都心の美術館がコロナウイルスの影響で軒並み休館の中、開館を継続している府中美術館(4月3日現在、12日まで土・日・月は休館)。新たな企画展の会期早々にでかけた。
今回の企画は、江戸時代の「ふつう」の絵画をやまと絵、狩野派、京都の四条派、岸駒と岸派、原在中と原派など、流派毎に、分かりやすく展示がされている。スタイルの違いはあるものの、繊細で深遠な表現に一つ一つの絵を見入ってしまう。個人的には、優雅さが一杯の板谷広長〈業平東下図〉、美少年が浮き上がってくるような狩野栄信の〈菊慈童〉、美しいというよりは奇想とも言える岸駒〈寒山拾得図〉が印象的だった。
いつも思うのだが、府中美術館の面白さは、その絵の作品解説だ。堅苦しくなく、平易かつ興味が湧くように書いていただいている。絵も良いのだが、この作品解説を読むのが楽しい。
作品の大半は敦賀市立博物館からの出品。博物館の写真パネルがあったが、昭和2(1927)年に竣工した旧大和田銀行本店建物を活用した博物館とのことで、レトロな雰囲気を漂わせている。一度、訪れてみたいと思った。
4月12日までが前期展示で、14日からは後期展示。殆どの作品が前期と後期で入れ替わるように計画されている。
2020年3月15日訪問