日がくるのを今回の撮影で垣間見た感じがしました。


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